046
ファルダさんは他の魔術師の避難誘導に向かった。
俺は地下のダンジョンを目指す。定期的に地震が発生しているが、エレベーターは稼働し続けている。1階の広場まで行くと魔物の群れと地面に穴が空いていた。外に脱出しようとする魔術師と魔物が戦闘を繰り広げているようだ。
「ブラストカッター」
「ブラストカッター」
「ブラストカッター」
ブラストカッターはウィンドカッターの上位版の風魔法である。火は燃え移るし、氷は壁に穴を開けそうだったので、選ばれたのはブラストカッターでした。
1回のブラストカッターで複数の魔物の首が飛ぶ。3回でけっこうな数の魔物を倒した。
いくら倒しても湧いてくる。ここに居ても、終わらないと悟り、地下のダンジョンに降りていく。
ダンジョン内は薄暗く、迷路のような作りになっている。とても面倒だ。なので壁を取り払うことにした。
「アースディグ」
「アースディグ」
「アースディグ」
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穴掘り用の魔法によって、ほとんどの壁を失ったダンジョン1Fは迷路のようなダンジョンから大部屋のダンジョンに早変わりした。
「進みやすくなったなぁ」
だが、アースディグで魔物は倒せない為、大部屋内には大量の魔物が徘徊している。ほとんどゴブリンやホブゴブリンやオークだ。
「ブラストカッター」
「ブラストカッター」
「ブラストカッター」
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ブラストカッターで全ての魔物を倒す。倒すと死体が消えて魔石と運が良ければアイテムをドロップするようだ。一応拾っておく。
ダンジョン地下10Fまで同様の方法で進んだ。
地下10Fには大きな扉があった。ボス部屋かな?と思いつつ扉を開ける。
「グウオオオオオオオ!」
ゴブリンキングだった。懐かしい。ウチのゴブリンキングも昔はこんな反抗的だったなぁ。
そんな気分に浸っていると、手下のゴブリンマジシャンが火魔法を撃ってくる。
そういえば、マジシャンは火魔法だったな。水魔法を覚えさせてそればかり使わせてたから忘れかけていたよ。
まぁ、急がないといけないし倒すか。
「ブラストカッター」
「ブラストカッター」
「ブラストカッター」
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あっけなく終わった。下の階へと続く階段が現れる。
11Fに降りると溶岩エリアだった。細い通路を踏み外すと溶岩に落ちる仕組みだ。
炎熱無効のコメットには効果がないが、装備やアイテムは燃え尽きてしまうだろう。
「アイス」
「ウォーター」
「アイス」
「ウォーター」
「アイスウォーター!」
溶岩を一時的に冷やして固めてしまうことにした。
気配察知で溶岩の中に何かが居るようだったが、出て来られなくなったようだ。せっかくのギミックが発動せず、少し寂しくも感じるコメットだった。
ダンジョン地下20Fまで同様の方法で降りた。ほとんどのギミックは溶岩の中から現れる為、溶岩が固まってしまうと何も発動しないのだった
地下20Fのボス扉の前に来た。扉を開けると赤いドラゴンと数匹の火のトカゲが居た。
「鑑定」
【サラマンダー】
LV:80
HP:9000
MP:9000
STR:50
VIT:100
DEX:100
AGI:150
INT:300
LUK:30
スキル:火魔法5 溶岩飛ばし
全長5メートル。溶岩の鱗を持つ。溶岩の鱗は火魔法に対する耐性を持つ。
【レッドドラゴン】
LV:160
HP:26000
MP:17000
STR:500
VIT:300
DEX:100
AGI:100
INT:200
LUK:260
スキル:火魔法7 ファイアブレス
全長9メートル。レッドドラゴンの鱗は火魔法を無効化する。
ドラゴン収集家のコメットとしては、鱗も欲しいし、テイムもしたい。だが、ここはダンジョンである。ダンジョンで生まれた魔物をテイムしてダンジョン外に連れ出す事は出来るのだろうか?
早速試してみよう!
「アイスジャベリン」
「アイスジャベリン」
「アイスジャベリン」
まずは邪魔なサラマンダーを凍らせます。
次にプロテウス二刀流でレッドドラゴンの鱗を剥ぎます。鱗は大事に袋にしまっておきます。
「グルルガアアアアアアア!」
レッドドラゴンが怒りの咆哮を上げますが、冷静に近寄ってレッドドラゴンのアゴをジャンピングアッパーで打ち抜きながらこう言います。
「仲間にな〜れ!」
ね、簡単でしょう?
「俺を従えるだと……いいだろうお前を主と認めてやる」
あとはレッドドラゴンがダンジョンを出られるか確認するだけだが、答えはもうほとんど分かっている。
魔法大学1階にはダンジョンから出てきた魔物が溢れていた。という事は、魔物はダンジョンから外に出られるはずだ。
しばらく待つと下の階に続く階段が現れた。
レッドドラゴンと共に地下21Fに進む。




