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 旅立ちの準備をする上で重要な事が1つある。それは行き先を決めることだ。


 行き先によっては準備する物が変わってくる。例えば、寒い地方では防寒対策をしなければいけないし、海の地方では水着が必要だ。いや、水着は現地で買えばいいか。


 たしか西にはアランド帝国があると聞いたことがある。それ以外にどの方角にどんな国があるのか調べておいたほうがいいだろう。


 というわけで、現在狩猟ギルドの受付嬢のところに来てみた。


「西にはアランド帝国がありますけど、それ以外の国は近くにありますか?」


「ありません」


「へ!?」


「いえ、正確には分からないという回答になります。広大な砂漠を全て把握出来ていないのです。それに、この街の近くという条件であればアランド帝国しかありません」


「なるほど、ありがとうございました」


 アランド帝国しかないのか。しかし、アランド帝国は国境の警備が厳しくて近づくだけで攻撃されるらしいので、行き先としては今ひとつだ。


「解体場のおっさん達にも聞いてみようかな」


 俺はなんとなく解体場に向かった。


 解体場に着くと、突然警報が鳴り響く!


()()()が来たぞー!全員厳戒態勢をとれ!」


「うわあああああああ!き、来たああああああ」


「え!? 魔物ですか!? 気配察知には何も反応がないのですが!」


 俺が身構えながら見回していると、解体場のおっさんが近づいてくると叫ぶように言った。


「お前のことだよ! お前が大量の素材を持ってきたせいでウチの職人達の腕が筋肉痛で破壊されたんだよ!」


「ええ!?」


 腕殺しとは俺のことらしい。ひどい。


「今日は素材を持ってきてなさそうだが、次に素材を持って来るときは少しずつにしろよ! おっさんとの約束だぞ!」


 せっかく食料が乏しい街だからと張り切って食料を運んできたけど、解体場のおっさん達を苦しめてしまったようだ。それはそれとして、今は質問したいことがあったのを思い出した。


「わ、分かりました。気をつけます。ところで、西のアランド帝国以外に隣接する国はないんですか?」


「隣接する国? ……うーん、これは噂話なんだが、ここからずっと南東に進むと砂漠の真ん中に巨大な街があるらしい。だが、そこに行く為には巨大蟻地獄の巣を越えなければいけないんだ。そんな場所にわざわざ確認に行く変人は居ないだろうよ」


 居ますよここに。これは確認しに行くしかないでしょ。


「貴重な情報をありがとうございます。あ、これ情報料です」


 魔法の鍛錬用に作った解体にも使えるナイフを渡した。おっさんは舞い上がって喜んでいたが、他の人達に欲しがられる前に俺は解体場を去ることにした。




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