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 部屋の中はやはりドワーヴン輝石により明るかった。


「なんだか普通の部屋のようですね」


 マリアさんが言うように普通のテーブルと椅子、本棚がある普通の一人部屋のような見た目だ。


「わーい! 探検だ!」


 ルート君が部屋の中を走り回る。


「ルートさ……君! 走り回ってはいけません! まだ罠があるかもしれないのですよ!」


 マリアさんが慌てて注意する。


 ”ルートさ”って言いかけてたけど、もしかして”ルートさま”だったりして? そんなわけないか。元々奴隷だったわけだしな。


「うわああああ!」


 そんなことを考えているとルート君が悲鳴を上げた。


「大丈夫ですか!?」


 俺がルート君に近寄ると、本棚の下に白骨化した死体が倒れていた。


「恐らく、ドワーフの骨格じゃな」


 シャーリンちゃんが死体を調査しだした。俺もよく観察してみると、死体が本棚の方を指差しているように見えた。


「ふむ、この者は何か伝えたかったのかもしれぬ」


「じゃあ、この本棚が怪しいですね」


「指の方向からするとこの本じゃな。ほいっとな」


 シャーリンちゃんが本を傾けると、仕掛けが動き出しギギギという音とともに本棚が動き出した。


「シャーリンちゃん、罠だったらどうするんですか!」


 さすがにマリアさんもご立腹のようだ。


「すまんのぅ。スイッチを見るとつい押したくなるんじゃ。お主なら分かるじゃろ?」


 俺を見ないで欲しい。若干同意してしまう部分もあるが、同意したらマリアさんに怒られるのは明白だ。


「ノーコメントでお願いします」


「コメット様! そこはちゃんと否定して下さい!」


 結局怒られた。何故こんなことに。


「あっ、どうやら隠し部屋のようですよ。まずは俺が確認しますね!」


 俺はマリアさんからの更なる追求から逃れるために部屋に突入する。


 そして、とある物を発見してしまう。


「マジかよ……」


 つい敬語を忘れて驚きの言葉を発してしまう。


「コメット様! お宝ですか!?」


 ルート君が俺の背中に期待した声をかけてくる。だが、俺は見つけた物から目を離すことが出来なかった。


「ああ……これは本当にお宝ですよ」


 小部屋の最奥に防具立てがあり、そこに飾られているお宝。


 それは過去に俺が作ったアースドラゴン防具一式だった。


 所々、金属パーツが追加され改造されているが防具には『米』マークが彫られている。これはコメット印として俺が付けていたマークだ。


 自動修復機能も付いていたおかげで助かったのかもしれないな。


 鑑定を行ってみる。


【エンシェントアースドラゴンメイル】

 アースドラゴンの革で出来た革鎧が永き時を経て強化された鎧。魔法を吸収し魔力に変換する。物理攻撃に対する高い耐性を持つ。周囲の魔力を吸収することで鱗が再生する。


「もはや別物じゃないですか!」


 思わずツッコミを入れてしまった。


「突然どうしたんですか?別物ってどういう意味ですか?」


「驚かせてすみません、なんでもありません気にしないで下さい! ハハハ……」


 1000年前に自分が作ったなんて言ったところで信じてもらえないだろう。そんな事を思いながら防具をチェックしていく。


 鎧に篭手、靴、ベルトの一式が揃っているようだ。ただし、マントだけは見当たらなかった。残念。


「ここにある物は500年前の探検家の物のようじゃな。この日誌に書いてあるわい。ほれ」


 シャーリンちゃんが見つけた日誌を受け取る。500年前か、俺が邪神と戦っている最中に防具が吹き飛んで結果的にドワーフの探検家に拾われ修理・強化されたのか。この探検家の日誌は過去の事が分かる貴重な資料だ。アイテムボックスに入れておく。


「大昔のドワーフの探検家ですか。この部屋にある物は貰ってもいいのですか?」


「遺跡で手に入った物は好きにしていいと言われておる。元々それが狙いじゃったからのぅ。まぁ、わしの開発した魔石発見器に反応はないから無駄骨じゃったが……」


「いやいや、防具を見つけたので無駄骨ではありませんでした」


「わしは魔石以外に興味はないんじゃ」


 シャーリンちゃんが落ち込んでいると


「ねぇ!」


 ルート君が机の下から顔を覗かせながら声を上げた。


「これって魔石ですか!?」


 ルート君が見つけた物を机の上に載せた。それは文様の入った白い石だった。


「どれ、魔石発見器で……反応はないのう。残念じゃが、ただの石ころじゃ」


 ちょっと気になったので手に持って眺めた後、鑑定してみる。


【魔星核の残滓】

 かつて強大な魔力を内包した魔星核だった物。邪神により魔力を吸い取られた残り滓。



 これは!? 重要なアイテムに間違いない。それに邪神絡みのアイテムをルート君にあげるわけにはいかないだろう。


「ゴホン、ルート君。もし君が良ければ、その石と……クリエイトゴーレム! この手に乗るサイズの小型ゴーレムを交換してくれませんか?」


 ゴーレムの素材は机の上にあったミスリルの短剣だ。


「やったー! 実は僕ゴーレムが欲しかったんです! ドワ君のゴーレムが羨ましくて」


「じゃあ、交渉成立ですね。ゴーレム、ルート君の命令に従ってください」


 というわけで、魔星核の残滓を手に入れたぞ!!


 もしもかつての魔星核の力を取り戻す事が出来たら、魔導アーマーの動力として最高なんじゃないかな? 例えば、時空魔法を再度覚えることが出来れば……。


 いや、冷静に考えると魔星核の魔力が高すぎて暴走からの爆発もあり得るか。


 とりあえず、アイテムボックスにポイポイと見つけたお宝を収納してドワーフ城に帰ることにした。

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