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「魔砲塔、準備!」


「はっ! 魔砲塔を準備せよ!」


「準備完了ー!」


 ドワーフ王国の王都は波のように押し寄せるジャイアントイビルシケイダの群れに飲み込まれた。


 アダマンタイトゴーレムは個の力としては優秀だが、数の暴力には対抗出来なかった。


 アダマンタイトゴーレムを狭い通路に配置すればかなり有効的だったはずだ。しかし、王都の門は大きすぎた。今更後悔しても仕方がない。今はこの作戦に集中すべきだ。


 そんな事を考えているとヴァリングが魔砲塔発射の合図を出す。


「撃て!」


 魔物がひしめき合っている中心に向けて紅と蒼の閃光が迸り大爆発を起こした。


 数日前まで観光しようと思っていた素晴らしい町並みが一瞬で跡形もなくなる。城壁の上からその光景を見ていた兵士達の一部は涙を流し嗚咽を漏らしている。


 全ては蝉の魔物のせいだ。


「許せないですね……」


「コメット様、これを」


 太陽光の充電の為にロスキタスに預けてあった太陽神の仮面を渡される。


「さすがロスキタス、分かっているじゃないですか」


 それを受け取り装着する。ドワーフの街を破壊した恨みをぶつけてやるぞ!


「太陽神の怒り!」


 太陽神の仮面の額部分に燃え上がるような赤い光が発生し輝きが強くなっていく。そして熱線が放たれる。


 俺は魔物達を薙ぎ払うイメージで視線を向けると、熱線もそれに追従し王都の建築物を巻き込みながら大量の魔物を吹き飛ばした。


「更に! 新開発の魔導擲弾をくらえ!」


 俺はまだまだ残っているジャイアントイビルシケイダの群れにファイアボールを詰め込んだ魔導擲弾を投げる。


 魔導擲弾はジャイアントイビルシケイダの硬い殻を突き破り爆発すると破片で周囲のジャイアントイビルシケイダも巻き込んでいく。


 《レベルアップ:レベルが279になりました》


 最近レベルの上がりが悪くなってきていたが、大量の魔物を倒したおかげでレベルアップしたようだ。


「なんじゃ今の光はー!」


「それよりもあの爆発する武器はどういう仕組みなんじゃ!?」


「魔物が一掃された! ワシらの勝ちじゃ!」


「うおおおおおお!」


 ドワーフ達が歓声を上げた。


「城下町に入り込んだ大部分の魔物を倒せたと思いますが、まだ終わりじゃないみたいですね」


 俺にはまだ全ての魔物が消え去った訳ではないことがスキルによって視えている。


「気を抜くな! まだ門から入って来ている!」


 ロスキタスの一喝によってドワーフ達が静かになった。


「あ、あれはなんじゃ!?」


「嘘じゃろ……」


 大門をギリギリ通り抜けるような巨大な蝉が何匹も姿を現した。


 それにサイズ的にはジャイアントイビルシケイダと同じだが、細身でかなり強そうな新手の蝉も数百匹入ってきている。


 そして極めつけは最後尾の巨大蝉の上に乗っている人サイズというか二足歩行の蝉だ。その蝉からはヤバい雰囲気がプンプンする。


「鑑定」


【ヒュージイビルシケイダ】

 LV:152

 HP:48000

 MP:1000

 STR:150

 VIT:900

 DEX:100

 AGI:50

 INT:70

 LUK:30

 スキル:防御力強化5、巨体突進

 ジャイアントシケイダが特殊進化した姿。巨大化し体力と耐久力が大幅に増している。97年間地下で生活し、地上で成虫となり大繁殖する。



【エリートイビルシケイダ】

 LV:240

 HP:35000

 MP:30000

 STR:600

 VIT:600

 DEX:300

 AGI:600

 INT:70

 LUK:30

 スキル:土魔法7、かまいたち

 ジャイアントイビルシケイダが特殊進化した姿。王を守る精鋭兵。97年間地下で生活し、地上で成虫となり大繁殖する。



【エンペラーイビルシケイダ】

 LV:350

 HP:56000

 MP:54000

 STR:900

 VIT:900

 DEX:200

 AGI:900

 INT:300

 LUK:30

 スキル:皇帝統率、配下回復、土魔法9、次元斬

 1000年に一度、エリートイビルシケイダが特殊進化し誕生する。群れを強力な統率力でまとめ上げる。地上に出た後は周囲の生物を殺し尽くすまで止まる事はない。



 俺は鑑定結果を見なければよかったと後悔した。

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