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 長い廊下を歩いて控室に入ろうとすると、前に立ちはだかり邪魔をする猪獣人が居た。


「グヒヒヒ!おい、爺さん!ここで回れ右して返ってくれねぇかな?予選で無駄な体力使いたくねーのよ」


 なるほど、戦う前に出来るだけ敵を減らしておく手も悪くないかもしれない。


「ヒョッヒョッヒョ!相手の力量も分からずに、喧嘩を売る相手を間違えるとはのぅ」


 それを聞いた猪獣人は顔を真っ赤にして怒り出す。


「せっかく優しく帰してやろうと思ったがヤメだ!くたばれジジイ!」


 猪獣人はテレフォンパンチでコメ仙人に襲いかかった。だが、拳を振り切った猪獣人は白目を向きその場に倒れ込んだ。コメ仙人の素早い手刀により意識を刈り取られたのだ。


「ふー、勝手に襲ってきて勝手に倒れるとは、変な猪じゃったわい」


 控室には窓があり、予選や本選を観戦出来るようだ。Dブロックの控室には幸いにもコメリのメンバーは居なかった。


「Aブロックの方は予選が始まりますので闘技場に移動してくださーい!」


 どうやら予選が始まるようだ。円形闘技場に100名が移動した。


「2名になるまで戦ってくださーい!相手を殺したら失格です!では予選開始!」


 100名の強者達のほとんどは動揺することなく戦い始めた。円形闘技場には様々な物が配置されており、戦いに活用できるようだ。例えば、大きな柱が置かれており隠れたり登ったり出来る。


「あ、コウモリ獣人がいるのぅ。それとアンナも居るようじゃのぅ」


 Aブロックにはコウモリ獣人とアンナが居るようだ。コウモリ獣人は黒いマッスルスーツで戦っている。きっとコウモリの形をした手裏剣で遠距離攻撃をすることも出来るはずだ。


 しばらくすると、2名の勝者が決まったようだ。


「勝ち残ったのはコウモリ獣人のバットヌンさん、人族のアンナさんです!」


 次のBブロックはチーター獣人のシピーダとマルク君が勝ち残った。


 Cブロックは黒いローブの魔術師ジーナとルネが勝ち残った。


「Dブロックの方は予選が始まりますので闘技場に移動してくださーい!」


 自分のブロックが呼ばれたようだ。控室から闘技場に参加者達が移動するのでついて行く。


 暗い廊下を進み、短い階段を上がると外の眩しさと共に歓声に包まれる。そのまま予選闘技場の真ん中まで進んだ。


「ルールの説明をします!2名になるまで戦ってくださーい!相手を殺したら失格です!ではDブロック予選開始!」


 四方八方から攻撃を受けた。最初から狙われていたようだ。


「ヒョッ」


 大きくジャンプして全ての攻撃を躱した。そのまま闘技場に設置された柱の上に着地した。ここで数が減るまで観戦することにしよう。


 柱を登ってくる猿獣人を蹴落としながら観戦していると、大きな熊獣人と象獣人が戦っているのが見えた。


 象獣人は長い鼻を使いリーチの差で有利に戦いを進めている。だが、熊獣人は両手のナイフで攻撃を防御しつつ、象獣人の鼻に切り傷を増やしていく。


「ナイフの扱いに相当慣れた動きですね」


 象獣人はとうとう鼻で攻撃出来なくなり剣を抜いて戦ったが、鼻の攻撃ほど精密さがない為、熊獣人に負けてしまった。


 その後も、柱に登ってくる獣人を蹴落とすだけの簡単なお仕事を続けていたらいつの間にか勝ち残ったのは熊獣人とコメ仙人だけになっていた。


「勝ち残ったのは熊獣人のグリルスさん、人族のコメ仙人さんです!」


 Eブロックはダンゴムシ人のダンゴロウとサイ獣人のサイゾウが勝ち残った。あの2人も参加していたのか。ノースリンゴルのサイゾウとセンターリンゴルの警備兵ダンゴロウだ。


 Fブロックはカバ獣人のンブガとライオン獣人のレオンが勝ち残った。冒険者ギルドで見かけたカバ獣人だった。


「予選が終了しました!予選を勝ち進んだ方々と前回優勝者、更にスペシャルゲストを含めた合計14名による本戦を開催致します!」


 前回の優勝者とスペシャルゲストはまだ見ていない。シードとして本戦から参加するようだ。


 ちなみに、今いる控室には各ブロックで勝ち抜いた者達が集まっている為、アンナ達も同じ部屋に居る。バレないようにしなければ……。

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