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「到着しました。ここです」


「ここは……」


 俺の目の前にあるのは、5つの塔だった。それぞれの塔にはシンボルマークが掲げられており、なんとなく色や形から火水風土、それと闇を表しているように感じた。


「ここは世界で唯一の魔法大学です」


「!?」


 この時代にも魔法大学があったのか。冷静に考えれば魔法が盛んな国であれば当然魔法を教える学校があってもおかしくない。


 1000年前から続いているのか、それとも新設されたのか分からないが、なんとなく懐かしく感じる。


「ふふふ、コメット様がそこまで驚かれるとは思いませんでした。さぁ、入りましょう。私の手に触れてください」


 そう言ってマリアさんは闇シンボルの塔の壁に描かれている魔法陣に手を触れる。そしてもう片方の手をこちらに差し出したので、俺とロスキタスはその手に触れる。


「闇の魔法を学びし我らに等しき恩恵を与え給え。転移、最上階」


 魔法陣に闇の魔力が伝わると視界が一瞬で変わった。塔の中に瞬間移動したようだ。俺とロスキタスは突然の変化に呆然としてしまう。


「こちらです」


 マリアさんは何事もなかったかのように進んでいく為、俺とロスキタスは肩をすくめて付いていくしかない。


 少し通路を進むと突き当りに怪しげな扉が現れた。マリアさんが扉をノックする。


「マリアです。入ります」


 そう言ってマリアさんは返事も待たずに扉を開けた。


 中は応接室のような雰囲気で5人の人物がこちらに注目していた。


「ひゃっひゃっひゃ、噂をすれば来おったか」


 黒いローブのお爺さんが口を開く。


我輩(わがひゃい)はダークヴィーン・ゲーリケ。この闇の塔を管理している者じゃ。それからこちらは……」


 ダークヴィーンの肌の色は青く耳が尖っている。ダークエルフだろうか。そして喋り方や顔に深く刻まれたシワがかなりの高齢である事を物語っている。


 ダークヴィーンが隣の赤いローブの男に視線を向ける。


「私はフレアガガ・ガガーネットだが。炎の塔を管理しているのだが」


 フレアガガはどう見ても竜人だ。鱗の色は赤い。あと、『ガ』が多いな。


「オレはエアハルト・デュエッベルス。風の塔の真の管理者だ……今日は……風が騒がしい……不吉な前兆だ……」


 なんだこの男エルフ。未来予知の能力でも持っているのだろうか? それともただの中二病か?


「それ毎日言ってますよね。私はアイス・ファッシュです。氷の塔を管理しています」


 男エルフはただの中二病だった。そしてアイスは至って普通の人のように見える。普通すぎて逆に恐い。ちなみに女性だ。


「あたい、ガイスマイヤー。土の塔、管理者。オーク」


 オークの恐らく女性である。俺はオークが人と共存している事に驚いた。しかも、塔の管理者という立場である。


「全員キャラが濃すぎるでしょう……」


 俺は誰にも聞こえないように小声で呟いた。

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