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「おしゃべりな騎士の治める土地」

殴ったり殴られたりしないのは初めてでは?

――――おしゃべりな騎士の治める土地


 しばらく後、村人たちが死体を集め、簡単にではあるが一応の体裁を整えた墓穴を掘り、遺体を埋めた。望んでしたい仕事ではないが、生き残った者の義務である……。その光景を老騎士は井戸に腰かけ、携帯用の砥石で剣を研ぎながら眺めていた。大方の遺体を墓場へ移した後、少女騎士は墓へ向かい、聖水を振りまきながら弔いの祈りを奉げた。それを遠巻きに見届けた後、納屋に残っていた干し草をたらふく食わせた馬を曳きながら、彼女たちのもとへ向かった老騎士。

「Tiens,(ティヤン)おじさま。今、祈りを奉げ終わったところです。わたしは正式な司祭ではないですが、これでアンデットとなって彷徨うことはないでしょう。」

「修道騎士の祈りの言葉だ。効果はあるはずだ。」

「ああ――どうも騎士様。このたびはなんとお礼を申し上げてよいやら。お礼に差し出せるものは、もはや何もありませんが……ありがとうございました。」

 そう平身低頭の構えをとる木こりにあわせて、腰を曲げる農民達に、手を横にふり、否を示しながら、

「いや、いい。それよりもお前達は今後どうする。」

「わたしらは隣の村まで行こうと考えております。わたしらの村の村長は、隣村の長老と昔なじみの友人と伺っておりましたので……受け入れてくれるでしょう。」

 木こりは墓を見つめて言う。おそらく、村長は襲撃の際亡くなったものだと老騎士は思った。

「しかし、領主は許すでしょうか? 私は後でもめることになるのではと心配しています。」

 少女騎士が首を傾けつつ手を胸の前でいじくる。

「まあ、この有様だ。何がどうなったかなんてわからんさ。それに、もしものときはわれらが口ぞえする。異邦の騎士とはいえ、彼女は貴族であり、修道騎士でもある。会則に従っている様子はないがな。そう無碍にはできんさ。」

と、少女騎士の頭、ヘルムをぽんぽん叩く。彼女はぽんぽんやられながら、老騎士を見上げて、

「Non,(ノン)du coup……en fait,(オンフェットゥ)他国の領民の問題に首をつっこむことは……。ハァ、いざとなれば教会を頼りましょう。すべては神の御心のままに、ですね。」

と、彼女は胸の前で十字を切った。

「今は、私たちはただの遍歴修道騎士ですから。」

「ああ、そうだったな。それに無一文だ。」

 ふたりが、ほんの少しの笑いを浮かべて――兜を脱がないので表情は伺いしれないが――あたりのうっそうと湿った空気を少し入れ替えようとした。それを受けて、木こりのイサクが出発の準備をしようと呼びかけたとき、ひとりの農婦が、

「魔女に貢物をしなかったからだわ……。呪われたのよ。いまさらどこへ行ったって……。」

と嘆く。魔女という言葉に反応した少女騎士は「魔女?」と村人達を見回しながら問うた。イサクは耳元で飛び回る羽虫を追い払うかのようなしぐさで答えた。

「愚かな村人だとお笑いでしょうが、そんな噂があるのです。魔女に貢物をしないと怪物を差し向けられるって……。」

「Ah bon?(アーボン?)魔女がいるので?」

「近くに湖があるのです。その近くに住んでるって言い伝えられておりまして。貢物がないと呪いをかけたり、反対に生贄を奉げれば願いをかなえるとか。馬鹿らしい。」

「お前は信じていないようだな。」

と老騎士。イサクはあえて、老騎士ではなく農婦へ語りかけるように答える。

「森を切り開くのがおれの仕事だ。湖の傍に道を作るため、森の木々を切り倒したのはおれの父だ。もしも魔女がいるなら、もう目にしてるはずだよ。」

「イサク! あんたの父親だって、惨たらしい死に方をしたのを忘れたのかい? 貢物をしなかったばかりに……。」

「呪いなもんか。その日、父はミサへ行かず酒を飲んでいた。酔っ払って森の奥で用足しに行った。そこで、蛮族どもに襲われたんだ。ただ馬鹿だっただけさ。魔女なんて関係ない。」

 イサクは、大きくため息をついて、農婦の耳元で、

「子ども達が怖がったらどうする……。」

「でも、隣村にも近頃蛮族の略奪団が出没しているって聞くわ……」

「もう少し声を小さく。隣村はここよりも規模が大きいし、砦もつくっているし、衛兵を増員したり、領主さまも熱心だそうじゃないか。村の力自慢たちが夜警を買って出てもいるらしい。安心さ。」

 イサクは、安心の言葉に語気を強めて、農婦だけでなくまわりに聞こえるように言う。そうして、使えるものをかき集めて出発しようと再度呼びかけた。その呼びかけに、他の村人達も、思い切ったように顔を上げ、まだ壊されていない荷車に荷物と子ども達を乗せ始めた。

「ほんとうにありがとうございました。騎士さま方。」

 改めて感謝を伝える村人に、少女騎士が神の加護を祈ると、彼女と老騎士は肯いて、それぞれの馬に乗った。乗ってから老騎士がイサクに問いかける。

「ところで、隣村はどこだ。どれくらいかかる?」

「へえ、このまま北の道を進んで、分岐を左に行った先の丘を越えた先でございます。今から出立すれば、わたしたちの足でも、日暮れまでにはつくはずです。」

「なるほど。よければ、そこまで同行しよう。」

 その言葉に、村人達は一様に頬の筋肉が緩んだ。農夫たちはお互いに顔を見合わせ、農婦達は小さな声で感謝の言葉をささやき、子ども達も暗く背中を丸めていたのが、パッと背筋が伸びる。イサクも、一瞬笑みを浮かびかけたが、すぐに申し訳そうにして、これ以上迷惑はかけられないと語った。老騎士は少女騎士を肩ごしに見やると、彼女もまた、

「C’est pas grave.(セパグレーヴ)急ぎの旅ではありませんし、私はぜひともそうしたいのです。むしろ、私達が勝手についていくのです。」

 騎士たちは、隣村まで村人に同行することになった。かろうじて襲撃から逃れていたロバにイサクがまたがり、荷車を引かせる。その荷車を大人たちが交代で押して歩き、虚ろな村娘と子どもたちは荷車に詰まれた荷物の上に腰かける。集団の先頭は荷車を引くロバ、つまりイサクとなる。イサクに並んで老騎士が進み、最後尾に少女騎士がついて警戒する。子ども達はときおり少女騎士に話しかけ、彼女はそれに答え、段々と話をせがまれるようになった。話をせがまれると、彼女は神の物語の一節や、神の話したたとえ話をした。それがつまらないと一蹴されると、首を傾けながら悩む様子をみせ、昔読んだおとぎ話と、ばつの悪そうな様子で合戦のできるだけきれいな場面を話さざるを得なかった。お姉ちゃんって何歳なの、という質問には、女性には年齢を聞かないものだとだけ返していた。

 ときおり、老騎士と少女騎士は位置を入れ替わった。そうすると、今度は老騎士が子どもたちの話相手となった。はじめは警戒していた子どもたちであったが、老騎士のほうから、遺跡探検で亡者と戦った話や、ドラゴンとは会話ができるという話をして、子ども達を喜ばせた。

 だが、死体のように荷車の揺れるにまかせている村娘には、みな一様に関ろうとしなかった。

 小川沿いの小道を進んで行き、木製の小さな橋をこえたころ、白樺の森がナラの森へと移り変わり、道に大き目の砂利が増えてきた。日は夕暮れに近づき、空は薄紫色とオレンジのような赤色の中間に染まる。

 道中、木々の影からはオオカミの姿が見え隠れしていた。その餓えた息づかいは騎士が槍を握る手をより一層強くさせた。だが、オオカミたちは一行を追尾していたものの、常に一定の距離を保ったままだった。

 苔の生えた大きな御影石のある分岐路を、西に進むと森の密度が浅くなり、若木の多いブナの林になる。途中で湖があり、道は北へ曲がっていた。道に沿って北上し、林を抜けると、いつの間にか大きな丘に差し掛かっていた。

 丘の頂上には、丸太で組まれた簡素な造りの物見櫓らしきものが立っている。その物見櫓の上には、弓を番え、革の帽子をかぶり赤いギャンベゾンを着た男が、こちらに手を振っているようで、こちらのイサクもまた、男に手を振り返していた。

 丘を越えてすぐ、なだらかな丘陵地帯を埋め尽くす麦畑が視界に飛び込んできた。少女騎士は鐙に立ってこの光景を眺めた。

 まず休耕地が目に入り、ついで柵の張り巡らされた、夕日を受けて黄金色に輝く麦畑が収穫を待っている。小麦とライ麦が半々に育てられているようだ。泥と動物の糞だらけだが、腰丈の木組みの柵が拵えられた道が続き、放牧される牛、石造りの穀倉、風車の回る製粉所と続いて、樫の木が主の林を背負った形で、100世帯ほどが暮らす村が目に入ってきた。家々は石造りであったり、木製であったりし、屋根もまた、木製の板ぶき、わらぶき屋根であった。麦畑は背が高く、小さな少女騎士が入り込むとすぐに姿が見えなくなりそうだ。

 林と村の間には東から西へ小川が流れており、遠くで大きな川と接続しているようだった。小川には水車小屋も見える。小舟を浮かせる水深はあるようで、小さな舟が何隻か岸に上げられているのが見えた。その小川に沿って、道が続いているようであった。林にも道が続き、林の向こうから生活の煙が見える。この村は十字路に鎮座するように発展しているようだった。 

 北は道の続く林で、東も麦畑が続くが、小川をまたいで北の道へ繋がる橋の近くは村の広場よりも一段高い土地になっており、一部に人工的な盛土の跡がある。盛土を囲んで丸太杭を密接させて打ち込んだ壁が建設中のようである。壁はより高く盛った東部を本丸として建てられつつあり、中央には足場の組まれた建物がある。一等高い所で旗が風になびいている。赤地に白と緑で「剣を咥えた兎」の紋章が染め抜かれている。付近には仮設らしいあばら家が林立し、工事関係者らしき人々が道具を手に出入りしている。どうやら建設中の砦のようだ。

「なつかしい。ノルマン風の、モットアンドベイリーですね。」

 西は小さな丘まで畑が続いている。丘ごしにも麦畑と村がある。丘は騎士たちの越えた南の丘までぐるりと囲んでおり、先ほどと同じ造りの物見櫓がぽつぽつと建てられていた。また西の丘ごしに、遠くて霞んでいるが大きな城壁が見えたので、この周辺を治める城が存在することがうかがえた。

「おーい! お前らは隣村のやつらじゃないか。もう日暮れだぞ! こんな時刻にどうしたんだ?」

 村の中心から、体格の悪いラバにまたがった大柄な男が近づいてくる。板材を並べただけの粗雑で小ぶりな丸盾を背負い、薪割り用の斧を握っている。金色のあごひげを蓄え、草色のチュニックに、野いちごのように赤いスカーフを首へ巻き、詰め物入りの布でできた黄ばんだコイフをかぶっていた。松明を掲げながら近づいてくる。その姿を見て、子どもたちは荷車から飛び降りた。後方についていた老騎士は馬を少女騎士と並べる。

「自警団か……。背の曲がったラバだが、家畜を見回りに使う余裕はあるようだ。」

「そのようですね。この村は繁栄しつつあるようです。砦近くには果樹園も見えますし、鍛冶屋らしき建物もみえます。なにより小さいながらも教会があるようですね。」

 荷馬の男が近づくと、その男を見知っているようで、木こりは身を乗り出すようにして手を大きく振りながら

「おー! お前は鍛冶屋のヤコフ! 久しぶりだな!」

「木こりのイサクじゃないか。一体全体どうしたんだ? それにこの大きいのと小さいのは傭兵……ではないな、騎士の方か?」

「お姉ちゃんとおじさんは、教会の騎士なんだ!」

と、子ども達が横から紹介するのに、ふたりの騎士は小さく頭だけでおじぎをした。イサクは笑いながら子ども達を制すると、自警団は速度をこちらにあわせて、村の中心へ向かう。

 道すがらに、丸太で組まれた掲示板があった。通りすぎざまに、少女騎士が眼をやると、日に焼けつつある羊皮紙が打ち付けられていた。


『志願兵の募集 60日間の兵役に志願した者は、この者の世帯のうち4人までの人頭税を兵役期間中免除する。詳細は衛兵隊舎 会計係りまで』


『父なる神と聖なる教会の名において。湖の魔女への貢物を禁止する。違反者は魔女の協力者として火刑 また一族の財産は没収する 司祭ヨセフと領主ロベルト・フォン・クルティボ』


『通過する隊商へ 通行税の支払い 領内での売買税 一部免除について 対象者の申請は広場の徴税係りまで』


『城塞建築工事への奉仕義務 各世帯につき健康な男一名 労役免除を希望する世帯は一年間収入の十分の一を納めること ロベルト・フォン・クルティボ』


といくつか読み取れたが、彼女はここの住人のいったい何人がこの張り紙を読んだのか疑問に感じた。お立ち台がそばにあることから、布告人がその都度大声を張り上げているのかもしれない。

 イサクはロバを進めながら、おおまかに事の顛末を男に話す。

「なんということだ。すぐに衛兵隊と村長を呼んでくる。荷車は広場の前に停めればいい!」

 ヤコフと呼ばれた自警団の男はラバの腹を蹴り、キャンター(駈足)で去っていく。

 農作業や、一日の仕事を終え、それぞれの自宅へ向かいつつあった村人達は、広場へ入る騎士達に集まってくる。何事なのかと、口々に問いかけ、それに答える姿もある。農婦には知り合いも居たようで、群衆の中に知り合いを見つけると、泣き出し、抱き合う始末だった。騒ぎ声を聞いて、広場に面した小教会から司祭の男も出てくる。少女騎士は、司祭を見つけると小さく頭を下げたが、群集に阻まれてすぐに姿は見えなくなった。そして、荷車に虚ろな姿で丸くなっている村娘を見つけると、彼らはさらに騒ぎ始めた。

「弱ったな。帰りたくなってきたよ。」

 馬上で肩をすくめて首を振る老騎士。それに対して、同じように肩を小さくすくめた少女騎士は槍で老騎士を小突きながら返す。

「En faitオンフェットゥ,おじさまが言い出しっぺなんですからね。」

 騒ぎ始めると同時に、長老と呼ばれる老人がヤコフと3人の衛兵隊とともにやってきて、みなに解散し、自宅にもどるように促した。そしてヤコフに、今夜は当番外の者も見回りに参加させるように指示し、男はくたびれた姿のラバで家々を回り始めた。

衛兵隊は野いちごのように赤いギャンベゾンに、半袖状で裾の丈が腰までのシャツのような鎖帷子「バーニー」を着こみ、その上から例のウサギの紋章の染め抜かれたタバードを着ていた。鎖帷子は騎士たちのものと比べると目が荒く、ギャンベゾンが透けて見える。鉄でできた麦藁帽子のようなケトルハットを詰め物入りのコイフとともに被った衛兵隊は唾を吐き出しながら駆けていった。カイトシールドと槍、腰に片刃のファルシオンと戦斧という武装をしていたが、疲れているようで見た目よりも重そうに盾を持ち、ブーツで小石を蹴とばし、ベルトを直しながら走っている様子だった。

 すっかり足元もおぼつかないほど困憊した木こりたちに対して、取り敢えずは長老宅の納屋で休息し、すぐに食事を持ってくるから食べたら眠るよう薦めた。哀れな村娘は司祭に預けられ、数人の女性とともに小教会へ抱きかかえられるようにして運び込まれた。そして、木こりのイサクと、二人の騎士は長老宅へ同行を願われた。

 一部始終を長老に伝えたイサクは、その労を労われ、もう眠るように促された。その言葉にしたがい、彼は逃げてきた皆のもとへ向かった。少女騎士と老騎士は食卓へ案内され、ハチミツ酒を薦められた。それを長老共々、ふたりの騎士もあおりながら、長老は今回の一件での親切に感謝の意を伝えた。

「いや、私たちはただ、神によってあの村に導かれたに過ぎませんので。」

 長老は十字を2回切りながら、

「ならば、神に感謝を。勇敢なる騎士さまと、優しき小さな騎士さまを導いてくださったことに。よくぞ生き残りをここまで送り届けてくださいました。」

「ふむ、それで、彼らはどうなる?」

 老騎士は腕を組みながら、右掌を上に向けて問う。

「この村に移り住むよう薦めるつもりです。領主様には、これから伺いに行き、許可を頂こうかと考えております。」

 風が強く吹きこみ、長老は寒さのためか身ぶるいをした。窓の鎧戸をしめる。粗末な暖炉の煙が部屋を煤だらけにする。老騎士はベンチの足元の床――踏みならされた土の地面に藁を敷いただけ――を踏みにじりながら、

「そうか。この辺りでは、あの山賊崩れ――オークはよく出るのか。」

「ええ。すでにこの村の付近にも出没し、街の市場へ向かった村の者が追いはぎに襲撃されたり、夜間に家畜を数頭盗まれる事件が複数上がっております。」

「巨大鳥は――屍食鳥でしたっけ、ルフとかいう――はこの辺にも?」

 少女騎士が両手でハチミツ酒の瓶を握りながら、左下を見つめて問う。視線の先には踏みならされた地面に敷かれた藁だ。だが藁を見つめているわけではない。彼女の悪い癖で、自分が口を開くときに限って目線を合わせるのを避けるのだ。

ところでふたりとも、酒を飲むときもヘルムを外す気はないようだ。老騎士はチェインコイフを下げ口元を露わにしているが、兜は被ったままだ。灰色がかったもじゃもじゃの髭がのぞいているが、少女騎士の方は、わずかに兜を上げ、下から挿しこむようにしてハチミツ酒を嗜んでいる。

「屍食鳥は、もっと南が縄張りだったはずですが……。林との境界付近では、司祭さまが毎日聖水をまき、祈りをささげてくださっておりますから、この村で見た者はいませんね。」

「それに奴の好物は死肉だ。適切に埋葬が行なわれている人里ならば、よほど姿を見せないだろう。」

 そこへ、ギイと木材がきしむ音とともに扉が開かれ、誰かが入ってきた。騎士たちが目をやると、身なりの良い、身分の高そうな男であった。衛兵隊のように野いちご色のギャンベゾンをまとっているものの、明らかに丁寧な仕立てであり、また清潔で糊のきいた様子である。足元も金の拍車のついた黒い乗馬ブーツで、腰には長剣を帯びている。この上からホーバージョンをまとえば、いつでも戦いに出られそうだ。紫色のマントを銀のピンで留めている。彼は扉を閉めると、半球状でお椀のようなサーベリアを脱ぎながら三人の座るテーブルの脇へ近づいた。

「これは、どうも。神が傍にいますように。長老、神殿騎士どの。」

 あばた顔で、ヘーゼルの瞳、黒髪をオールバックにし、無精ひげを生やした恰幅の良い30歳ほどの男は、一度かかとを床に打ち付けてから、小さく会釈した。

「神がお傍におられますように。」

「どうも。」

「おお、神がお傍におりますように。ロベルト閣下。いまからお伺いに参ろうかと……」

 長老が立ち上がり、平伏しようとするのを手で制しながらロベルト卿は喉に痰がからまったような話し方で、

「いや、そのままで結構。神殿騎士のかたがた、このたびは助かりました。お急ぎの旅ならばご迷惑をおかけしますが、ぜひともわたしの館へいらっしゃいませんか。」

 そういって、彼はふたりを長老宅から連れ出した。家の前には彼の馬であろう、白毛で体格の良い、足元にふさふさの毛を蓄えた馬が従者とともに待っていた。三人は騎乗し、松明を掲げた従者は徒歩で先行し、道を照らす。辺りはもう日が落ちかかって、薄暗い紫色に染まっている。家々の影が強くなり始め、教会や衛兵詰め所、物見櫓、そして建設中の砦からのみ光がきらきらと輝いている。衛兵の一人が村落のあちこちにある常夜灯と思しき大人の背丈の柱に、火を燈してまわっている。

「ユニコーンとはめずらしいですな。よい馬をお持ちだ。」

「Merci. 閣下の馬のたてがみも美しいですよ。」

「ほお! フランス語ですか。文明的な言葉で会話できるのは喜ばしいことです。」

と、彼はこの地の言葉とフランス語とを混ぜ込んで話した。三人は建設中の砦のほうへ人が歩く速度で向かった。おしゃべりなロベルト卿は道中、ふたりにフランス語とアビエニア語を混ぜ込みながら話しかけた。だが、フランス語には不慣れなようで、美しい発音とは呼べなかった。

「申し遅れましたが、わたくしはバーチ家に仕えるロベルト・アンテルス・フォン・クルティボ。このクルティボ村とコーブレ村の守護を仰せつかっております。」

 名乗りに応じて、礼儀を尊ぶ彼女たちは名乗りかえした。とはいえ、騎士修道会に属したことから旧家名を名乗るべきか否か、戸惑ったが騎士を騙る出身不明の流れ者と判断されるのは厄介と結論したようで、少女騎士は家名を含めて名乗ることにした。

「これはご丁寧に。私はアンナ・カタリナ・ド・ラ・ミルフイユ。聖地から参りました。かつては下ロレーヌ公に仕える子爵家の末席におりました。」

「聖地から! 部下からは騎士修道会の方とも伺っております。下ロレーヌ公といいますと聖地守護者の? それと、お名前から見るに、フランスのご出身ですな。えーっと、ブラボー!」

「Très bien!(トヘビアン!)お上手ですね!」

と少女騎士ことアンナ嬢は肩をゆすって喜びを表現した様子だ。にこにことした笑顔なのだろうが、バケツ兜で顔をうかがい知ることはできない。

「めるしー! ではこちらの紳士は――」

と老騎士に顔を向けるロベルト卿に、

「あー、おれは――」

といいかけるのに、アンナ嬢がかぶせて、

「彼はドラクロワ・ド・ブイヨン。我が家と血縁のある家の騎士で、おてんばな私のお目付け役です。」

「まあ、……などと名乗っている。そんなとこだな。」

などと、頭をかきながら、いつになく奥手な老騎士。それもそのはず。彼にはちゃんとしたドラゴン流の名前が存在する。だがこのドラクロワなる名前はアンナ嬢がドラゴン語を発音できないことから、老騎士の許可なく勝手に名づけたもの。しかも、“ドラゴン”と聖地守護者“ゴドフロワ”をかけるというひどいジョークだ(とは老騎士談)。

「彼は私の守護者なんですよ。」

「はあ、守護者と?」

と怪訝なロベルト卿。ため息をついて肩を落とす老騎士。

「私のようなおてんばを心配して、聖地までついて来てともに戦ったのです。ドラクロワとは長い付き合いなんですよ。わたしは『おじさま』って呼んでいます。」

「ほおー。微笑ましい関係のようですな。わたしにも『じいや』がいましたよ。よくいたずらして怒られたもんだ。」

 聖地奪還の旅に出たときから使っているいつもの設定を持ち出す。しかし、あながち嘘とはいいきれないのが、アンナ嬢の上手なところだ。人の目を見て話せない割には、口はまわる様子。

「それにしても、部下や木こりから報告を聞き、驚きました。まさか蛮族どもが開拓地を襲撃するとは。確かにあの森を切り開いてから蛮族との小競り合いがあったものの、近頃は小規模な窃盗や追い剥ぎ行為だけだったのですが……。」

「農婦は魔女の呪いだとかいっていましたね。」

「魔女? ええ、湖の傍に住む魔女、無知な村人どもは貢物をやめません。姿を見たという者も。」

「なぜ火あぶりにしないので。」

「弱ったことに、魔女の住処まで辿り着けないんですよ。以前、魔女狩りの専門家を自称する冒険者を雇ったが、手ぶらで帰ってきた。しかし、今まで村の脅威になったことがなかったので、放置していたんです。」

 ロベルト卿は首を左右へ振りながら、

「たまに目撃談があるんです。村人の、それも子どもからだけ。なんでも、自分の大切なものと引き換えに願いをかなえるとか。」

「Ah bon.ずいぶんとおとぎ話じみた魔女ですね。」

「とはいえ、今では魔女よりも蛮族とお隣さんが脅威でしてね。」

 ドラクロワおじさまは夜目が効き、ユニコーンも足場が悪いくらいでは平気である。それでも泥にまみれた道によって馬が不機嫌そうにいななくのに、馬の首筋をぽんぽんと撫でてなだめながら、

「ところで、襲撃された村は貴殿の荘園ではないのか?」

「とんでもない。あそこはバーチ家の直営地でして。クラウディア女伯のものです。」

「バーチ家の当主か。なるほどな。では、逃げ込んできた村人達はどうする?」

「本日の出来事、明日、部下とともに現地へ確認に行き、クラウディア女伯へ報告へ上がろうかと。その際に当地への移住を許可いただこうかと考えております。話を聞いた限りでは、すぐにの復興は難しそうですからな。」

「Coucou.(クークー)おじさま、堀に落っこちないで下さいね。まっすぐ進んでください。」

「おれにも見えてるよ。マドモワゼル。」

 一行は建設中の砦までやってきた。水はまだ張られていないものの、木の壁を囲むように堀が作られており、跳ね橋も完成しているようだった。跳ね橋の向こうには小さいながらも体裁の整った城門があり、木製のやぐらが壁から張り出すように建てられている。衛兵が二人、松明と槍を持って門番をしている様子だった。

「止まれ――閣下! 失礼しました。おかえりなさいませ。」

「ご苦労。神殿騎士どの、狭いので一列で。」

「ロベルト閣下だ。開門せよ!」

と門番が城門の格子戸ごしに叫ぶと、巻き上げ機をがりがり鳴らしながら、格子状の門が開く。跳ね橋は馬がすれ違うのが憚られる幅で、一行は一列になって入城した。

 門をくぐると、薄暗いのでわかりにくいが、いくつかの設備を松明の光によっておぼろげに判別することができた。石造りの倉庫や、漆喰と木材の厩舎、石材と木材の衛兵隊の兵舎、木とわらぶき屋根の小屋が幾つか。そして井戸と小さな果樹園など、各施設は整いつつあるようだった。2階建ての木造家屋も見え、窓から光がこぼれる。

「馬はこちらに。厩番! まだまだお見苦しい姿ですが、あちらが我が家です。」

と指差すところは、土を盛り上げた小山の上にある円形状の大きな塔であった。

 小山へ向かう途中、2階建ての木造家屋から、3人ほど男が出てきて、ロベルト卿と2,3言交わした。その様子から、3人の男はロベルト卿へ仕える騎士か従士のようだった。会話が終わると、下馬し厩番に馬を預けた一行は、塔へ続く階段を登る。所々に建築資材が積まれたままであり、塔にも足場が組まれたままだ。

「最近になって造り始めたようだな。」

と一行の最後尾からドラクロワが口を開く。この階段も木材で階段が作られているだけであり、人同士がすれ違うのがやっとの幅である。

「父が天に召され、わたくしがここクルティボを受け継いでからですな。蛮族と、ダッグワース家対策ですよ。資金も半分はバーチ家から出ています。」

登るにつれて風を強く感じるようになり、アンナとドラクロワのクロークが風になびいた。彼女達が塔へ招き入れられると、中には使用人が食事の用意をしている様子だった。部屋内は壁にかけられた松明と、所々のろうそくが頼りの照明であり、ほのかに薄暗い。盾を盾掛けに預け、案内されるがままに長テーブルについた。オーク材でできたテーブルとベンチであり、簡素なものだ。とはいえ、リンネルのテーブルクロスはしわもなく、気づかいを感じられた。

「いつもは騎士と従士ら一同に会して夕食とするのですが……さらに来客とあらば皆で祝いの宴を催すべきなのですが今夜はご勘弁ください。」

 テーブルにはロベルト卿とアンナ嬢、ドラクロワおじさま、それと9つほどに見えるブルネットの巻き毛を腰まで伸ばした娘がひとり。健康そうな小麦色の肌で、緑色のブリオーを着ている。所々が赤い糸で刺繍がされているようだ。瞳の色はヘーゼルである。

「お父さん!」と、塔へ入るなりブルネットの娘は呼びかけ、ロベルト卿がそれに答え、老騎士たちに娘のリザだと紹介したのだ。

 テーブルにつくと、促されるままドラクロワはヘルメットを脱ぎ、テーブルへ置いた。アンナ嬢も脱がないわけにはいかず、逡巡したのち皆に背を向けてからバケツ兜を脱ぎ、コイフも取った。やむを得ずクロークのフードを目深にかぶる。

 そうして使用人たちによって銀の大皿と、人の顔が彫刻された茶目っ気のある水差しがまわされた。大皿の上に手を差し伸べると、使用人たちが水差しを傾け、清潔な水が注がれる。それで両手が清められると、野兎のグリルと、豆のスープに白パン、オリーブの実にザクロ、さらにチーズにぶどう酒が並べられた。ロベルト卿の願いで、少女騎士が食前の祈りを唱え食事が始まり、肉汁とパンを絡ませて男達は平らげた。少女達はもっぱらスープにパンをひたして食べた。

「騎士のお姉さん、お姉さんって成人なさっているの?」

というブルネット娘リザの問いかけに、アンナ嬢は口に含んだワインを飲み干してから答えた。

「Oui,ええ、まあ。」

「15になったばかりなんですか?」

「Et donc,もうちょっとたったかも。」

「でも、クラウディア様と同じくらいに感じますよ。」

「クラウディア女伯はお若いんですね。」

「女の子で騎士って珍しいですね。女性騎士ですと、聖アンジェリカ騎士修道会なんですか?」

「Non,(ノン)聖地の方からまいりましたので。神殿の方です。」

「こらこら、リザ、お父さんのお客なんだ。あまり困らせていけないよ。」

と娘をたしなめる父親に、老騎士は野兎の骨をふりふりしながら、

「いや、いいんだ。この騎士のお嬢さんは若い女友達が少ないからな。たっぷり話しかけてやってくれ。」

「C'est-à-dire,愛と勇気が友達ですので。」

 アンナ嬢がドラクロワおじさまを見やりながら肩をすくめると、

「お嬢さんは、好奇心と無謀さが友達だと思っていたぞ。」

その後は今度はロベルト卿とドラクロワが会話をするのを、少女達はながめながら野兎の肉を切り分けてナイフで食べ、パンとチーズをむしゃむしゃとやった。アンナ嬢がパンをスープにひたしたところで、

「騎士のお姉さん、フードはお脱ぎにならないの?」

というリザに、アンナ嬢は口に運びかけたスープの滴るパンを掴んだまま、目線を野兎だった網目模様の肉片へ向けた。

「Ah......comment dire,脱いでもいいのですが、en fait,恥ずかしながら食事にふさわしい容姿ではございませんので。」

 その言葉の真意を理解しかねたリザは、不思議そうに首をかしげ、続いて質問しようとするのを老騎士が制した。

「まあ、騎士ごっこで満足する娘じゃなかったってことさ。リザお嬢さん。騎士の娘なら、男たちが怪我をして帰ってくるのを知っているだろう。」

 その言葉に、アンナ嬢は食べかけたパンをむしゃりと口に含み、手を合わせて老騎士へ頭を下げた。

「Ah......城攻めでは燃える油もふってきますから。」

 賢いリザ嬢はその意味を理解できたようで、気持ちが沈む。だが、気の利くロベルト卿は父親らしく話題を変えた。

 やがて、ブルネットの娘を2階へ上がらせたロベルト卿が、食後のワインを杯へ注ぎつつ口を開いた。

「ところで、この一件の礼をせねばなりませんな。明日、現地へ確認に行き、その後クラウディア女伯の下――アベドル・ブランコ城へ報告してまいりますので、その後でよろしければ……。急ぎでしたら申し訳ないが、3日後には、相応の謝礼金を支払うことができるかと。」

「いや、謝礼などー―」と手を振って言いかけた少女騎士を、老騎士は押さえて、

「それはありがたい。何、気ままな放浪でね。しばらく滞在してもいい。」

「そういうことなら。騎士修道会の方が滞在されているとなれば、女伯も心強い。」

とロベルト卿、にっこりと笑う。

「Bravo.おじさまはますます傭兵騎士らしくなってきましたね。」

「お嬢さんが物乞いにならないことを祈ってるよ。」

 いつものぼやき合いをしていると、ロベルト卿はテーブルに肘をのせて、両手を弄くりながらふたりを見やって問いかける。

「わたくしとしては、長く滞在してくださるとうれしいのですが、いかがでしょう。おふたりは剣の腕も立つようですし『気まま』の内に入れていただけるのであれば、新兵たちの訓練をしていただけないか?」

 老騎士は両肘を机の上に投げ出し、ザクロをかじった。アンナ嬢は自分の兜をこんこんと叩いた。ロベルト卿はまだ指を弄くっている。

「訓練だけなら、おれたちじゃなくともつとまるだろう。」

と左掌を天に向けながら返す老騎士に、ロベルト卿は指を弄くるのを止め、ワインを杯に足した。

「まあ、正直に申し上げると恥ずかしいのですが、蛮族の襲来に備えて期間雇用の衛兵助手として人員を雇ったものの、どちらが剣の柄かもわからないような輩ばかりで。傭兵ギルドから雇った男は使えそうなものの、流れの冒険者は素行不良。退役軍人の息子も受け入れたが年長に敬意を払わず、規律もなにもない。そして半分は……土地を失った農民ともいえない難民ばかり。粗野な冒険者や、無知な農民の訓練となると、うちの騎士や従士たちは嫌がりましてな。」

「古参の衛兵隊はどうだ?」

「治安の悪化のおかげで、新兵の相手をさせている場合ではないのです。それに、古参兵は新兵の訓練は良いが、ずぶの素人の訓練は雇用契約に入っていないと言い出す始末で。」

 肩を上げて、ため息とともに落とす。アンナ嬢は辺りを見渡すようなしぐさをしつつ、

「しかし、ご領地のわりには多くの兵がいるようですね。」

「とんでもない。うちには10人ほどしかいないですよ。あとはすべて期間雇用です。衛兵助手は新兵をあわせて15人ですな。」

とテーブルの上へ指を走らせて答える。アンナ嬢はその指を追いかけながら、

「さきほど城内で言葉を交わされていた騎士たちは?」

「ああ、家臣の騎士と、隣村の騎士です。隣のセボージャ村は私が下賜したものでしてな。彼の領地には衛兵は3人ほどしかいませんよ。まあ、ここと違って心配すべきは酔っ払いにケンカにコソ泥くらいでして。彼はここクルティボに住居を構えてもらっていますよ。」

と、掌を天へ向けた。老騎士はその手に指をさしながら、

「しかし我らも鎧の手入れ、馬の世話が必要だ。騎士修道会も「貧しき戦友たち」はこの地にはいないようだから、あてにはできない。ずっと訓練教官をやっているわけにもいかない。」

「鎧職人と厩の心配はご無用。当家の客人ですから。それにもちろん、おふたりの身分にふさわしい謝礼を用意いたしますよ。あ――修道騎士でしたら、寄進と捉えてくだされば。」

 金を大切にするドラゴンらしい老騎士は、その言葉に満足したようだった。不満足なのは金よりも信仰な、いつでも敬虔たるアンナ嬢。しかし、結局のところふたりはこの話を請け負うことになる。ロベルト卿、伊達に貴族をやっていない。アンナ嬢は貴族としては無邪気すぎた。

 ロベルト卿は杯を握り締め、机の上に置いた手を堅く握り締めると、天井を仰いだ。そうしてワインを思い切りあおると、ため息混じりにこう呟いた。

「略奪者どもは食料や家畜を略奪し、娘をさらい、汚す。抵抗する者には容赦はしない……それは開拓村を見れば明らか……領民達を守るのが貴族の務めといえども、神の助けなしには難しい……。略奪者どもは異教徒で悪魔の手先そのもの、神をも恐れない。しかし、戦おうとする者たちがいれば……。今の未熟さでは自殺志願者同然だ。だが、もしも、正しい訓練を積むことが出来れば、その行いに神も力をかしてくださるはず……。」

 その言葉に、少女騎士はびくりと反応し、立ち上がる。老騎士は小声で「やれやれ、そんなことだと思ったよ」とぼやいた。少女騎士は手を合わせたり、離したりしながら、

「では、私達が指導しましょう。身を守る術から、無法者の集団に対する術を訓練し、神の威光に逆らう悪魔どもを追い払いましょう!」


主従関係としては、まだ見ぬ王国←--バーチ家のクラウディア女伯爵←--クルティボ家のロベルト

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