042
「ただいま戻りました」
「コメット様、大丈夫ですか!?ボロボロですけど!」
「あ、本当ですね」
そういえば、ロックドラゴンの岩礫で防具はボロボロだった。魔法大学のローブを着てなくて良かった。もちろん隠遁のローブも着ていない。
防具を作ろうかな?鍛冶スキルレベルは高いけど裁縫はどのくらい上がったんだっけ?
ステータスと念じる。
名前:コメット
職業:魔術師 冒険者
年齢:18歳
LV:65535
HP:99999
MP:99999
STR:999
VIT:999
DEX:999
AGI:999
INT:999
LUK:999
スキル
格闘術10 剣術10 短剣術10 槍術10 弓術10 斧術10 投擲10 テイミング10 魔力感知10 魔力操作10 火魔法8 水魔法8 風魔法8 土魔法7(new) 闇魔法7(new) 並列魔法8 コメット 物理無効 炎熱無効 氷結無効 風雷無効 痛覚無効 麻痺無効 毒無効 魔法無効 圧力無効 気配察知10 料理10 鍛冶10 木工10 石工10 革細工10 裁縫5(new) 遊泳術10 鷹の目 無呼吸 強制睡眠 言語理解 鑑定10 不老不死
称号
転生者 冥王 原初の生命 生存者 太古 原生 顕生 竜殺し 深海の覇者 格闘の達人 剣の達人 短剣の達人 槍の達人 弓の達人 斧の達人 投擲の達人 達人テイマー 魔力感知の達人 魔力操作の達人 料理の達人 鍛冶の達人 木工の達人 石工の達人 革細工の達人 泳ぎの達人 大爆発
裁縫5か、微妙だなぁ。装備は購入することにしよう。と考えていると
「コメット様、カルトゥス山脈の依頼は失敗でしたか?」
ベルさんに心配されてしまった。
「いえいえ、ちゃんと宝玉を取ってきましたよ」
背負い袋から宝玉を取り出して渡す。
「さすがはコメット様。仕事が早いですね。依頼達成の手続きを致しますので少々お待ち下さい」
しばらく待っていると、エレベーターから狐獣人が降りて受付にやってきた。
「おい、我輩の依頼はどうなっておるのだ!?依頼してから半年も待っているのだぞ!」
「フォルマン副学長、ちょうど今依頼が達成されたんです」
「本当か!?依頼を達成した者は誰なんだね?」
ベルさんがフォルマン副学長と呼んだ狐獣人に宝玉を渡す。
「それは……そこに居るコメット様です」
フォルマン副学長がこちらを振り返る。
「君が……あのコメット君か」
「あのコメットか分かりませんが、俺はコメットと申します」
「つまらん受け答えだな!だが、依頼達成については礼を言おう」
フォルマン副学長は足早に立ち去った。
「なんか感じ悪いですね」
「副学長はいつもあんな感じですよ。依頼達成手続きは完了です。報酬は10白金貨です」
もはや高いのか安いのか分からない依頼だったな。ロックドラゴンがテイム出来たのが一番の報酬かな。
「ありがとうございます。また暇になったら派遣依頼を受けに来ますね」
「畏まりました。お疲れ様でした」
コメットは自室に戻り、ゴロゴロと過ごす日々に戻るのだった。
ゴロゴロと満足するまで過ごした後で、外に服を買いに行こうとした時に気付いた。服を買いに行く為の服が無い。
どうしよう?ボロボロになった服と防具は全て捨ててしまった。
困ったときのセバスチャンに聞くしかない。きっと服を買ってきてくれるはず!
隠遁のローブを着て、魔法大学を抜け出した。
走って2時間で無事に自宅へ到着した。
「うわーん!助けてセバスチャーーン」
「お久しぶりで御座います。コメット様、何か御用でしょうか?」
「服が無いから買ってきて欲しいんだよ」
「なんと、それはいけませんな。コメット様の服なら城に揃えて御座います」
そういえばいつの間にか自宅は城に建て替えられていたんだったっけ。
まだ城には一度も入っていない。以前帰って来た時は寝る間も惜しんで工房で魔法の鍛錬をしていたんだった。
「仕事が早いなセバスチャン!さすがだ!じゃあ、城の中でも見てくるよ」
「案内が必要な場合はお申し付けください」
城は堅牢に作られている、城壁にぐるりと囲まれており、四隅に塔が建てられている。真ん中が住む為の城の本体のようだ。綺麗な庭も完備されている。
「凄いけど、誰が作ったんだ?まさかセバスチャン……?」
万能すぎるセバスチャンが少し怖くなったのでコメットは考えることをやめた。
城に入るとメイド服の女性たちと執事服の男性たちが並んで待っていた。
「「おかえりなさいませ、御主人様」」
とても驚いたが、最初に気になったのは人間なのかどうかということだった。
だが、さすがにあなた達は人間ですか?なんて聞くわけにはいかない。
「えーっと、着る服を探しているんだけど場所を知ってる?」
「お任せください」
一番年長のメイドが進み出た。後をついて行くと豪華な部屋に辿り着いた。
大きなクローゼットを開くと趣味じゃない高そうな服がズラリと並んでいる。
一番地味な服を選び服を着ようとすると
「お手伝い致します」
メイドが手伝おうとしてくる。
「いや、大丈夫なんで。一人で出来るので、お願いですから部屋を出ていってくれーーー」
拝み倒してなんとか出ていってもらった。貴族じゃないんだから、一人で着替えたいよ。いや貴族でも一人で着替えたいけど。
着替えるとまるで貴族のような見た目になってしまった!これは早急に別の服を買いに行くとしよう。
城の窓から飛び降りてシャトラインへひた走る。
到着した。久しぶりのシャトラインだ。
「こんにちはー今日もいい天気ですね」
門番の兵士に挨拶をする。
「徒歩で移動とはどうかされましたか!?馬車はどうされたのです?」
最敬礼でそんな事を言ってきた。貴族と勘違いしているのかな。
「オライリーさん、コメットですよ」
「ええ!?いつもと服装が全然違うから分からなかったよ!」
「すみません、騙すつもりはなかったんです。この服しかなくて、今から買いに行くところなんですよ」
「そういうことか、他に騙される人が出る前に早く着替えることをオススメするよ」
「分かりました。ではまた」
服屋に急ぐ。しかし、こんな時に限って出会いたくない人に出会うものである。
「ちょっと待って!そこのあんた!」
聞き覚えのある声が聞こえる。無視して服屋に行こう。
「ちょっと待ちなさいよ!弟子!」
諦めて立ち止まる。
「こんにちは、ヘレナさん。レイナルドさん」
「何その格好!プププ!笑えるんだけど!」
「久しぶりだねコメット君。こら、ヘレナ。笑ってはいけないよ。ププ……」
「レイナルドさんも今笑ってましたよね……?」
公衆の面前で指をさされて笑われる。これ以上の屈辱があるだろうか、いやない。
「闇の力よ ダーク」
「闇の力よ ダーク」
レイナルドとヘレナの頭に闇魔法が炸裂し、2人は目が見えなくなる。
今のうちだ!服屋にダッシュするコメットであった。




