ここどこだよ。
ーーは?
なんだこれ。
見間違いだよな。と思い頭の中で状況を反芻する。
ちょっと待て。俺は最後にいたのが学校。
そしてバイトに行こうと思って教室から思いっきり駆け出して外に出たら、声すらしないからなにがあったかと思ってたらなんか心臓の鼓動が早くなった。
そして起きたら今ここ。
は?
状況が理解できねぇ。
これがいわゆる異世界転生?いや転移ってやつか。
いやおかしいだろ。
けど異世界に召喚されたならなんかチート能力ぐらいあってもいいだろ。
そうだ。
ここで立ち止まっても仕方ないし、ここら辺を探索してみるか。
ついでにチート能力の使い方でも覚えてみよう。
うん。
そうだ。
絶対それがいい。
ーー1時間後
「頭おかしくなるわこれ。なんか人の形が違いすぎる。思いっきり獣に龍、そしてゴブリンっぽいのと半透明のスライムっぽいの…異形種しかいねぇじゃん…人間が見当たらねぇし逆にこっちが変な目で見られるし…とりあえず道を聞いてみるか…」
と言い道を聞けそうなところを探していると、
ーーコツン。
「痛ぇ!!」
と言い周りを見ると、鎧を着た龍の様な人型の兵士達と一匹の獣人みたいな子供がいる。
なぜこんな周りにいる?
厳重警戒じゃねぇか。
俺なんかしたっけな。
「すいません…俺なんかしましたかね?…あと良ければ道教えてくれません?」
「うるせぇ!この人間め!どうせ俺らのこと蔑すんでんだろ!お前みたいな奴は出てけ!」
と獣人の子供が言うので、ちょっとなに言ってるかわかんねぇよ。と思いながら近づこうとすると、
「それ以上近づくな!我々は不可侵条約を結んだはず!それなのになぜこちら側に来ている!どんな理由があろうと我々はお前の事を危険分子と判断した!早急に立ち去れ!」
「なに言ってるかわかんねぇよ!てかここどこだよ!人間側の街の行き方教えてくれって言ったろ!?早く教えてくれよ!俺迷子なんだよ!」
「とぼけるな!道の行き方ぐらいわかるだろう!それ以上ふざけていると捉えるぞ!」
「だから教えてくれって…」
ほぼ半分困惑しながら、とりあえず会話をする。
だが相手に話を聞く気はないようなので、とりあえず降伏のポーズでもしとこうか。とか馬鹿みたいな事を考え始めた。
けどやっぱ道わかんねぇしさ。
どうすりゃいいんだよ。
「あくまで徹底抗戦ということか…取り押さえろ!」
「あっ!?えっ!?ちょっと待て!うっ!うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
そして揉みくちゃにされた挙句、意識が飛んでいたようだ。
なんで俺がこんな思いを味合わなきゃいけねぇんだよ。まぁとりあえず起きるか。
「うっ、うっん!おはようございまぁぁぁぁ!!!!!って、ここどこだよ。またどっか変なとこにいるってことか?」
「起きましたか。」
と先程までにあった声の記憶なかったのでとりあえず状況説明を頼む。
「ここはどこだ。てかこれ今どんな状況なんだ?」
「ここは人間の里ですよ。」
「やったな!けどっ!」
「けど!!!」
突然遮られたかと思うと彼はこう言い出した。
「ここは牢獄ですよ?貴方は不可侵条約を破り、亜人の里へ入った。それ相応の罰を受けてもらいましょう。」
「は?」
罰?聞いてねぇよ!マジ死ねや!
そもそもなぜ速牢獄行きなんだよ!
あのリザードマン達なんだよ!
ほんとにクソじゃねぇか!
まぁいい。とりあえず我慢だ。
と今は自分をなぐさめた。
けどどうしたらいいんだよ。
リスポーン地点間違えるとか俺のせいじゃねぇだろ。
「これもうお先真っ暗だろ…どうすりゃええんや…」
ーーコツコツ。
足音?誰か来たのか。とりあえず、さっきのやつなら誤解を解かなきゃ。
ここから出ないと始まんねぇな。
「さっさと出ろ。お前に弁解の時間をくれてやる。」
よし。さっそくチャンスだ。
まぁとりあえずここで弁解できればいい。
けど、どうだ。
疑り深くいくべきか。
まぁある程度の事を想定しとこう。
裁判はまだ早いだろ。
嘘発見機とか使われそうだな。
「はい。わかりました。弁解の時間を与えてもらうなんて光栄です。」
思いっきり下から行こう。
やっぱ謙虚に言ったほうがいいな。話術全然巧みじゃねぇけどさ。
頑張るしかねぇ。
もちろんこの世界の金も持ってねぇ。
住むところも確立してねぇ。
けどやっぱ頑張るしかねぇ。
もうどん底とか。
ふざけんなよ。
そんな事を考えてしばらくすると、
「ついたぞ。裁判だ。まぁ今回は特殊な形だがな。」
はいフラグ回収お疲れ。
ヤベェな。けど特殊らしいし多分いけるやろ。
どんな形の裁判かはわかんねぇけどな。
「この裁判は簡単だ質問に嘘偽りなく答えてもらう。それだけだ。」
はい。
勝った。これ勝ち確定。
俺は真実を言えば問題ないんだからな。
これは勝ち確。
気合引き締めていくぞ!
まだまだこんなとこで終わるわけにはいかねぇからな!
そして部屋に入るとガタイのいい数人の男が居る。
おそらく何かあった時用の用心棒のようなものだろう。
「ということで質問を開始する。」
「おう。」
「まず最初の質問だ。お前はあそこで何をしていた。」
「起きたらあそこにいた。」
「問題ないようだ。次の質問へ行く。」
「お前は悪意があってあそこにいたのか?」
「悪意は全くないです。」
その瞬間。
ーーピィィィィィィィ!!
耳障りな音が部屋全体に鳴り響く。
その音は死の宣告そのものだった。
「嘘をついたな。即刻取り押さえろ!」
ガタイのいい男たちが一斉に襲いかかる。
「なんでっ!?俺嘘ついてねぇんだけど!?」
そういった瞬間、ガタイのいい男たちを転がるように避け、死に物狂いで走り出す。
部屋を出て、どこか隠れる場所はないかと探す。
そしてもうすぐ後ろにはガタイのいい男たちが来ている。
ーーーもうだめかっ!?
そう思った瞬間、少女の声が聞こえる。
「こっち。」
グイッ!と首の根っこを掴まれ、声の方へ引かれる。
そして、
「探しているお兄さんは向こうの方へ行ったよ。」
「なにっ?向こうだ!ついてこい!」
ダダダダダッ!と反対の方へ男たちは駆け出す。
はぁ…はぁ…とシノミヤユウは息を切らし、少し体力を戻したところでこう聞く。
「助けてくれてありがとう。けどお前誰だよ?なんで助けてくれた?」
「話は後。今すぐここを抜け出さなきゃ。」
そういうと、少女は手を引き、駆け出す。
そして少女は何か事情があるのか辛辣そうな顔をしている。
しばらく無言が続いたのち、走り続けて体力が切れたのかシノミヤユウは、
「はぁ…はぁ…ちょっと…休ませて…俺あんま運動得意じゃねぇんだよ…帰宅部だぜ?許してくれよ…」
「ちょっと我慢して、もう少しよ。」
光が見えてきた。
本当にもう少しで出口なのだろう。
そんなことを考える間もなく全力疾走をしていると、いつのまにか出口に着いている。
そしてしばらく休んだら、彼女はこう告げた。
「突然だけれども、私があなたを召喚したの。」
ねむい。