戦地
「おげぇぇぇぇぇぉ…うぷっ…おごぉぉぉ…おうぇぇぇぇぇ…」
「流石にやりすぎたかしら。調節が出来ないのよね。」
「って…あなた…なに吐いてんのよ…これぐらいで…」
「これぐらいじゃねぇ…うぷっ…よ…こんなグロイの見せられたら…しかも人が死んだんだ…目の前で…」
「こんな事日常茶飯事よ。この国は狂ってるの。それより死んでないわよ。この程度で死んでるんだったら別の時空に放り込んだ時点で死んでるわ。」
「ふっふっふっ〜!御名答〜!」
「お前!なんで!この肉とか血は!」
「それはさっきの手よ。こいつは悟ってすぐ避けたわ。」
「正解だね。まぁいいよ。早く続きしようよ〜!」
「その前に一つ聞いていいかしら?あなた、何者?」
「ただの子供がここまでできるとでも?魔族の子供でも確実に死ぬわ。」
「偵察だよ。」
「え?どういうこと?」
「そのまんまの意味だよ。てか真面目な話は嫌いなんだよ…僕に気分を害したから少し本気で行かせてもらうね…」
「待ちなさい!まだ質問はっ!ぐっ…」
ーーーパァンッ!
メキメキと重い攻撃。
たかが一発の蹴り。
その程度では出せるような攻撃の重さじゃない。
その姿は子供のようだが、ガラリと一転し、まるで鬼。
一撃一撃が骨から内臓へ伝わり吐きそうになる。
まるで骨は砕け塵になり、内臓が弾け飛ぶ。
そんな衝撃を絶え間なく受け続ける。
「そんなのどうでもいいんだよ。それより早く攻撃の態勢に移らなきゃ死ぬよ?」
「死ぬのはお前の方だッッ!うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
「ま!待って!やめなさいっ!」
「君如きが僕に触れようなんて…鬱陶しい。ハエや蚊並みに鬱陶しいんだよ。害虫は叩き潰さなきゃな。」
「うっ…ぐぉっ…」
意識が弾け飛びそうになる。
「目を逸らすなんて舐めてるわね!お仕置きが必要みたいね!」
「呪縛ッ!チェーンスネイク(這い寄る鎖蛇)!」
「そっちこそ舐めてるだろ?」
「え?」
確実に鎖に縛られたリーネス。
だが一瞬の間に鎖のカケラが空中に飛んでいる。
「けど体勢崩されちゃったね…まぁいいんだけどっ!」
「それだけだと思うっ?まだあるわよっ!」
「ぐ…毒か…けどっ…」
「ふふっ!腕を切り取るなんて相当の狂人ね!」
「きみこそっ!」
「けどこれで終わりだよ!モニカっ!」
「こんなんじゃ終わらせるつもりないわっ!まだ付き合ってもらうわよッ!
2人の攻撃がぶつかり合う。
そこは踏み込んだら確実に死ぬ戦地。
数時間にもわたる戦い。
そこに見えてきた終わり。
たすけて。しぬ。