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 コメット達はシャトラインの街に無事戻ってきた。道中で火魔法をいくつか教えてもらい、新しい魔法も覚えた。


 荷物が多いので真っ先に冒険者ギルドに向かう。


 レイナルドが受付に話をしてくれる。レイナルド便利だ、一家に1台欲しい。


 受付が奥に行き、数分後戻ってきた。レイナルドが手まねきしているので行くと


「ギルド長が話があるらしい。応接室に一緒に来てくれ」


 あのギルド長か、面倒だけど仕方がない。


「先に討伐証明を渡してもいいですか?」


「はい、集計しておきます」


 ふう、少しは減ったな。ヘレナの回収品がまだ大量にあるけど。


 案内とコメット達3人で応接室に入る。


「おお!待っていたぞ!」


 相変わらず大きな図体の虎獣人だ。そして声も大きい。


「まずは依頼達成おめでとう!あの難易度の魔物を倒せる冒険者は少なくてな。ギルドの長として礼を言わせてくれ、ありがとう」


「いえいえ、俺達は冒険者としての仕事をしただけです」


 レイナルドは模範解答だね。だが、それだけでは済まさぬよ!


「あのーこの難易度の依頼に銅級冒険者を連れて行くのは如何かと思うのですが?」


「ぐっ!しかし、ギルド長の俺を倒すほどの実力者なんだから問題ないだろう」


「いいえ、実力がどうだろうと銅級冒険者に危険な依頼をさせたという事実が問題なのです。このような前例を作ってしまったら、この街で冒険者になりたがる人は居なくなりますよ」


 ギルド長の顔が真っ青になっていく。


「お、俺はどうしたらいいんだ……?」


「ここにいる全員に口止めするしかないでしょうね。口止め料は高いですよ」


 ガックリと膝をつくギルド長。


「口止め料は、そうですねぇ。魔道書が欲しいのと、今後俺に対する指名依頼禁止でどうですか?」


「それは困る!魔道書2冊で手を打ってくれんか!?」


「うーん、じゃあ魔道書2冊でいいですよ」


「じゃあ、あたしはお金でいいよ!金額はギルド長の誠意次第にしようかな?誠意が足りなかったら口が滑るかも」


 ヘレナの要求がエグい。


「こらヘレナ!ギルド長を困らすなよ」


 レイナルドはどんな時も優等生だった。


 交渉は数時間に及んだ。




 心身ともに疲れ切ったギルド長は枯れた声で言った。


「コメットを白金級冒険者として認定するので、冒険者証を更新して帰ってくれ……いや、帰ってくださいお願いします」


「分かりました」


 これに懲りて指名依頼をしようとか思わなくなってくれるといいな。


 受付に戻ると、討伐報酬が用意されていた。


「ゾンビ討伐数が205。グールの討伐数が108。ヴァンパイアの討伐数が1。魔石(中)が313。魔石(大)が1。合計で67金貨と35銀貨になります」


 ヘレナに全部渡す。


「冒険者証の更新が完了しました。こちらが新しい冒険者証です」


 白金で出来たプレートを受け取る。一気にレイナルドと同じランクに上がってしまった。


 冒険者ギルドを出て、次は雑貨屋だ。


 ヘレナの回収した調度品達は20金貨で売れた。


 雑貨屋を出て別れの挨拶をする。


「依頼完了ですね。お疲れ様でした」


「コメット君のおかげで良い旅が出来たよ」


「弟子のおかげで大分稼いだわ」


「それではこれで」


「また機会があれば宜しく」


「じゃあね」


 臨時で組んだパーティは解散となった。

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