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 ピラミッドを念入りに探索したところ、地下に向かう隠し階段を見つけた。


 見つけた場所はシルバースパルトイが居た壁のすぐ隣だ。もしかしたら、隠し階段を降りようとするとシルバースパルトイが出てくる仕掛けだったのかもしれない。


 俺は隠し階段を降りた。そこには、石棺があった。


「これは、もしやお宝では……?」


 ピラミッドの石棺といえば王のミイラと宝物だ。俺はさっそく石棺を開けた。中には、1つだけポツンと仮面が落ちていた。金で出来た仮面だ。


「おおー! それっぽいお宝だ! 鑑定!」


【太陽神の仮面】

 太陽神を象った仮面。装備時、スキル:太陽神の怒りを使用可能。

 発動条件:太陽光に5時間当て続けること。


「うおー! スキル付きの装備なんて珍しいなぁ! 後で試してみよう」


 他には何もないだろうか? 石棺の中を注意深く見てみる。


「……ん? 魔力感知に反応があるぞ」


 石棺の底から魔力を感じる。


「二重底になってるのか。よいしょっと」


 石棺の二重底を外すと、ポツンと何かが落ちている。


「なんだこれ? アーモンド? 鑑定してみよう」


【世界樹の種】

 世界に1つしかない世界樹の種。世界樹が枯れる時に1つだけ種を残す。


「アーモンドじゃない! 世界樹の種だった!?」


 とんでもない物を見つけてしまった。以前、エルフの里で見た世界樹は枯れてしまったのだろうか。隠し階段を戻り、ボーンドラゴンに質問してみたが、世界樹の種がここにあることは知らなかったようだ。


 ボーンドラゴンを連れてピラミッドを出た。外にはサソリ君2号が待機していた。


「ボーンドラゴン、サソリ君2号はお前の先輩だから、ちゃんと敬意を持って接するように!」


「承知シマシタ。サソリ先輩ヨロシクオネガイシマス」


 従魔達の顔合わせも終わったところで、やり残したことを思い出した。


「お前達、ここでもう少し待機していてくれ」


 俺はピラミッドを見上げた。最初から街に不釣り合いというか、不自然な気がしていた。街の真ん中に墓があるのも不吉だ。俺は思いつきを実行することにした。


「蟻地獄! 蟻地獄! 蟻地獄!」


 ピラミッドを砂に戻す。そして、更地になった地面に世界樹の種を蒔いた。


「あれ? 何も起こらないな。水が必要なのかな? 水の力よ ウォーター」


 水魔法で種に水を与える。すると、種から芽が出たと同時に自分の体から大量の魔力が流れ出て芽に吸収されていく。そして芽は若木となり急速に成長を始める。全ての魔力を注いだ頃には少し大きめの木にまで成長した。世界樹の根本にはきれいな湧水も発生している。


「いきなり急成長してびっくりした! でも、ここに世界樹があれば緑化が進んで良いオアシスになるんじゃないかな?」


 駄目だったら、またここを訪れて魔力を注いでみよう。


 俺はサソリ君2号に飛び乗ると、オアシス都市ガルズーガに向けて帰還することにした。もちろん、ボーンドラゴンは連れて帰る。ボーンドラゴンなんて連れて帰ったら狩猟ギルドが大混乱になるかもしれないなぁ、と気になったがなるようになるさと思うことにした。



 ――数日間かけてガルズーガまで帰ってきた。そして、街は大混乱に(おちい)っていた。人々は逃げ惑い、水の障壁は半分しか展開出来ていない状態だ。


「どうなってんの!? これは俺のせいじゃないよね!?」


 まだ街までは距離がある。ボーンドラゴンを連れてきたせいで混乱したわけじゃなさそうだ。急いで街に近づくと、見たことがない複数のゴーレム(見た目は機械チック)が人々を襲っている。ゴーレムは3メートル程度の大きさだ。


「サソリ君2号! ボーンドラゴン! 街を襲っているゴーレムを倒せ! 」


 サソリ君2号は接近戦、ボーンドラゴンは遠距離攻撃でゴーレムを破壊していく。俺も街の人達を助けないとな。


「火の力よ 敵を貫け ファイアアロー!」


 謎のゴーレムにファイアアローが命中したが、あまり効かないようだ。魔法防御が高いのかもしれない。一足飛びで接近し、砂鋼の両手剣で両手両足を切断してやった。


 すると、突然ゴーレムの胸部が開き、中から軍服の兵士が飛び出してきた。手には短剣を握りしめている。


「閣下から(たまわ)った魔導アーマーをよくも!」


 なんと謎のゴーレムだと思っていた物は魔導アーマーだった。魔導アーマー欲しい。そしてなんとなくだけど、帝国の兵士っぽい。すぐ隣だしね。


 魔導アーマーを失った兵士は欠伸が出るほど遅かった。そして弱かった。短剣を払い落とし、腕を捻って組み伏せた。


「帝国の兵士ですか?」


「くそっ! 殺すなら殺せ!」


 訓練された兵士なら、質問には答えてくれないだろう。仕方がない、眠ってもらおう。


「眠針!」


「うっ! ……」


 一瞬で眠りに落ちたようだ。頑張ってスキルレベルを上げた甲斐があったなぁ。その後も、魔導アーマーを壊し兵士を眠らせていった。

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