表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

31/254

031

 さて、魔法の鍛錬の為にももっと作らなければいけないんだけど、大量に作って売るなら何がいいかな?


 自分が作った武器で人同士が争うのは見たくないな。


 どうせならこの世界が発展するようなことをしたいな。


 産業革命が起こる時は、技術的な革命が起点だと思われがちだが、実は人口が増えることから始まっている。


 何らかの出来事で人口が増えて、発明をする余裕が出てくる、そして技術革新が進むという連鎖が起きる。


 では、どうしたら人口が増えるのかというと、食料である。食料が増えることで人口も増えるという連鎖が起きる。


 というわけで、農具を作ろうかな。クワと鎌とついでにツルハシと斧を作ろう。


 全部鋼鉄製でいいかな。とにかく作り続ける。


 スキルレベルを上げるにはスキルを使い続けることが肝心なのである。


 しかし、一般的な魔術師はレベル上げの機会も少なくMPに限りがある為、コメットの真似は出来ない。


 3ヶ月が経過した。


 《スキル:火魔法8にアップしました》

 《スキル:風魔法8にアップしました》

 《スキル:水魔法8にアップしました》

 《スキル:並列魔法8にアップしました》


 クワと鎌とツルハシと斧は数え切れないほど作った。


 早速、街で売ろうとしてみた。しかし、個人で売るなら商業ギルドに所属する必要があり、面倒だった。


 どこかの商人に売れないか聞いてみたが、駄目そうである。


 うーん、普通の農具は売れないか。じゃあ、自分で使おうかな。


 魔物をテイミングして、農作業をさせてみてはどうだろうか。


 自宅の周りの壁の更に外周を畑にする。畑の外側を整地して、壁を作る。二重丸のような構造だ。


 これで畑は安全なはず。


 早速、ゴブリンキングとゴブリンマジシャンを数匹テイムしてくる。ゴブリンやホブゴブリンは頭が悪いからやめておいた。


 ゴブリンキングにクワと鎌の使い方を教える。ゴブリンマジシャンには水魔法を覚えさせる。


 ゴブリンキングには種まきと雑草取りまでを教えておく。ゴブリンマジシャンには水撒きを教える。


 あとは任せて、自分は魔術師ギルドに専念出来るようになった。


 久しぶりの魔術師ギルドだ。


「こんにちは、ララさん」


「こんにちは、コメットさん。お久しぶりですね」


「魔法の修行がしたくて街の外に土地を買って鍛錬の場所にしてたんですよ」


「たしかに、中級魔法以上は街の外じゃないと危ないですから、わざわざ外まで行って練習する魔術師は多いです。でも、土地まで買う人は初めて見ました」


「それで一段落したので、魔術師ギルドの仕事でもしようかなと思いまして」


「それでしたら、コメットさんに丁度良い依頼がありますよ」


「どんな依頼ですか?」


「飛竜、ワイバーンの撃退です。もちろん撃退は複数人で協力することになってますし、コメットさんは後方支援です」


「なるほど、その依頼受けます」


「詳細は現地で聞いてください」


「場所はどこですか?」


「シャトラインの北東にあるデヴィック鉱山です。そこへ行き魔術師ギルドから派遣されたと言えば案内があると思います」


「分かりました、行ってきます!」


「お気をつけて」


 特に何か準備が必要という訳でもないので、そのまま走ってデヴィック鉱山を目指す。


 20分後、到着した。


「誰だ!身分証を提示しろ!」


「これです。コメットと申します」


 ドヤ顔で魔術師ギルド証を見せる。


「魔術師ギルドの方でしたか、失礼致しました」


「ワイバーンの撃退の件でシャトラインから派遣されてきました」


「では、こちらへどうぞ」


 門番の兵士に集合場所へと案内してもらう。


「こちらでお待ちください」


 待っている間にステータスの確認でもしておくかな。


「ステータス」


 名前:コメット

 職業:魔術師 冒険者

 年齢:18歳

 LV:65535

 HP:99999

 MP:99999

 STR:999

 VIT:999

 DEX:999

 AGI:999

 INT:999

 LUK:999


 スキル

 格闘術10 剣術10 短剣術10 槍術10 弓術10 斧術10 投擲10 テイミング10 魔力感知10(new) 魔力操作10(new)火魔法8(new) 水魔法8(new) 風魔法8(new) 並列魔法8(new) コメット 物理無効 炎熱無効 氷結無効 風雷無効 痛覚無効 麻痺無効 毒無効 魔法無効 圧力無効 気配察知10 料理10 鍛冶10 木工10 石工10 革細工10 遊泳術10 鷹の目 無呼吸 強制睡眠 言語理解 鑑定10 不老不死


 称号

 転生者 冥王 原初の生命 生存者 太古 原生 顕生 竜殺し 深海の覇者 格闘の達人 剣の達人 短剣の達人 槍の達人 弓の達人 斧の達人 投擲の達人 達人テイマー 魔力感知の達人(new) 魔力操作の達人(new) 料理の達人 鍛冶の達人 木工の達人 石工の達人 革細工の達人 泳ぎの達人 大爆発


 いい感じに魔法系のスキルが増えてきたね。


 魔法大学もあるらしいから行ってみたい、なんて考えていると


「お待たせしました。この鉱山の責任者デヴィック3世です」


「魔術師ギルドのコメットです。よろしくお願いします」


「早速ですが、状況を説明します。鉱山にワイバーンが数匹住み着きまして、採掘が出来なくて困っているのです」


「なるほど」


「倒す必要はありません、ただ追い払ってくれるだけでいいのです」


「複数人で行うと聞いたのですが?」


「はい、その予定ですが、今のところはコメット様だけのようです」


「下見してきてもいいですか?」


「おすすめはしません。しかしどうしても行きたいのならば、何があっても自己責任でお願いします」


「分かりました」


 よし、時間も勿体ないサクッと倒してしまおう。


 鉱山に入って進むとすぐに広めの場所になった。


 ワイバーンが2匹居るみたいだ。


「鑑定」


【ワイバーン】

 LV:50

 HP:8300

 MP:6900

 STR:60

 VIT:50

 DEX:100

 AGI:150

 INT:30

 LUK:50

 スキル:飛行 風魔法 毒攻撃

 翼を広げると最大で9メートルに達する。群れを形成し、沼に生息する。群れからハグレた個体は気に入った場所で巣を作る。尾に毒がある。


 尾に毒があるのかー。どの部位が素材になるのか聞いておけば良かったかなぁ。


 首を落とせばいいと推測し、プロテウスを両手剣モードにする。隠遁のローブも装備して気配遮断を発動させる。


 ワイバーンは眠っているようなので気付かれる前に倒す。


 1匹目近くまでゆっくり近づいて、首を一刀両断する。すぐに2匹目の近くまで神速で移動し同じ様に首を落とす。


 他に居ないかと気配察知をすると、鉱山の奥の方から怒りの咆哮を上げながらひと回り大きな個体が飛んできている。


 効かないことは承知で石を投げてみる。ワイバーンは体の周りを風魔法で覆っている為、石の軌道が逸れて掠りもしない。


 どうしようか迷っていると、思ったよりも早く目の前に迫っていた。


「しまった!」


 横っ飛びで逃げるが間に合わず、尾の毒攻撃を受けてしまった。なんてことだ、このままでは毒が回って動けなく……ならなかった。毒無効ということを忘れていた。


 耐性スキルを豊富に持つ俺の勝利だ!


 という訳で、簡単に倒してしまおう。まず、ワイバーンの上方に跳躍します。


「風の力よ ウィンド!」


 上から下に強風を送ります。すると、なんということでしょう。ワイバーンは地面に落ちます。


 あとは首を斬ります。


「ふう、ちょっとだけ焦った」


 ワイバーンを怒らせて自分が動けなくなったりしたら、周りに被害が広がって責任問題になるところだった。


 3匹分のワイバーンを担いで戻ると鉱山責任者のデヴィック3世は気絶した。


 ちょっとした騒ぎになったが、デヴィック3世は意識を取り戻したし、依頼は達成となった。


 ワイバーンの死体は自由にしていいとのことだったので貰った。依頼の報酬は白金貨2枚だった。理由は早期解決できたことと、他の冒険者や魔術師に依頼する前で安く済んだからだそうだ。


「デヴィック3世さん、ここの鉱山は何が産出されるんですか?」


「ここは、ミスリル鉱石ですね。なので国が管理しているのです」


 なるほど、自宅の土地から東に行くとデヴィック鉱山がある。ということは、東側に掘っていけばミスリルが多く手に入りそうだ。良い情報を聞いてしまった。


「なるほど、復旧作業の邪魔をするのも悪いのでそろそろ帰りますね」


「今回は助けていただきありがとうございました。また何かあった時は、お願いします」


「分かりました」


 ワイバーン3匹を担いで、シャトラインまで走った。さすがに目立つので森の中を通って帰った。


 途中で何匹かゴブリンキングとゴブリンマジシャンが居たのでテイムして自宅へ行き農業を手伝うように指示した。


 シャトラインの街で真っ先に行くのは冒険者ギルドだ。何故ならワイバーンが邪魔だから。


 解体場へ直行し、引き渡してから、討伐報酬も貰えるか聞いてみた。


「魔術師ギルドで受けた依頼なので、冒険者ギルドへの依頼を重複して受けることは出来ません。素材買取のみとなります」


「ですよね。念の為に言ってみただけです」


 ただ、ワイバーンの買取価格は非常に高額だった。


「ワイバーンの状態が非常に良いので、1匹あたり1白金貨で3匹なので3白金貨です。魔石(特大)が3個でしたので、合計で6白金貨になります」


 おー、なかなかのお値段ですね。さすがワイバーン。


「はい、買取ありがとうございます」


「いえいえ、こちらこそありがとうございます」


 お金を受け取って、次は魔術師ギルドに行かなければ。


「帰りましたよ、ララさん」


「おかえりなさい、依頼はどうなりました?」


「この通り達成しましたよ」


 依頼達成書を見せる。


「1人で解決!?そんなことが……」


 驚かせてしまったようだ。


「冒険者なので、剣にも多少覚えがあるんですよ」


「そうだとしても、普通は冒険者数人と魔術師数人でやっと追い払うことが出来るくらいなんですよ?」


「運が良かったんですよ。ところで、今回の依頼達成でランク上がったりしないですかね?」


「普通は規定回数の依頼達成が必要だけど、今回は内容が内容だからどうなるか分かりませんね」


「分かりました。また何か派遣依頼があれば教えてください」


 そう言って、その日は休息を取ることにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ