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――半年が経過した。
「やることがないからレベル上げとスキル上げをずっと頑張ってた結果がこれだよ! ステータス!」
名前:コメット
職業:無し
年齢:18歳
LV:128
HP:21200
MP:19600
STR:200
VIT:100
DEX:100
AGI:470
INT:300
LUK:1
スキル
格闘術10 剣術10 短剣術10 槍術10 弓術10 斧術10 投擲10 テイミング10 石化4(2→4) 猛毒4(2→4) 眠針4(1→4) 毒尾4(1→4) 強撃4(1→4) 魔力操作5(new) 魔力感知5(new) 火魔法3(new) 水魔法3(new) 風魔法3(new) 土魔法3(new) 闇魔法3(new) 光魔法3(new) コメット 物理無効 炎熱無効 氷結無効 風雷無効 痛覚無効 麻痺無効 毒無効 魔法無効 圧力無効 眠り耐性4(1→4) 気配察知10 料理10 鍛冶10 木工10 石工10 革細工10 遊泳術10 鷹の目 無呼吸 強制睡眠 言語理解 鑑定10 不老不死 吸収
称号
転生者 冥王 原初の生命 生存者 太古 原生 顕生 竜殺し 深海の覇者 格闘の達人 剣の達人 短剣の達人 槍の達人 弓の達人 斧の達人 投擲の達人 達人テイマー 料理の達人 鍛冶の達人 木工の達人 石工の達人 革細工の達人 泳ぎの達人 大爆発 邪神を討伐せし者
魔法の鍛錬をかなり頑張った結果、ある程度のレベルまで上げることが出来た。魔力操作が10になっていないので並列魔法も無詠唱も習得出来なかった。あと、時空魔法も習得できなかった。
半年間、全く人は通らなかった。ただ、1回だけ大型の飛空艇のようなものが空を飛んでいるのが見えた。かなり文明は進んでいるようだ。人類は滅んでいない……と思う。いやきっと居るはずだ。機械しか存在しない世界だったらさすがに悲しい。
「きっと大丈夫さ! サソリ君もそう思うだろう!?」
俺は横に居るサソリ君を見上げる。サソリ君はかなり巨大になっていた。大きくなっただけではなく、色も毒々しい赤に変わっている。ジャイアントスコーピオンから進化してグレータージャイアントスコーピオンになったのだ。
「サソリ君が進化したのは嬉しいけど、家に入れなくなったのは誤算だった。おかげで、かなり改築しなきゃいけなくなったよ。アッハッハ! ……ハァ、そろそろ誰か通りかかってもいいと思うんだけどなぁ」
今日もオアシスにある一番高いヤシの木に登って周囲を確認してみる。
「ほーら、今日もいつもと変わらずにラクダに乗った人しか見えないじゃないか。誰かがここに来るなんて……え!? ラクダと人!? ラクダ人!?」
俺は喜びの余りヤシの木から飛び降りた。そして、ラクダに乗った人のところまで全力で走った。
「おーい! そこの人! 言葉は分かりますかー!?」
「止まれ!! お前は何者だ!?」
顔はスカーフのような物に覆われていてよく分からないが、声は予想外なことに女性だった。
「えーっと、何と言ったらいいのかな。一言で言えば遭難者です!」
「遭難者だと……? その割には元気そうに見えるし、枯れたと思っていたオアシスは復活しているし、巨大な建物まであるじゃないか。怪しすぎるぞ!」
「誰かがここを通るまで待ってたんです」
そんな事を言い合っていると後ろからサソリ君が遅れてついてきた。
「あ、あれは……町を滅ぼすとまで言われているグレータージャイアントスコーピオン!? に、逃げなきゃ!」
女性は動揺し、ラクダから落ちてスカーフも外れてしまった。かなりの美人だが、それよりも見た目が人族じゃなさそうだ。耳が尖っているが、肌の色は暗い色をしているのでエルフとは違うように思う。これはもしかしてダークエルフじゃないだろうか。
「大丈夫です。サソリ君は俺の従魔ですから、何もしませんよ」
「従魔……ええええええ!? 襲ってこないってことは本当に……?」
サソリ君は俺の後ろで立ち止まると手足を縮めて忠誠を誓うかのようなポーズをしている。
「従魔だと言ったじゃないですか〜。そんなことよりも、俺は人の住む町に行きたいんです。案内してもらえませんか?」
「……ゴホン! そのサソリ君とやらがお前の従魔であることは分かった。しかし、怪しい人物を町に連れ帰ることは出来ない」
「俺は全く怪しい者じゃありません! 身分を証明する物がないだけの善良な遭難者です」
「怪しさしかないだろう! しかも、グレータージャイアントスコーピオンまで連れているんだぞ。危険すぎる。もしお前が町を襲う気になったら簡単に町を滅ぼせるということだ」
「じゃあ、サソリ君はここで留守番させればいいですか?」
「む……そうだな。それならば遭難者として連れていってもいい。私が出来るのは大オアシス都市ガルズーガに連れていくことだけだ。都市に入れるかどうかを決めるのは都市の代表だ。勘違いしないように」
「分かった。というわけでサソリ君はここで留守番をしてくれ。餌は自力で捕れるだろう。たまに戻ってくるから元気で暮らしてくれ」
サソリ君の頭をポンポンと叩くと、サソリ君は拠点のほうに戻っていった。本当は従魔から解放してあげても良かったが、町を滅ぼすとまで言われたので解放するのはやめておいた。
「じゃあ、特に持ち物も準備もないので、早速連れてってください。えーっと?」
「私はカーラだ」
「カーラさん。俺はコメットと申します。よろしくお願いします!」
「遅れたら置いていくからな」
「イエッサー!」
こうして俺はやっと人に出会い、人里に向かって歩き出したのだった。




