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死闘満ち溢れるこの愛すべき異世界よ  作者: えむ
唐突に転移したんでとりあえず馴染む。
6/7

指輪

「ふーん。よく耐えるじゃん。僕ももう片腕もぎ取られたけど君たちもそんなボロボロなのに?ていうか偵察に来たのに割と殺せそうだなぁ…もうここで終わらせちゃってもいい?」


「出来るもんならやってみなさいよ。私だってそこそこ全力を尽くしてるのにここまで耐えるから驚いてたわ。」


「まぁ飽きちゃったしいいや…」


「は?ここまで来て逃げるつもりなの!?死ぬまで追いかけてやるわよ。」


「偵察に来ただけなのに片腕取られちゃぁね…しかも僕のペットも死んじゃったし…けど偵察で君達を殺すわけにもいかないし…」


「さっきと言ってる事違うじゃないの!」


「どうでもいいよ。とりあえず僕は引かせてもらうよ。また遊ぼうねモニカ。ばぁーい!」


「まっ!待ちなさい!まだ話しはっ!」


リーネスの居た空間が歪み、そこから何もなかったかのように消えている。

先程までの轟音が鳴り響く戦地とは違い、そこには虚しさまで感じるほどの静寂が訪れる。


「そういえば、私が召喚した子は?」


モニカが周りを見渡すと抉れた土がムクムクと盛り上がり中からシノミヤが出てきた。


「ぷはっぁ!はぁ…はぁ…死ぬかと思った…って!痛ててててて!うぐっ…はぁ…そ、そうだ!リーネスは!?」


「消えたわ。それより体の状態は?」


「問題はないけど…は?マジかよ!追いかけないでいいのかよ!」


「冷静に考えればここで追いかけてこっちにメリットはないわ。しかも言ってたでしょ。偵察に来ただけ。続けてもいずれあいつは引いていたわ。」


「そ、そっか。てか俺たちなんでここであいつと戦ってたんだ?」


「あんたの指輪よ。しかもあなたは召喚者。数日前から召喚するために私は動いてたから、どんな奴が召喚されたのか、あいつが言ってた通り偵察、そして何かあった時の為の牽制って所でしょうね。」


「お前。もしかして割とヤバめのやつ?」


「そう…ね…とりあえず。今は次の段階に進まなきゃね。」


「次の段階って?なんのことだよ。」


「とりあえず今は寝ててもらうわ。」


「は?あっ…」


ぷつりと電源が切れたように意識が落ちる。

先程までの戦いのせいか。

もしくはモニカが仕込んだせいか。

真相は定かではないがとりあえず疲れていて、意識が落ちてしまったのは確実だ。

そんなことより、今気になるのはこの場所。

先程までの草原とは違う。

目が覚めて一番に感じた衝撃がこれだ。

だがこれより怖いのが…


「お、おい…モニカお前…そのカッコ…」


「あぁ…この服ね。部屋着を新調したのよ。どう?似合ってる?」


「お、お前…なんでこんな…」


「?」


「『?』じゃねぇよ!お前こんなお嬢様だったのか!?」


「そうよ?一応世界4大名家の一つバートリ家の現当主だけれども。」


「お、おぉ…スゲェな…」


「まぁいいわ。とりあえず。指輪出して。」


「ん?お、おう。」


「ん…なかなか…抜け…ないっ!」


思いっきり力を入れて抜こうとするが抜けない。

まるで体の一部になったかのように。


「手を出してって意味よ。さぁ。早く。」


そうして言われるがままに手を出す。

手を出し指輪を向けると…


「術式詠唱開始…複製術式展開…構成術式解読…構成術式複製開始…構成術式の複製を第一構成術式解読に設置…解読開始…」


「何やってんだ?」


「静かに…」


「あ、あぁ…」


「解読完了…構成術式の中枢封印の複雑化を開始する。複雑化完了…禁呪の無力化を開始…無力化成功…魔力循環器を複雑化…複雑化成功…循環の操作性向上を開始…成功…魔力暴走の鎮静能力の術式を追加。循環器に結びつける…魔力循環のテスト…成功…魔法発動から魔力増幅の循環器を魔力増幅器に変換…憑依機関までの循環器を魔法発動器に接続。憑依機関を弱体化…弱体化成功…憑依期間から魔法発動器の魔力増幅循環機構を強化。強化成功。憑依機関前の循環器と増幅循環機構を接続。接続完了。憑依機関封印。封印完了。変更を構成術式に反映。テスト開始。テスト成功。構成術式の変更完了。」


「出来たわ。」


「なんかしたのか?」


「そうよ。じゃあ次の話に移りましょうか。召喚した理由とかね…」

うーん。眠い。

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