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5年ぶりに会ったナビが冒険のお誘いに来た。
「クリスタルドラゴン?」
「クリスタルドラゴンが守っている秘宝ニャんだけど、物凄い力を秘めていると聞いたことがあるニャ」
「へぇ、面白そうですね!いいですよ。冒険に行くことにしましょう」
「さすがはコメットさんニャ!話が分かる男ニャ!」
どうせ暇だったので、クリスタルドラゴンを探す旅に出ることにした。
遠足の準備は何がいいかなー?蒸気バイクと魔法剣プロテウスと仕込杖イチとアースドラゴンの防具一式と最高級ポーションと食料とおやつは300銅貨までかな?
「準備よし!ナビも準備はいいですか?」
「オーケーニャ!」
「じゃあ、まずは冒険者ギルドにアンナ達が居るか見てみよう」
バイクに乗り、冒険者ギルドまで来た。
「こんにち「ワン!」」
今日も運良くアンナ達が居た。冒険者ギルド横に三輪バギーがあったからなんとなく居ると思ってたけどね。
「アンナ、ルネ、マルク君。冒険に行きませんか?」
「冒険ですか!?行きます!」
「行く」
「コメットさんと冒険なんて久しぶりだけど恐いな〜僕は辞退しようかな?」
「マルク君は強制参加でお願いします」
「僕だけ強制参加!?」
「行き先はナビが知ってるよ」
「私に任せるニャ!」
「ナビさん案内よろしくおねがいします」
「じゃあ、俺とナビは蒸気バイクで先導するので、三輪バギーと馬車で付いてきてください」
「「「はい!」」」
蒸気バイクと三輪バギーが街中を走るとかなり目立ってしまったが、なんとか街の外まで出ることが出来た。
「それで目的地は一体どこなんですか?」
「目的地はここからずーっと南の離島ニャ」
「南ってことは、ゴリンゴル獣国よりも南ですか?」
「そうニャ。『呪牙島』と呼ばれる呪われた島ニャ」
「僕はやっぱり帰りますね!」
「ダーク!」
「目がああああ!見えないいいい!」
マルク君は脱走防止の為にロープで縛っておいた。
「ひいいいい!モガモガ……」
ルネが何も指示をしていないのにマルク君に猿ぐつわをした。静かになるならいいかとスルーしておいた。
1時間程でシャトラインに着いたが今回は素通りする。
そこから更に南に向かった。2時間ほど進むとポポ村の近くだということに気づいた。
以前来た時、ポポ村は廃村寸前だった。コメットは湖で猛威を振るうポッシーを討伐して村を救ったのだった。
「今のポポ村はどうなってるかな?ちょっと寄ってみましょう」
「分かったニャ」
先導するコメットはポポ村に向かった。
「ここがポポ村ですか?」
アンナがコメットに尋ねる。
「そのはずですが、これは……」
「どう見ても村じゃないニャ!」
そう、村というよりも町だ。
ポポ村の入り口に行くと衛兵が居て、一瞬警戒し武器を構えたがすぐに敬礼をしてきた。
「まさか、国王陛下!?町長を呼んでくるんだ!」
2人の衛兵の内1人が町長を呼んできた。
「国王陛下!よくぞおいでくださいました!覚えておりますか?あの時助けていただいた村のまとめ役ですじゃ」
「覚えてますよ。ポッシーで得たお金は有効に使われたようですね」
「はいですじゃ。この通り今は町と言ってもいい規模になりました!せっかく来たのですから今日はゆっくりしていってください」
「じゃあ、お言葉に甘えさせていただきます」
その日の夜は町の人々が集まって宴会となった。コメットの宴会魔法やハティの巨大化、ナビのクイズ大会、アンナとルネのマジックショー(被験者はマルク君)が行われ大盛況となった。
次の日、コメット達は沢山のお土産を持たされて出発した。




