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お待たせしました。

新しい章の始まりです!

「それにしても、見渡す限り砂漠だなぁ。人影も全く見当たらないし」


 服が欲しいとは思うが砂漠は資源が乏しい為、多分難しいだろう。それに裁縫スキルも邪神に奪われたことを思い出した。


「邪神め、俺が大事に育てたスキル達を奪いやがって……。見るのが恐いけど確認するしかないよねぇ。……南無三! ステータス!」


 名前:コメット

 職業:無し

 年齢:18歳

 LV:1

 HP:160

 MP:150

 STR:1

 VIT:1

 DEX:1

 AGI:1

 INT:1

 LUK:1


 スキル

 格闘術10 剣術10 短剣術10 槍術10 弓術10 斧術10 投擲10 テイミング10 コメット 物理無効 炎熱無効 氷結無効 風雷無効 痛覚無効 麻痺無効 毒無効 魔法無効 圧力無効 気配察知10 料理10 鍛冶10 木工10 石工10 革細工10 遊泳術10 鷹の目 無呼吸 強制睡眠 言語理解 鑑定10 不老不死 吸収(new)


 称号

 転生者 冥王 原初の生命 生存者 太古 原生 顕生 竜殺し 深海の覇者 格闘の達人 剣の達人 短剣の達人 槍の達人 弓の達人 斧の達人 投擲の達人 達人テイマー 料理の達人 鍛冶の達人 木工の達人 石工の達人 革細工の達人 泳ぎの達人 大爆発 邪神を討伐せし者(new)



「は!? うええええええええ!! レベル1!? いやいや、そんなわけない……レベル1!?」


 何度確認してもレベルは1だった。こんな貧弱なステータス60億年ぶりくらいじゃない? こんなステータスで大丈夫? 砂漠で1人ぼっちなんですけど!? しかも、よく見ると魔力操作とか火魔法とか魔法系が全部奪われているし、ひどくない? 多分、時系列で新しく覚えたスキルから順に吸収されていったっぽい。


「強くてニューゲームさせてくれよ! 弱体化しすぎだよ!」


 もしかしたら、圧縮コメットの爆発で肉体が消滅し、不老不死スキルでゼロから再構築されたせいかもしれない。いくら原因を推測したところで、既に起きてしまったからには仕方がない。過去には戻れないのだ。俺は気を取り直して、今後の事を考えることにした。


「うーん、とりあえず不老不死は吸収されてないから何があっても死ぬことはないだろう。そうなると次はスキル【吸収】がすごく気になるな……なんとなく予想はついてるけど。とりあえずレベル上げとスキルの確認、それから服だな」


 目標を決めて歩き出そうとしたが、ふと立ち止まった。


「あぁ、どの方角に行くか決めてなかった」


 人が居そうな方角に向かっていきたいが、何の目印もない。とりあえず北を目指してみることにする。


「コメット15分クッキング!皆さま、お久しぶりです。今日は北の方角を知る方法をご紹介していきたいと思います」


 適当に木の棒を拾って地面に挿す。


「まず事前に木の棒を用意します。棒をこのように地面に突き立ててください。そして、影の先端に印をつけます。あとは15分ほど待ちます」


 15分が経過すると太陽の移動とともに地面の影も移動する。その影の先端にも印を付ける。


「最初の印に左足、次の印に右足を置いて立つと、真正面が北となります。北半球の場合は太陽を背に、南半球の場合は太陽の方向に向かうことになります。地球の場合の話だけどね」


 この星ではどうだろうか? まぁ、行ってみるしかない。LV最大だった頃は走ればすぐだったのに、と思いながらも北に向かって歩き始めた。


 歩き始めてすぐに景色がおかしい事に気づいた。遠くの前方に(もや)の壁が見える。こちらに少しずつ迫ってきているようだ。


「あれはまさか……砂嵐!?」


 砂嵐とは塵や砂が強風により激しく吹き上げられ、空高くに舞い上がる気象現象だ。かなり大きな砂嵐で逃げ場はなさそうだ。


「どうしよう……こんな時にラクダの死骸さえあればシェルターになるのに!」


 ラクダの内蔵を取り出して、空いた空間に入り込むことでシェルターになるらしい。実際に試したことはないし、この世界にラクダが居るかは分からないけど。なんて考えていると既に砂嵐が目の前に迫っている。


「皆さん、もし砂嵐に遭ったとしてもむやみに歩いてはいけません! 高確率で遭難します! まぁ、俺は現在地も目的地もなく既に遭難しているので歩きますけどね!」


 砂嵐の砂が目や口に入るのを手で防ぎながらひたすら歩いた。



 ――どれくらい歩いただろうか、前方に魔物を発見した。鷹の目でギリギリ確認できる距離だ。相手はこちらに気づいていない。


「サソリ……? にしては大きいな。体長2メートルは超えているよね」


 レベル1では絶対に勝てない気がするけど、どうしようか? 使えそうなスキルは格闘術か投擲術? コメットはMP的にも無理だし、撃てたとしても被害が大きすぎる。テイミングはどうだろう? テイミングはいいかもしれないぞ! もしテイム出来たら背中に乗せてもらって移動も楽になる。


「テイムしよう。いや、テイムするしかない!」


 今までは有り余る腕力で相手を気絶させてテイムしていたが、今回はそうもいかない。相手の好物でテイムする方法しかないだろう。サソリの好物ってナンダ?


「きっと砂漠に住んでいる動物を食べているはずだ。砂漠でも生きている動物は限られるから、とにかくこの辺りで餌になりそうな動物を探してみよう」


 小一時間ほど探索すると、30センチ程度の昆虫を2匹手に入れることが出来た。


「思ったより昆虫が大きくて焦ったけど、レベル1でも捕獲できて良かった……よし、次はサソリだ!」


 サソリは全く移動せず、日陰でじっとしていた。サソリは夜行性のようだ。俺は慎重にサソリに近づいていく。手には昆虫を持っている。


「おいで。さあ。ほら、怖くない。怖くな……い!?」


 サソリの尾が突然襲いかかってくる。どう見ても毒を打ち込もうとしているよね!? 尾の攻撃はまだ続いている。何度か避けている内に気がついた。


「昆虫を狙っているのか……? だったら、これでどうだ!?」


 尾の攻撃に対して昆虫を盾にする。


 ドッ!!


 毒の尾が昆虫に突き刺さり、しばらくすると昆虫を口に運んだ。しかし、まだテイムは成功していないようだ。


「まだ足りないのか? これで最後だぞ、成功してくれ!」


 昆虫をもう1匹与える。サソリは食べることに夢中になっているようだったが、食べ終わるとこちらに近づいてきて手足を縮めた。服従のポーズのつもりだろうか?


「よし! なんとかテイミング出来たみたいで良かったー!」


 もし失敗していたら、バラバラに切り刻まれていたか、運良く逃げきっても再度昆虫探しをしなければいけないところだった。砂漠にはほとんど昆虫が居ないので大変なのだ。


「ふう、ところでコイツはどんな魔物なんだ? 鑑定してみよう」


【ジャイアントスコーピオン】

 LV:50

 HP:8000

 MP:1500

 STR:100

 VIT:200

 DEX:50

 AGI:20

 INT:10

 LUK:20

 スキル:毒尾、強撃

 丈夫な外骨格により、生半可な物理攻撃は通用しない。巨大な(はさみ)と毒を持つ尾で攻撃する。



「めちゃくちゃ強いな! レベル1じゃ絶対勝てないぞ。テイムできたのはテイミング10のおかげかな? もしくは運が良かっただけか。本当は吸収を試してみたかったけど、次の機会にしよう」


 強い味方が出来て、ひとまず安心だ。背中に乗せてもらえば移動速度もかなり上がるだろう。あとはテイムしたサソリが言うことを聞いてくれればいいんだけどな。


「じゃあ、さっそく背中に乗せてくれ」


 ドキドキとサソリが動き出すのを待つ。


 スッ


 サソリが俺の近くで姿勢を低くした。これは乗ってもOKという合図なのだろうか。もう少し待ってみると、尾がスロープのように後ろに垂れ下がった。恐る恐る尾の上を歩いて背中に乗った。無事に乗せてもらえて良かった。


「出発進行! ……おお! 意外と速い!」


 時速20kmほどの速度で走ることができるようだ。砂漠でこの速度は驚異的だと思う。しばらく進めば村か村じゃなくとも人の痕跡が発見できるかもしれない。


 だが、砂漠の昼間の気温は高い。俺は炎熱無効があるので全く問題ないが、サソリは日中走り続けたら弱ってしまう可能性がある。それにサソリは夜行性なので、昼間は休憩し、夕方になったら出発することにした。

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