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 ――2日かけて北上した。そこには望んでいた景色が広がっていた。


「オアシスだー!!」


 そう、砂漠のオアシス。水源があり草木が生い茂る場所だ。あわよくば人と出会えるかもしれないと期待していたのだが、全く人の気配はない。その代わりに多くの魔物が水辺に集まっているようだ。


「バジリスク、ジャイアントスコーピオンもいるのか。あとは大きめの昆虫が多いな。昆虫はサソリ君の餌にしよう」


 まずはバジリスクだ。サソリ君にめくらましの強撃をしてもらい、背後に回った俺はスキルを吸収して後はサソリ君に倒してもらう。いや、そろそろ俺自身でトドメを刺すことも可能かもしれない。次は試してみよう。


 《スキル:石化を吸収しました。石化2にアップしました》

 《スキル:猛毒を吸収しました。猛毒2にアップしました》

 《レベルアップ:レベルが25になりました》


「おお〜! そうだろうと思ってたけど、吸収を繰り返すとスキルレベルが上がるんだ!」


 次はジャイアントスコーピオンだ。サソリ君に相手の(はさみ)を封じてもらい、尾の毒に気をつけながら接近し、尾を石化する。そして、安全な状態でスキルを吸収した。


 《スキル:毒尾を吸収しました。毒尾1を取得しました》

 《スキル:強撃を吸収しました。強撃1を取得しました》

 《レベルアップ:レベルが32になりました》


「よし。俺もサソリ君のスキルを覚えたぞ。でも、毒尾ってどうするんだ? 尻尾なんて無いんだけど……後で試してみようか」


 ちなみにサソリ君の餌の昆虫は鑑定してみたがスキルは持っていなかった。レベルも低いし、殺してしまうとサソリ君が食べないので、生きたまま捕獲している。


「とりあえず付近の脅威はなくなったな。というわけで、ひゃっほーい!」


 オアシスに飛び込む。朝方にオアシスを見つけてから魔物を殲滅するのに割と時間が経ってしまった。


 今は太陽も完全に昇り気温も上がったのでオアシスの水がとても気持ちいい。


「ふー、オアシス最高! お、ヤシの木があるじゃないか。これの繊維で服が作れるんじゃないか?」


 さきほど倒したバジリスクの皮をなめしてヤシの木の繊維で出来た紐でつなぎ合わせれば服一式、というよりも防具一式が完成した。具体的にはバジリスクメイル、バジリスクアーム、バジリスクブーツ、バジリスクベルト、バジリスクマントだ。スキル革細工10のおかげで最高級品の出来となった。


「これで服を手に入れるという目標は達成できた。ずっと裸だったらどうしようかと思ったよ。人に出会っても話しかけにくかっただろうし」


 砂漠で裸の男が近づいてくる様子を想像してみてほしい。自分だったら全力で逃げるに決まってる。


「しかし! 服を手に入れた今なら大丈夫! しばらくはここを拠点にして活動してみよう」


 もし、遊牧民が居ればオアシスにやってくる可能性が高い。闇雲に歩くよりは良いはずだ。


「ちょっと落ち着いたからステータスでも割り振ってみようかな」


 名前:コメット

 職業:無し

 年齢:18歳

 LV:32

 HP:5200

 MP:5000

 STR:100

 VIT:1

 DEX:50

 AGI:142

 INT:1

 LUK:1


 スキル

 格闘術10 剣術10 短剣術10 槍術10 弓術10 斧術10 投擲10 テイミング10 石化2(new) 猛毒2(new) 眠針1(new) 毒尾1(new) 強撃1(new) コメット 物理無効 炎熱無効 氷結無効 風雷無効 痛覚無効 麻痺無効 毒無効 魔法無効 圧力無効 眠り耐性1(new) 気配察知10 料理10 鍛冶10 木工10 石工10 革細工10 遊泳術10 鷹の目 無呼吸 強制睡眠 言語理解 鑑定10 不老不死 吸収


 称号

 転生者 冥王 原初の生命 生存者 太古 原生 顕生 竜殺し 深海の覇者 格闘の達人 剣の達人 短剣の達人 槍の達人 弓の達人 斧の達人 投擲の達人 達人テイマー 料理の達人 鍛冶の達人 木工の達人 石工の達人 革細工の達人 泳ぎの達人 大爆発 邪神を討伐せし者


 吸収を発動するためには相手に触れる必要があるので主にAGIを上げた。これで素早く近づいてスキルを奪うことが出来るようになった。格闘術10や剣術10が使えるのでSTRを上げておく。あとは最低限のDEXを上げておけば攻撃が当たらなくて困ることはないだろう。


「まぁ、こんなもんかなー。ここに滞在するなら、オアシスに拠点を作りたいな」


 家を建てたいけど、ヤシの木は少ないので材料としては使えない。砂はすぐに崩れるし、風で飛ばされるから材料としては使えない。少し離れた場所だけど、砂岩があったことを思い出した。


「サソリ君、一緒に砂岩を採りに行こうか」


 サソリ君と一緒に砂岩の場所まで行き、石工スキルで素早く砂岩を切り出し、サソリ君の背中に乗せてオアシスに帰る。それを数回繰り返すと、サソリ君と自分が住める程度の建物を作ることが出来た。なお、デザイン性は全く考慮していない。


 砂岩を運んでいる途中でジャイアントスコーピオンを数匹見つけ、スキル吸収とレベル上げを行った。レベルは40に上がった。


「砂はいくらでもあるから窓ガラスは作り放題だけど、正直必要性を感じないんだよねぇ。暑すぎて窓は全開にしておきたいし……」


 窓を閉めると地獄のような暑さになることは間違いない。開閉できる窓を作る為には金属も必要なので、作るのが面倒になってくる。魔法で鉄を生産していた頃が懐かしく思える。


「あ! そういえば、魔法を覚えなきゃいけないんだった!」


 俺は急いで魔力操作を始めた。だが、レベルが低く魔力も低い状態では魔力操作が難しくあまり上手くいかない。昔、最初に魔法の師匠から教えられたのは魔力感知だったが、今は近くに魔道士がいないので他者の魔力を感知することは難しい。1人で魔力操作を頑張るしかないのである。


 《スキル:魔力操作1を取得しました》


 そして、数時間をかけて昔の感覚を思い出しながらなんとか魔力操作1を取得できたのだった。更に数時間後、自身の魔力を感知し続けた結果、魔力感知1を取得した。


「魔法も少しずつ思い出していかなきゃな」


 MPが少ないから以前のように並列で魔法のレベル上げを行うことは出来ないが、少しずつでも強くなっていくのが嬉しいと思った。

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