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 要塞内部は何かの配管や自動で開閉するドアなどがあり、文明の発達が見受けられた。オアシスの都市ガルズーガよりも科学が発達しているようだ。


「思ったより科学が進歩しているのかな?」


 科学というよりも魔導科学って呼ぶべきだろうか。自動ドアも魔力感知に反応しているので魔石か何かで動作しているらしい。


「魔導アーマーを奪って敵兵のフリでもすれば良かったかなぁ。太陽神の仮面は一目見たら敵だと気づかれるよね」


 そんな事を呟きながら通路を適当に進む。すると、目の前の曲がり角から3人の帝国兵が現れた。


「B1-4区画にて侵入者を発見した! ただちに排除する!」


 帝国兵達はもちろん生身だ。屋内で魔導アーマーに乗ってたらそれはそれで怪しまれる事に今更だけど気がついた。


「眠針! 眠針! 眠針!」


「ぐッ!」


「なんッ!?」


「はひん!」


 無事に3人とも無力化出来た。倒れている帝国兵の懐を漁って、鍵かカードキーのような物を探したところ、鍵のように見えなくもないクリスタルの魔道具を手に入れた。


 人相手だったら眠針最強なのでは!? と思ったが、耐性持ちには効かないと気づいて少しガッカリした。


「まぁ、いいや。ガンガン進もう! 多分、それっぽい捕虜収容部屋があるはずだ!」


 次々と現れる帝国兵を眠らせ、鍵の魔道具で扉を開けて通路を進んでいくと、広く薄汚い雰囲気の場所に出た。左右に牢屋のようなものがあり、大勢の捕虜らしき者達が閉じ込められている。


「多分ここだよね」


 牢屋の近くに帝国兵が1人だけウロウロしている。他の帝国兵は侵入者を捕らえる為に総動員された結果、牢屋の番役は1人になってしまったんだろう。かわいそうに、早く眠らせてあげよう。


「眠針!」


「ほへ!?」


 牢屋番はあっけなく倒れた。


「皆さん大丈夫ですか!? ガルズーガの長から頼まれて太陽神が助けに来ましたよ!」


「おおっ!!」


「長が!? っていうか太陽神!?」


「早く助けてー!」


 牢屋番から鍵を奪い、全ての牢屋を開けた。全員を確認したが、カーラは見当たらなかった。


「カーラさんが見当たりませんが、誰か知っている方は居ませんか?」


「おい! フタノフの奴がカーラと同じ牢屋じゃなかったか!?」


「フタノフ早く来い! 太陽神様が呼んでるぞ!」


 少し待つと人垣をかき分けてヒョロっとした若いダークエルフが現れた。


「カーラさんはどこですか?」


「カーラさんですか? 彼女は3時間ほど前に帝国兵に連れて行かれました……。実験をするとかで魔力を多く持つダークエルフを探していると帝国兵同士で話してました」


 なんだって!? それが本当ならカーラは今頃……?


「それは不味いですね。どっちの方向に連れて行かれたんですか?」


「あちらの通路です。太陽神様、どうか彼女をお救い下さい!」


「分かりました。あなた達はそちらの俺が来た通路から逃げてください。そこで寝ている帝国兵から武器を借りるといいでしょう」


「太陽神様、俺たちだけじゃ帝国兵に勝てねぇですよ!」


「大丈夫です。道中の帝国兵は無力化しましたし、外に出たらボーンドラゴンが助けてくれますから待機していて下さい」


「ボーンドラゴン……? わ、分かりやした」


 あまり分かってなさそうだけど大丈夫だろうか。それよりもカーラを救出するのが最優先だ。俺はとにかく急いでカーラが連れていかれた通路に向かった。

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