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 目を覚ますと、アンナ達は既に起きていたが眠そうだった。溶岩洞という慣れない環境で寝るというのはなかなか難しかったようだ。ナビは旅慣れているのか大丈夫そうだ。


「おはようございます。あまり眠れなかったみたいですね」


「はい、地鳴りがひどくてあまり眠れませんでした」


「ボクも」


「僕は凶悪な魔物に追いかけられる夢を見ました」


「皆さん今日は多めに休憩を入れますから、それまで頑張って下さい」


「「「了解」」」


 引き続き洞窟を下っていく、今日はかなりのハイペースで進んだ。ナビとルネはハティに乗って移動する。理由は酸素や有毒ガスの心配があるということと、マルク君の精神の限界が近い為だ。


 半日ほど移動すると再度広い空間となった。そこは虹色ではなかった。だが、世界で一番美しい光景と言っても過言ではないかもしれない。


 そこにはダイヤモンドの巨大な原石が周囲に転がっている。エメラルドやルビー、サファイアが生成されるのは地下30〜60kmらしい。そしてダイヤモンドが生成されるのは地下150kmよりも下である。


 中心にはクリスタルドラゴンが眠っていた。


「鑑定」


【クリスタルドラゴン】

 LV:500

 HP:79000

 MP:82000

 STR:700

 VIT:3000

 DEX:300

 AGI:300

 INT:200

 LUK:100

 スキル:土魔法9 光魔法9 レーザーブレス

 伝説の古龍の一種。身体がダイヤモンドで構成されている為、極めて防御力が高い。


 まず見た目がカッコイイ、過去出会ったドラゴンの中で一番レベルも高い。俺が習得していない光魔法を知っているようだ。これはもうテイムするしかない。決定事項だ。


「クリスタルドラゴンはテイムしますから、皆は手を出さないで下さい」


「て、テイムするのかニャ!?」


「ナビ、リーダーはやると言ったらやる男。ボク達は黙って見ているしかない」


「分かったのニャ。大人しく洞窟から見てることにするニャ」


「コメットさん、頑張って下さい!」


 アンナ達は洞窟に戻った。俺はクリスタルドラゴンに近付き、まずは会話をしてみることにした。


「おーい、聞こえますか?」


 クリスタルドラゴンの眼がゆっくりと開く。


「矮小な人間が、余の眠りを妨げるとは万死に値する……」


「ちょっと待ってくれ!こちらは争う気はないんだ。ちょっとテイムされてほしいだけなんだ!」


「此奴は何を言っているのだ。余をテイムするなど人間風情が口にすることすら許されぬこと……死にたいのか?」


「うーん、交渉は決裂か〜。というか、どんな説明の仕方をしても無理な気がしていたよ」


 俺は弱化のネックレスとサンプソンの指輪を外す。これでステータスは最大に戻った。あとはどうやってクリスタルドラゴンをテイムするかな?


「ゴギャアアアアアアアン!」


 クリスタルドラゴンが咆哮すると、光魔法が発現する。


「ヘブンズレイ」


 超高温の光が地面を溶かしながらこちらに迫る。


 俺は魔法の威力が気になってちょっと手の平で受けてみたくなった。右手を前に突きだす。


 ジュッという音と共に手がメチャクチャ熱くなった。


「アッチーーーーー!!」


 光は全て受け止めたけど、普通に熱かった。ただし、火傷はしていない。炎熱無効先生、ちゃんと働いてくださいよ。


「余の光魔法を素手で受け止めるだと……?」


「めっちゃ熱かったよ!次はこっちの番だな」


 クリスタルドラゴンの顎下に瞬時に移動し、アッパーをお見舞いする。


「仲間にな〜れ!」


 クリスタルドラゴンの顎にクリティカルヒットした。


「効かぬ!余に物理攻撃は無効だ」


 なんてこった!いつもの手段が通じない。


「余を怒らせた罪は重い。最高火力の一撃で骨すら残さず蒸発させてやる。グルルル……」


 クリスタルドラゴンが力を貯め始める。ドラゴンの周囲には10個以上の魔法陣が浮かび上がる。魔法陣から閃光が放たれるが、標的はコメットではなくクリスタルドラゴンだった。


 複数の閃光がクリスタルドラゴンに集約される。


「レーザーブレス!」


 クリスタルドラゴンの大きく開けた口から超超高温のレーザーが放たれた。


 もう熱いのは御免なので、手の平に水魔法を纏って受け止める。魔力を注ぎ続けることで熱さを軽減させることに成功した。


「余のレーザーブレスを素手で受け止められるはずがない!貴様一体何をした!」


「見れば分かるだろ?水魔法を纏った手で受け止めただけだよ。そんなことより、次は俺のターンだ」


 素早くクリスタルドラゴンの背後に回り込み、尻尾を掴むと、ぐるぐると回して最後に地面に叩きつけた。


「無駄だと言っているだろう!余に物理攻撃は無意味だと言うに学習能力がないのか?」


「いや、ここからはずっと俺のターンだから」


 尻尾は離さず、またぐるぐると回してズドンと地面に叩きつける。ぐるぐるズドンと命名しよう。ぐるぐるズドンを何度も繰り返す。


「な、終わりがないだと……?気持ち悪くなってきた。や、やめろおおおお!」


 物理が効かないなら精神を攻撃すればいい。小一時間ほどぐるぐるズドンをし続けた。


「ゼェ……ゼェ……余が悪かった……なんでもするから許してくれ!」


 なんでもするって言ったね。その言葉を待っていた!


「じゃあ、素直にテイムされるように。仲間にな〜れ!」


 魔力を込めた右フックで殴りつけるとクリスタルドラゴンは気絶したようだ。


「ふぅ、テイム完了!なかなかの強敵だったな」

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