表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

221/254

221

「ロスキタス! 交渉は決裂です! 俺達以外を全滅させるつもりです」


「なるほど。では、ご命令を」


「まずは一刻も早く結果を伝えに王城に行ってください。俺はここでなんとか足止めをしてみます」


「……御意!」


 ロスキタスは一瞬の沈黙の後に王城に向かって走り去った。


「さて、どれだけ足止めが出来るか分からないけどやるだけやってみよう」


 現在の状況としては俺一人が敵の大群の中にポツンと居る状態だ。まずは派手に動いて俺を無視出来ないようにしてやろう。


「オリジナル魔法! ヘルファイア蟻地獄!」


 最大範囲の蟻地獄を発生させて、その中心にヘルファイアの火柱が立ち昇るという最凶のトラップだ。蟻地獄に落ちたら最後、流れる砂によって中心まで運ばれヘルファイアに焼かれてしまうだろう。


 案の定、大量の蝉達が蟻地獄にハマり抜け出せず焼かれていく。蝉と言えどもまだ幼虫であるため飛ぶことが出来ない点もこちらに有利に働いた。


「そーれ、ヘルファイア蟻地獄! ヘルファイア蟻地獄!」


 今はとにかく目立つ必要がある。魔力が尽きる事も気にせず攻撃する。


 《レベルアップ:レベルが280になりました》


 《レベルアップ:レベルが281になりました》


 《レベルアップ:レベルが282になりました》


 大量の敵を倒した事でレベルも上がっていく。


 そろそろか、と思っていると


『折角見逃してやると言うのに、どうしても死にたいようだな!』


 エンペラーイビルシケイダが目の前まで降りてきた。


『殺せるものなら殺してみせてくださいよ。あ、もうこんな奴相手に敬語を使う必要もないか。さっさとかかってこい!』


『いいだろう! 虫けらのように殺してやる!』


 虫はお前だろと言いたいところだけど、そんな暇もない勢いでエンペラーイビルシケイダが向かってくる為、無言で構える。


「がっ!?」


 相手の蹴りによって俺は大きく吹き飛ばされ、瓦礫の山に突っ込んだ。


「ペッ、ペッ、ダメージはないけど瓦礫の埃が凄いな」


 相手の動きは速いがスキルのおかげかなんとか目で追う事は出来る。しかし、レベル差から来る身体能力の差によって身体がついてこない。


『ほぉ、殺すつもりで蹴ったのだが。思ったより頑丈なようだな』


『この程度の威力じゃノーダメージだよ』


 まぁ、どの程度の威力でもノーダメージだけどね。


『調子に乗るなよ下等種族が!』


 エンペラーイビルシケイダの纏う魔力が膨れ上がっていく。


「ここからが本番か」


 俺はここからどうするか考える。だが、相手がその時間を与えてくれるかはまた別問題だ。


『これで終わりだ。ロックアロー』


 エンペラーイビルシケイダの周囲に無数の巨大な岩の矢が浮かぶ。


 通常のロックアローなら1発だけだが、数えるのが馬鹿らしいほどのロックアローがこちらに照準を合わせている。エンペラーイビルシケイダの土魔法のスキルレベルが9だからこそ可能な技かもしれない。


 ところで、俺って魔法耐性スキルなんて持ってたっけ?


「あ、不味いかも」


『死ね』


 エンペラーイビルシケイダの言葉と同時にロックアローの雨が降る。


 ドドドドドドドドドド!!!


 目の前にいくつものロックアローが突き刺さる。


 あ、俺死んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ