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 オーサさんは回復し、部屋の片付けの手伝いをして街に出た。


 次の目的地は、不動産屋である。


「いらっしゃいませ」


「郊外の土地を買いたいんだけど」


「郊外ですか、あるにはありますが、魔物が出て危険なのでオススメしません」


「それについては大丈夫です、冒険者ですから」


 そう言って、冒険者証を見せる。


「なるほど、白金級の冒険者様であれば大丈夫ですね」


「安くて広い土地が嬉しいんだけど」


「では、街の北にある森はどうでしょうか?」


「広さと価格はどれくらいですか?」


「1平方キロメートルで10白金貨です」


 大体、東京ドーム20個分くらいか。と言われてもピンとこないけど。


 払えるけど、半分以上使っちゃうなぁ。ま、いっか。


「じゃあ、そこ買います」


 白金貨10枚を払う。残りは白金貨3枚と金貨655枚と小銭となった。金貨100枚で白金貨1枚になるけど使い勝手が良いので金貨のままにしている。


「お買い上げありがとうございます!こちらが土地の権利書です」


 土地の権利書を手に入れた。




 翌日、土地を見に行ってみた。


 どこから自分の土地なのかイマイチ分からないけど、ざっくりでいいのだろうか?


 真ん中っぽい所まで来た、ここは間違いなく自分の土地だ。木々が鬱蒼としている。


 まずは、邪魔な木を切るというか、力任せに引き抜く。引き抜いた木は一箇所に集めておく。


 東京ドーム1個分くらいの範囲を整地する。


 斧を買ってくれば良かった。いや、自分で作りたい気持ちもあるな。


 まずは丁度良い大きさの石を拾って石の形を整えて、枝を削って柄を作る。石刃と柄を固定して石斧の完成。


 木を木材に加工する。海まで行ってコンクリートの材料も取ってくる。


 鍛冶用の窯の素材は街で聞いたところドワーフのレンガを使用しているが製法は秘密らしい。


 仕方がないので、川で粘土を拾って来てレンガを作る。


 この森は空気中や川にも魔力が満ちているようで、良質なレンガになった。


 鍛冶用の窯が完成した。ついでに炭窯も作った。


 近くに寝泊まり用の家と、試し斬り兼訓練用の広場を作った。


 近くの岩山から大量の岩を運び、石工スキルで整形し、魔物避けの壁にしてぐるりと囲った。


 門はどうしようかな、一旦なしでもいいか。俺は飛び越えればいいからな。


 さて、火魔法を鍛える妙案だけど、丁度メイン武器が欲しかったのだ。


 いつまでも短剣がメインってのもね。


 そこで、鍛冶スキルと火魔法と風魔法と水魔法を使ってメイン武器を作ってしまおうというわけである。


 あと足りないのは素材だけなんだけど、どうしようかな?


 この場所は魔力が豊富なようだから、地下を掘って行ったら鉄鉱石とかクロロ鉱石とか取れないかな?


 木で簡単にスコップとツルハシを作る。


 そして斜め下に向かって掘り進める。木は脆いのですぐに新しい物を作りながら掘る。


 ある程度の深さまで掘ったら、ブランチマイニングを行う。


 ブランチマイニングとは、時間のかかる鉱石集めをより効率よくおこなうためのテクニックのことである。


 ブランチは木の枝、マイニングには採掘・掘削という意味だ。


 つまり一本の太い枝から木の枝が横に伸びるように坑道を掘ることで効率よく鉱石を発見できるのである。


 おっ、鉄鉱石だ。手当たり次第に集める。ある程度集まったら地上に戻る。


 鉱石を保管する為の倉庫をささっと建てる。


 鍛冶用の窯に鉄鉱石を入れて火魔法で溶かす、形を整えてツルハシやスコップを作る。


 これで掘る速度が上がった。


 1日中掘った結果、鉄鉱石、クロロ鉱石、ウルツァイト鉱石、少量のミスリル、少量の宝石類が手に入った。


 ウルツァイト鉱石は見たことが無かったので鑑定してみる。


「鑑定」


【ウルツァイト鉱石】

 火山性の残留物から得られる、硬い物質。クロロ鉱石よりも硬い。


 これを使って武器を作れば良さそう。


 本当は贅沢にミスリルを使ってみたかったけどね。


 武器は何が良いだろうか?投擲用の玉は必要だから既に作ってある。


 剣術と槍術がスキルレベル最大まで上がっているから、どっちも使いたい。


 良いことを思いついた、片刃の剣を2つ作って槍の柄が取り付けられるようにしよう。


 そのまま使えば片手剣になる。


 槍の柄を付けたら槍になる。


 片手剣を両手に持てば二刀流になる。


 片手剣を重ねて両刃の両手剣にもなる。


 連結部分の耐久性が分からないけど、まずはやってみよう。


 そう、何事もまずはやってみる事が大事。ダメだった時は、その都度改善すればいいだけなのだ。


 鍛冶窯にウルツァイト鉱石を置き、火魔法と風魔法をかけ続ける。


 後はいつも通りに片手剣を作成するだけである。焼入れの水は水魔法で作っているけどね。


 三日三晩かけるほどの気合で1日で完成した。スキルのおかげで短縮されてしまった。


 完成品は、今までで最高の出来だ。


 仕上げの研ぎも終わっている。


 何て名前にしようかな。


「プロテウスにしよう」


 プロテウスとは、ギリシア神話の海神である。予言や変身の能力を持つ。


 予言は出来ないけど、変身はするからいいよね。

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