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とある男女の恋模様が完結しましたので、本日から本作品を毎日18時に更新します。
少々残酷な内容もございます。
後半は砂糖注意報が発令されますが、前半は場合によっては忌みする内容もあります。
本作品もよろしくお願いします。
「痛い…っ!や、やめてくださいっ!」
「暴れるな。言うこと聞きやがれ」
「や、やめてっ!」
「…っ!?」
はぁはぁはぁ…。
久しぶりに見た嫌な夢。
私を襲った過去のトラウマともいうべき憎むべき記憶。
「汗だく…」
時計はまだ5時を示している。
起床するには早い時間だ。
しかし、全身が汗で濡れており、来ている服は肌に張り付いて気持ち悪い。
二度寝をしようという気にはならない。
「はぁ…。起きよっと…」
私、小田桐 楓は少し早い起床のため、ベッドから身を起こす。
うわ…、早くシャワー浴びちゃお…。
「え…。来月から違う場所ですか」
「今のところには新しい人を入れるから、小田桐さんは次の派遣先にお願い」
派遣元から話があるとのことで、仕事終わりに派遣元を訪ねた。
担当者から伝えられた言葉は、今の場所を退場し、次の派遣先に行けということだった。
高校を卒業し、東京に上京した私。
田舎から出てきた小娘にできる仕事は限られており、派遣会社に就職し、派遣元から派遣先に派遣されている。
高校は商業科を出ていることから、派遣先では事務員として働いている。
今の派遣先は卒業と同時に配属された会社であり、3年も務めていただけあり、愛着もあったのだが…。
次の派遣先でも同様に事務員としての業務補助ということだった。
「小田桐さんは派遣先から評判が良いから、次の場所でも引き続きよろしく」
「はぁ…」
なんとも曖昧な返事になってしまった。
どうしよう…。
小田桐 楓。
21歳。
初めての派遣先変更に戸惑ってます。
バッドエンド?
そんなものは私の辞書には存在しませんのでご安心ください!