012
水中ゴーグルと銛を装備したコメットが海に入って行く。
予備の槍も背負っている。
しばらく泳いでみるとあの声が聞こえてきた。
《スキル:遊泳術1を取得しました》
このまま泳ぎ続けてスキル上げも悪くないかもと思い始めた頃、恐竜を発見した。
鑑定、と念じる。
【プレシオサウルス】
LV:2000
HP:35000
MP:1
STR:5000
VIT:2000
DEX:2000
AGI:1000
INT:100
LUK:20
スキル:
体長は2〜7メートル。頸椎の数は32個で、首長竜の属の一つである。四肢は大きくパドル状になっており、これをオールのように使って泳ぐ。好物はイカ。
好物はイカなのか〜。
どうでもいい部分に注目してしまった。
AGIがそれほど高くないのが救いだな。
AGIの差を活かして背後もしくは腹の下を取れば、簡単に倒せそうな気がする。
いざ尋常に勝負!
コメットはプレシオサウルスの下、やや後方からバレないように近づいていく。
まずは相手の機動力を下げる方向でやってみる。
脚の付け根に左手の銛を打ち込み、更に右手の槍を同じ脚の付け根に何度も突く。
突然の襲撃に驚いたプレシオサウルスは暴れ始める。
片脚に大ダメージを与えられたので銛を抜いて一旦離れる。
プレシオサウルスはコメットを発見し、やっと敵を認識出来たようだ。
しかし、既に勝敗は決したも同然である。水中でのアドバンテージである機動力が大幅に低下してしまったからだ。
あとは首を避けつつ、槍と銛をチクチクしたら出血多量でプレシオサウルスは息絶えたのであった。
意外と簡単だったなぁ。などとコメットが考えていると、遠くに揺らめく影が見えた。
鑑定
【クレトキシリナ】
LV:3000
HP:40000
MP:1
STR:10000
VIT:2000
DEX:2000
AGI:5000
INT:50
LUK:1000
スキル:噛みつき10
最大で全長7メートルに達する巨大なサメ。アゴには7列の歯列が存在し、上アゴには1列ごとに34本、下アゴには1列ごとに36本の歯が並んでいる。好物はプレシオサウルス。
好物はプレシオサウルスか〜。え?プレシオサウルス?
今コメットの隣には倒したプレシオサウルスが浮かんでいる。
クレトキシリナはどう見てもこちらに向かって来ている。
どことなく涎を垂らしているような雰囲気すらある。
間違いない。食う気だ!
よかろう、かかってきなさい!
プレシオサウルスは簡単すぎて消化不良だったんだ!
サメの弱点は鼻だと聞いたことがある。神経が集中しているから効果的らしい。
サメとコメットが正面からぶつかった。
コメットはセオリー通りに鼻に銛を打ち込んだ。
サメは大口を開けて噛み付こうとしていたが、鼻の痛みで口を閉じてしまった。
コメットは鼻に刺さった銛を持ったまま、右手の槍で鼻の周辺を連続で突く。サメは頭を振って嫌がり、深くまで潜っていく。
水圧がコメットを襲う。
このままでは水中ゴーグルが割れると判断し、水中ゴーグルを外す。
水深はどんどん深くなり光が届かなくなり真っ暗な世界になる。
《スキル:圧力耐性1を取得しました》
新たなスキルを取得出来た。だが、喜んではいられない。
銛を抜き、サメの額付近に再度打ち込む。
次の狙いはサメの脳である。なんとなくの位置に本気で槍を突くと簡単に槍が刺さった。STRを上げておいて良かった!
グリグリと槍を回して脳を破壊する。
サメはどんどん弱っていき、動かなくなった。
勝ったどおおおおおぉぉぉ!
声が出せないから心の中で叫んでおく。
深海から浮上していくと倒したプレシオサウルスを見つけた。
近づいてみると、プレシオサウルスの周りに黒い影が2つ。
コメットに気付いた黒い影が向かって来る。
何回繰り返すんだーーーーー!




