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「……誰?」


「私はダンジョンコアから生み出された存在です。名前はありません。名前を付けてください」


「コアから産まれたコア太郎……いや、真面目に付けないと後悔するな。うーん、生まれたてだからイノセントにしよう」


「イノセント……記憶しました。今後のダンジョン運営は私が行います。ダンジョンマスター様は運営方針を決めてください」


 運営方針か〜、魔石が欲しい程度の理由でダンジョンを作ったんだけど、正直に言うと怒られるかな……?


「まず必須なのは魔石を大量に入手出来るダンジョンにしたいんだけど、出来る?」


「魔石の元となる魔力さえ供給していただければ可能です」


「俺の魔力を供給したらどれくらい持ちそう?」


「魔物を倒す者達が多ければ、1年程度です」


「じゃあ、いいか。2つ目の運営方針は、世界最高のダンジョンにすること。これはダンジョンの規模、難易度、魔石の入手性について最高にして欲しい」


「既に規模は最高となっております。供給された魔力が多過ぎた為、ダンジョン内には未知の領域が存在します」


 未知の領域!?ちょっと行ってみたいけど、危険な香りもする。


「難易度は自由に設定可能です」


「じゃあ、低層は初心者向きにして、中層は中堅向きに、深層は熟練者向きの難易度にしてくれ」


 誰でも稼げる、そして自然と冒険者が育成されるダンジョンにしたい。


「あ、深層って言ったけど、このダンジョンってどういう見た目?」


「外観は塔です。しかし、内部の広さは外観よりも広くなっています」


 ダンジョンは魔法大学の時のように地下に広がるイメージだったけど、今回は塔のようだ。


「じゃあ、高層は熟練者向きでお願いするよ」


「承知しました。魔石に関してはどの難易度でも公平に取得出来るようにし、難易度に応じて魔石の質を上げるようにすれば宜しいですか?」


「うん、そんな感じでお願い」


「3つ目の運営方針は出来るだけ冒険者に死者を出さないようにして欲しいんだけど、可能?」


「可能です。では、冒険者が瀕死となった場合、魔物は反撃のみ行うように設定します」


「うんうん、それでいいんじゃないかな。それ以外に何か必要なことは?」


「いえ、あとは魔石用の魔力をいただければ稼働します」


「オーケー。じゃあ早速、魔石用の魔力を補充しよう」


「では、私に魔力を補充してください。ダンジョンコアまで運びますので」


 魔力を操作して、コメットの最大魔力の半分ほどを渡しておいた。全部渡すとまた気絶するかもしれないからね。


「ありがとうございます。最後にダンジョンに名前を付けてください」


 また名前か、もうさっきの名前でいいような気がしてきた。


「じゃあ、イノセントダンジョンで」


「……登録しました。これで全ての準備は整いました」


 もう帰ってもいいかな?この部屋にはドアもない為、帰る方法がよく分からない。


「ところで、ここはどこ?どうやって出る?」


「ここはダンジョンマスタールームです。ダンジョンに関する決定はこの部屋で行っていただきます。これをどうぞ」


 指輪を渡された。


「これは……?」


「それは転移の指輪です。どこに居てもこの部屋に転移が可能です。再度使用することで元の場所に戻ります」


「なるほど〜、便利だな」


 自宅に戻る転移の指輪が欲しい。


「じゃあ、そろそろ帰るよ。ダンジョンの運営をよろしく頼む」


「はい、また会う日を楽しみにしております」


 イノセントが頭を下げて見送る中、転移すると外に転移した。すぐ近くに巨大な塔が出来上がっていた。


 なかなか良い感じのダンジョンになりそうだ。あとはこのダンジョンを各国に宣伝して冒険者を集めれば、魔石を大量に入手することが出来る。


 空を飛ぶ箱が増えれば、面白い国になりそうだ。

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