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 元々はエデンダンジョンというレベル上げに最適なダンジョンで心ゆく迄レベル上げを行うつもりだった。だが、ここがイノセントダンジョンであるということが分かった。


 そして、俺はイノセントダンジョンのマスターである。つまりは、やりたい放題できるということである。


「じゃあ、高階層の草原に闘技場を4つ用意してくれ。広さはそこまで広くなくてもいい。1人とモンスター1匹が戦える程度の広さで」


「承知しました」


「それで、闘技場に人が入ったらそのレベルに合わせたモンスターを1匹だけ闘技場内に配置してくれ。あ、人側が瀕死になったらモンスターは停止もしくは排除で頼む」


「承知しました」


「次に低・中階層は侵入者から極力魔力を吸収してくれ」


「承知しました。ダンジョンの構造、罠・魔物の配置は如何致しますか? マスタールームのコンソールで設定可能です」


「じゃあ、やってみようかな」


 コンソールに手を触れると目の前に立体的なダンジョン1階が展開される。


 俺は少し考えた後、1階の構造を迷路に変える。迷路と言っても一本道で、ただ長いだけだ。そして入口から少し進んだ所に床から棘が飛び出る罠を配置し、それ以外はダミー罠を設置した。


 そしてゴールは一段高く設定し何処からでも見えるようにして豪華な宝箱を配置する。中身は俺が片手間に作った武器防具にしておく。


 低階層は基本的に同様の構造にしておく。魔物は弱い奴をちらほらと配置。


「さすがはマスター。長く滞在させて最大まで魔力を吸収するダンジョンとなっていますね」


「ああ、人は欲深いからね。宝箱が見えていればきっとそこを目指すはずだ。それに入口の罠に警戒してゆっくり進むはずだよ」


 中階層は罠を増やし、ピタゴラ的な装置で低階層に落とすように設定する。そして魔物も少し強くしておく。最後に高階層手前の階層は最大まで罠を配置し、魔物もドラゴン全種を配置しておいた。


 そして、低・中階層の魔力吸収量を最大に変更した。地面に落ちたあらゆるアイテムは3秒以内に拾わないとダンジョンに吸収されるように設定する。地獄の3秒ルールである。


「魔石のドロップ率は低確率に変更っと。とりあえずはそれだけかな。また必要があれば言いに来るよ」


「承知しました。では、これを」


 指輪を渡された。これは紛失してしまった便利アイテムか。


「転移の指輪か」


「はい、その通りです。では、元の場所にお送りしますね」


「頼む」


 イノセントが頷くと俺の視界がブレて、気づくと草原に立っていた。少し遠くに仲間達が居たので、そこに歩いていく。


「あっ、こんな時にどこに行ってたのよ!」


「無事だったか」


 ティナ、ロスキタスがこちらに気付き声をかけてきた。


「ああ、見ていたので全部知っていますよ。俺に何があったのか今から説明しますね。実はこのダンジョンは……」



 ――俺は小一時間ほどかけてある程度の真実とこれからの計画について説明した。説明が面倒なので不老不死である事は秘密にしている。ダンジョンのマスターに認定された事としばらくここでレベル上げをするという話をしたのだ。


「というわけで、全員レベル上げをするという事でいいですか?」


 俺が周りを見回すとシャーリンちゃんが手を上げている。


「異議ありなのじゃ!」


 問題児の発言に俺は顔をしかめた。


「じゃあ、どうしたいんですか?」


「ワシは魔導アーマーを作る」


「まぁ、そうなりますよね。シャーリンちゃんは特例として許可します」


「あ、じゃあわたしも!」


「駄目です」


「なんでシャーリンちゃんは良くて、わたしは駄目なの!?」


 俺が守る必要がないほどに仲間たちには強くなってほしいのだ。シャーリンちゃんは魔導アーマーに乗るので魔導アーマーの性能が上がれば戦力アップに繋がるのだ。しかし、ティナの付与術は魔導アーマーほどの戦力アップは見込めない。


「先程の黒ローブに負けない程度には強くなって貰わないと困るからですよ。シャーリンちゃんは魔導アーマーに乗れば強いですからね」


「ぐぐぐ……わかったわよ。やればいいんでしょ!」


 ティナはそっぽを向いて頬を膨らませた。


「さて、それじゃあ草原の中央まで行きましょう」


 俺達はレベル上げの場所を目指して移動を始めるのだった。

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