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 魔法国は控えめに言って最高だった。


 まず、町並みというか、街灯であったり家の扉などに魔石が埋め込まれており魔道具として機能しているようだ。魔力感知で感じる街全体の魔力が凄い事になっている。


 次に目を引いたのは空中を飛んでいく人々の姿と、交通信号のように空中で光るランタンだった。


「おおー、これは凄い光景ですね。飛ぶ魔法があるんですか? それとも空飛ぶ魔道具ですか?」


「フライの魔法ですね。魔道具もありますよ。フライの魔法が苦手な方は魔道具を使っていますね」


 マリアさんが答える。俺はウィンドの魔法で無理やり浮いていたのでフライという新しい魔法がある事に驚いた。


「なるほど、魔道具はどんな見た目なんですか?」


「大抵はマントに付与されています」


「付与! それはどうするんですか!?」


 俺は付与という言葉に飛びついた。


「え!?」


 俺が突然大声を出したせいでマリアさんは驚き目を丸くしている。


「あ、すみません。つい興奮してしまいました」


「コメット様がそんなに付与に興味があるとは思いませんでした。私もそこまで詳しくはないので、今度付与術師を紹介しましょうか?」


「是非お願いします!」


 新しい技術があれば是非手に入れたい。付与術を覚えれば魔導アーマーの強化も捗りそうだ。それとフライの魔法なども覚えたい。


「フライの魔法はマリアさんも使えるのですか?」


「はい、これでも元宮廷魔術師ですからね」


「俺にフライの魔法を教えてください! あ、あと他にも俺の知らない魔法があればそれもお願いします」


「は、はい。私なんかが教えられる魔法であればなんでもお教えします」


 やったー! 新しい魔法を覚える算段がついた。1000年の時の流れによってどこまで進化したのか今から楽しみである。


「それにしてもマリアさんが元宮廷魔術師とは驚きましたよ」


「あ、はい。本当はもっと前に打ち明けるべきでしたが、王族であるルート君の危険を少しでも下げる為に言えませんでした」


「なるほど、それはたしかにそうですよね。ところで、この後はどうするんですか?」


「あそこに見える王宮へ向かいます」


 王宮かぁ。恐らく王族を救った事で褒美が貰えるかもしれない。それは魅力的だが、同時に厄介事に巻き込まれる可能性も大いに考えられる。


 例えば、貴族にしてやるから戦争に参加しろ、なんてことにもなりかねない。いや、きっとそれに近い事になるに違いない。


 俺の一番の優先事項は魔導アーマーの修理とレベル上げ、ついでに観光だ。王宮に行ったら目標から遠のく事は間違いないだろう。


「魔法国へ無事に送り届けるという約束は果たしました。俺はここでお別れということで……」


「え!? 一緒に来ていただけないのですか!? ちゃんとしたお礼もしなければなりませんし、経緯を説明する際にも居ていただけると助かるのですが……」


 マリアさんは困ったような顔で何かを考えるような素振りをし


「あっ、そうです! 王宮にはお抱えの一流付与術師が居るんですよ! その方を紹介する為にも一度王宮に来ていただかないといけません!」


「そ、そうですか。それならついていきます」


 勢いに押されて俺は承諾した。まぁ、何かあってもなんとかなるだろう。そう思えるくらいには俺も強くなった。


「それは良かったです! さぁ、こちらです」


 俺達はマリアさんの案内で王宮に向かうのだった。

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