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 翌日、オリハルコンを掘るために再度転移の指輪を使用して採掘場所に転移する。周りを見ると、状況が一変していた。


 何故か白い布を被った集団が採掘場所を占拠していたのだ。


「ここでの採掘権は秘密結社【ミラーズ】が掌握しました。ただちに立ち去るか、採掘料金を支払いなさい。そうすれば採掘を許可しましょう」


「ふざけるなー!」


「俺のツルハシを返せー!」


「俺のパンツも返せー!」


「俺のオリハルコンを返せー!」


 怪しい集団とオリハルコンラッシュで集まった人々が言い争っていた。


 俺は怪しい集団に近づいて尋ねてみることにした。


「あの〜、採掘権を得たと言いますが、誰から得たのですか?」


「我々が神から啓示を受けたのだ。ここを管理せよ、とな」


 ああ、宗教またはオカルトタイプの人達でしたか。


「俺達は神なんて信じねぇぞー!」


「そうだそうだー!」


「俺の中の採掘神は言っている。とにかく掘りなさい、と」


【ミラーズ】とかいう怪しい集団と採掘者達の言い争いはヒートアップしていく。


「仕方がありませんね。こうなったら実力行使で退いてもらうしかありません」


 白い布を被った1人が言い、剣を抜いた。


「望むところだ!」


「かかってこいやー!」


 戦いが始まるようだ。こうなったらもはや俺が何を言っても止まる事はないだろう。


 仕方がない。俺はいつでもヒール出来るように待機することにした。


「おりゃあああああ」


 冒険者らしき男が片手剣で斬りかかる。


「ぎゃああああああ」


 白い布を被った男は袈裟斬りされ血飛沫をあげた。


「ヒール」


 白い布の男の傷は瞬時に塞がった。


「……え? これはまさか神の御業!?」


「神は私達ミラーズの味方だぞ! 神の裁きを喰らえファイアアロー!」


「あっちいいいいいいい!」


「ヒール」


 今度は冒険者の火傷が瞬時に治る。


「……え?」


「腕がもげたあああ!」


「ヒール」


「……え?」


「頭が切り落とされたあああ!」


「ヒール」


「……え?」


 ――――1時間後。


「ハァ……ハァ……。もうやめよう」


「私達も悪かった……神は()()争うなと仰っているのかもしれない」


 どんな怪我をしても一瞬で治ってしまう為、彼等は戦意を失ったようだ。


「我々ミラーズは一旦退く! しかし、次に我々が来る時は覚悟しておくことだ!」


 捨て台詞を吐いて、秘密結社の集団は逃げていった。


「俺達の勝利だーーー!」


「うおおおお!」


 俺はそれを見届けると、昨日の採掘場所に移動することにした。


「ハティ、行こう。本来の目的を見失うところだった」


「わん!」



 今日もオリハルコン採掘を行ったが、イマイチ調子が出なかった。


「オリハルコンは少量しか手に入れることが出来なかったな……」


「クゥーン」


「ミラーズとかいう秘密結社のせいだな」


 さっきの秘密結社の連中はまた来ると言っていた。もう邪魔をさせるわけにはいかない。


「仕方がない、オリハルコン防衛作戦を始動する!」


「わん!」


 防衛力を高める為に、3つの作戦を立てた。

 1.情報収集

 2.戦力増強

 3.罠設置


「どうしようかな〜?情報収集はセバスチャンにお願いしよう」


 次は戦力増強だ。


「戦力増強か〜。そうだ、ゴーレムにしよう」


「ワン!」


「そうか、ハティも賛成か。ここで出た金属で適当にゴーレムを作ろうかな」


 実はクリスタルドラゴンのシリウスから光魔法を教えてもらった際に、ゴーレムの作り方も聞いたのだ。


 ゴーレムは魔法生物であり、魔法で作り出すことが出来るのである。


 罠は最後に考えればいいだろう。


「ハティ、この手紙をセバスチャンに渡してくれ」


「ワオン!」


 ハティは元の大きさとなり、手紙を首輪のポーチに入れてやると物凄い速さで走り去った。


「よし、こっちも始めるとするか」


 俺は防衛作戦の準備に取り掛かった。

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