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「乱暴なお客さん」前編

中世ヨーロッパ風ファンタジーといったら、この種族は出てこなくっちゃという決まりがある……。かどうかはわかりませんが、和製ヨーロッパファンタジー常連の登場です。

――――「乱暴なお客さん」前編


 太陽が昇る前、空が紫色に染まりはじめた頃。ふたりの騎士は白樺の森にはさまれた小道を進んでいた。獣道と見間違うほどであり、草が生えていないただの土だ。そんな道を、小休憩をはさみつつ、ユニコーンにりんごを与えたりしながら進む。 

 しばらくすると、馴染み深い香りとともに森の向こうからゆらゆらと煙が上がっているのが見えた。少女騎士は鐙に立つ。馬はいななく。

「焚き火ではなさそうだ。」

「魔女を焼く焚き火なら大歓迎なんですけどね。」

「まあ、戦争の気配がするなら、われらが物乞いをする必要はなさそうだ。」

 少し進むと、森の木々の様子が変わり、切り倒された跡が見え始めた。切り株も目立ち、人の手が入っている証拠だ。

 やがて、崩れ落ちた小屋が見えてきた。完全に打ち壊されており、がれきの山だ。破れかけた旗が引っ掛かっている。よく見ると、紋章が染め抜かれており、赤地に白と緑で「剣を咥えた兎」の紋章であった。

 小屋の入り口近くには、倒れ伏した死体がある。野いちご色のギャンベゾンに、鉄の麦わら帽子ともいえるケトルハットをかぶり、仰向けに倒れている。30くらいな男で、もじゃもじゃのひげを生やしている。ショートソードを抜きかけた状態で手は柄を握ったまま、胸には斧が深々と刺さっている。

「襲撃があったようですね。紋章を染め抜いた旗、それにこの男は衛兵? ここは関所だったんでしょうか。」

「そのようだ。煙はもっと先から上がっている。この先に集落でもあるのか。手遅れかもしれんが、急ごう。この兵士に祈るのは後だ。」

 やがて木々は開けて、ライ麦畑が見えてきた。木製の柵がある。腰の高さだ。収穫の時期のようで、方方に藁の山ができている。そうして「焚き火」の火元がふたりの視界に映った。

「どうどう。」「だーだー。」

 焼けた村。

 村が焼けただけでは、彼女達は動揺しない。散々見慣れた光景であるし、彼女自身が命令を下して焼いたこともある。あるとき「おじさま」は彼女が信じる宗教に反した行為では? と問うた。彼女から帰って来たのはお決まりの言葉「これは異教徒の村。ならばこれは神が望んでおられること。」

 そんな彼女であるから、村が焼けようが、死体が軒先にぶら下がっていようが、ばらばらになって内臓が散乱していようがおかまいなしだ。

 踏み荒らされた畑の付近には、麦やキャベツとは違うものが混じっている。人の死体が、刈り取られたライ麦のように倒れている。どうやらまだ温かいのか湯気が昇る亡骸は、村の外へ頭を向けて倒れていた。うつぶせに倒れ、背中には矢の刺さっている死体もある。

 しかしながら、一点だけ、見知った人間とは異なる亡骸がある。彼女はそれを発見すると、胸元で十字を切った。おじさまは苦虫を噛み潰した。

 その死体とは耳の長い人である。そのとがった耳から、以前出遭ったエルフと同様にみえたが、どうも違うようだ。

「Sacré bleu!(サクレブルュー!)なんと醜い。ぶくぶくと肥え太っていて、肌はラバの尿のような色。水浴びをする習慣はなさそうですね。垢やらなんやらでひどく汚い。ここまで匂ってきそうだ。肥溜めの匂いですね。ぼろぼろの毛皮をまとっている……これは未開の蛮族。顔は……潰れた鼻に、しゃくれた下あご。口から覗く牙。とがった耳からは縮れた毛が生える。餓えた豚のような醜悪さ。これは、Machinマシェンなんとかっていう怪物でしたね。」

「そのとおり、こいつは噂に聞く怪物『なんとか』だ。お嬢さんの記憶力には感服するばかりだ。この大男のような『なんとか』の腹にピッチフォークが刺さっている。これが致命傷となったか。このフォークを突き刺したのは、こいつのすぐそばで死んでいる人間の農民で間違いないだろう。首にお前と同じ十字架を下げているぞ。よかったな。この農民の背中にはナイフが刺さっているな。他の死体をみると、倒れた方向からして、村から逃げ出したのは人間か。ふむ、どうやら襲われたのは人間の方らしい。怪物に一矢報いたが、別の奴に後ろから刺されたのか。ほとんどの者は逃げ惑うばかりだったが、一部の者は農具を手に抵抗を図った……というところか。」

「名探偵おじさま、というところですね。真相はともかく、この勇敢なる男に、どうか安らかな眠りを。」

 冗談を言いつつも、目を一拍だけ瞑り、少女騎士は胸の前で十字を切った。彼女達は騎乗したまま怪物を見下ろす。毛皮でできた粗末な服を身につけ、邪悪な雰囲気を醸し出す首飾りや、悪魔的な文様の入れ墨が体中にある。

「まさに怪物ですね。人型ではあるものの……呪いでも受けたんでしょうか。」

「呪いかはわからん。しかし、こいつは見かけと違って文化的だぞ。言語を有し集落を形成する。」

「Ah , ha...... そして盗み、殺し、姦通をする。」

「人間と同じだな。」

「怪物は神を信じないのでしょう?」

「お嬢さんのいう神は信じていないだろうな。確か、独自の神を信仰していたはずだぞ。」

「なら、異教の怪物どもということですね。En fait. ほら、神の愛された人間じゃないじゃないですか。」

「だが怪力の大男ではある。押し倒されないようにしろよ、マドモワゼル。ちなみに、こいつの種族には名前がついているらしい。ちゃんと分類学者もいるんだぞ。学者の出している本によると、オークという名前だそうだ。」

「まるで樫の木みたいな名前ですね。」

「のんきなもんだ。」

村に近づくにつれて、死体が増えてきた。どれも神の愛された人間である。老騎士はある崩れ落ちた木造家屋の前で馬を止めて、

「生き残りがいるかもしれん。探してみるか?」

「この流血の惨劇跡、どちらを探せば? 村人を? 怪物を?」

「お気に召すまま。もしもオークの方なら、奇襲にお気をつけあれ。先の死体のような、なまくらナイフだけなら平気だろうが。棍棒や斧なら鎧も痛がるぞ。」

「Et bien,どちらにせよドラゴンの火を受ければ、こんがりと丸焼けになるでしょうけどね。」

 少女騎士は、村の広場だったところまで馬を進めた。いまや井戸の中のように静まり返っている。馬ごとぐるぐるとあたりを見渡した。 

 あたりには死体が散乱している。打ち壊された家の壁にもたれかかるように死んでいる者。隠れていたであろう納屋から引きづり出されて、広場で撲殺された死体もある。30世帯ほどの人びとが生活していた跡がある。ほとんどの家々は打ち壊され、火をつけられたようだ。わらぶき屋根の小屋は煤となったが、大部分の家は火の手も収まり、炭のように焼け焦げ、目に沁みる燻り方をしている。依然、家畜小屋と思しき建物からは火の粉が上がっている。

「オークはいつもこのような殺戮を? 幼い少女まで。」

「断定できることはなにもない。おれもこの地は久しぶりだ。」

 すると、突然、空気を切り裂く悲鳴が響き渡った。赤ん坊が泣き叫ぶかのように激しく耳をつく、女性独特の悲鳴である。

少女騎士と老騎士は悲鳴の聞こえた方角へ注目すると、焼かれなかった建物を発見した。軒先につるされたさまざまな動物の皮から、皮の保管小屋のようだ。どうやら今の悲鳴はこの小屋からであると、見当をつけたらしい。

「おじさまっOn y va!(オンヤヴァ!)」

「少女の悲鳴だな。いこう。」

 ふたりは下馬し、馬をひと撫ですると、尻をぽんと叩き、建物の影に逃がした。少女騎士は左腰の片手半剣を引き抜く。老騎士は、背負ったカイトシールドを左腕に構えなおし、右腰のフランキスカを右手に。腰を落としながら、金の拍車から音を立てないよう注意しつつ、小屋の窓際まで近づく。老騎士は少女騎士から三歩後方に位置する。クロークが風にゆれる。

 壁に密着すると、中から、先ほど悲鳴を上げたと思しき女性の声がする。何者かに襲われているようで、か細き悲痛なうめき声をあげている。しかし、それと同時に、人間とは異なる声が複数耳に入った。少女騎士は、窓から中の様子を伺ってみた。

「La Vache! (ラ ヴァッシェ!)おお、神よ……」

「どうした?」

「村娘が襲われています。例の怪物……オークが6匹。村娘にのしかかって、冒涜的な行為を。ナイフや棍棒、斧で武装していますが、行為に夢中のようですな。Beurk……」

「くそ。噂どおりの野蛮さか。おれが先に行くから援護を――」

「DEUS VULT!」

少女騎士はそう叫ぶな否や、木製のドアを蹴っ飛ばし打ち破って突入した。

挿絵(By みてみん)

そうして、突然の乱入者で振り返ったきり固まっていた怪物の膝裏を斬りつけ、騎士と同じ目の高さまで崩れ落ちたところで、首をはねた。

 仲間の血を見たからか、嗅いだからか、ようやく愚鈍な怪物どもも動き出す。オークにも羞恥心があるのか、慌ててズボンをはこうとするまぬけを置いて、オークの1匹が床に置いていた手斧を取ろうとする。とろうとした腕を、少女騎士は斬り落とす。苦痛にあえぐ暇もなく、そのまま騎士は蹴りを食らわせ、壁まで蹴り飛ばす。


挿絵(By みてみん)


 しゃがみこんでいたもう1匹のオークは、滑り込むように騎士の足元へ迫り、ナイフの一撃を騎士の足へ食らわせた。食らわせたはずだったが、なまくらなナイフは板金補強まで達するどころか、厚い皮のブーツには刃が通らず、刃先は滑った。しかし滑るのを見るや否や、思いきりの良い怪物は騎士の足を両手でつかもうとした。それと同時に、他の屈強なオークが斧を手に彼女の右から飛びかかろうとする。戦いに慣れた見事な連携であった。

だが戦いで血まみれの騎士は軸足を変えながらくるくると2回ステップをして回避しようとする。そこへ別の機転の利く怪物は剛腕で棍棒を投げつけた。彼女はそれに気付いたが、別段の対応はしない。そのまま、斧での攻撃が空ぶり体勢の崩れた間抜けな怪物を、ステップついでに横薙ぎに叩き斬る。素肌の化物は腹をぱっくりと裂かれ、臓物をまき散らす。そして投げつけられた棍棒は背中の盾に当たり、弾かれた。

 回転の終わり、棍棒が命中すると同時に、ナイフで足を切りつけてきた怪物は駆け出す。今度はナイフを腰溜めに構えて無理やりに鎧を抜くつもりか、あるいは体当たりをするつもりか 

打ち合わせたかのようなタイミングで小柄な少女騎士に突貫するが、次の瞬間にはオークの背中に衝撃が走る。背中にはフランキスカが深々と沈みこみ、無様な怪物は転がるように崩れ落ちたのだ。仰向けに足元へ転がり込んできたオークの首を右足で踏みつけ、首の骨を折る。騎士は、片手半剣の柄を右手に持ったまま、刀身を左手で逆手につかみ、切っ先を村娘のそばでこちらと距離をとる、ようやく下着やズボンを身に着け終わった怪物どもに向ける。 

 首の骨が潰れたオークから右足を上げた瞬間、村娘を、怪物どもは手放した。残った怪物どもは、逃げようとしたのだ。血相を変えた怪物どもはこの小屋唯一の出入り口へ殺到する。

 しかし、怪物どもは逃げおおせることは出来なかった。その出入り口には、投擲したフランキスカの代わりに片手半剣を引き抜いて上段に構え、全身を隠すように盾を構えた老騎士が待ち構えていたのだ。

 進退窮まった怪物は強行突破しようと、手にしていた斧で飛びかかった。すると老騎士は、盾を勢いよく突き出し、シールドバッシュ。振りかぶる前に、強烈な衝撃を食らったその怪物は吹き飛ばされる。残りの怪物の攻撃も騎士の盾によって塞がれた直後に盾の縁で殴打され、よろめく。よろめいたところを、片手半剣が突き出すように振り下ろされ脳天から叩き殺された。

 シールドバッシュによって吹き飛ばされた怪物は、起き上がろうとしたところを少女騎士によって踏み倒され、床下まで貫通する勢いで心臓を貫かれた。肋骨を削られながらも、怪物は突き刺さる刀身をつかむが、そのまま剣が刺し込まれると、えぐるようにかき回され、引き抜かれた。手から鮮血が飛び散り、力を失う。

 右腕を切断され、壁に吹き飛ばされていたオークは、なんとかここから脱出しようとしていたのだろう。戦いの最中、部屋の陰から影へと芋虫のように這う。だが、こそこそと地面を這っていた情けないオークは、すぐに頭蓋骨を割られることとなった。フランキスカを肉塊から引き抜いた老騎士が、まだ血の滴るうちから、惨めな敗残兵に向かって斧を振り下ろしたからだった。

――決して優美ではない、シンプルで、少ない手数の戦場仕込の戦い方は、この未知の怪物相手でも有効に働いた。なまじ人型であるがゆえ、狼男などの化け物よりも、彼女にとって慣れ親しんだ相手だった。

「ハァ……まったく最高だ。」

 老騎士はため息をつきながら、無残な姿となった村娘を伺う。少女騎士はクロークで剣を拭うと、鞘に納め、凍りついたように動かない村娘の傍へと寄った。

「もう安全です。もう悪魔は去りました。」

 少女騎士はそう呼びかけながら、村娘を頭から抱き、一瞥して重傷を負ってはいないことを確認すると、小屋内にあった麻布を肩からかけてやり、頭をなでた。

 ところが、なにやら床下から物音がする。老騎士は、無言で床下へ続くであろう扉を斧で指し示す。半分、熊の毛皮で隠れて見えないが、明らかに床下へと続くはしごがあるはずだ。いままで毛皮の下にあって発見できなかったものが、先ほどの戦闘で露呈したものだと、ふたりは合点した。

 自失したままの村娘を寝かせ、短剣を引き抜きながら、静かに床下扉の取っ手に手をかける。

 老騎士は盾を構えながら、床下扉の正面へ。少女騎士は扉後方へまわり、いつでも取っ手を引く用意をしている。すると、何者かが床下から上がってくる気配を音から感じ取った。僅かに、床下扉が動く。扉が内側から開かれそうになったとき、ふたりは目配せをし、お互いに肯いたと同時に、勢いよく開ける。

 何者が出てくるかわからないが、何が出てきたとしても、その者の視界には白地に赤で十字を描かれたカイトシールドしか映らない。映ったところで、後ろから首根っこをつかまれる。つかまれたと自覚する前に、短剣が首筋へとあてがわれ、鋼の冷たさを感じたのだった。

「ま、待て! 待ってくれ!」

 顔を出したのは怪物ではなかった。

「ほう、言葉を話す怪物とは珍しい。ラテン語とドイツ語とアルカディア語を混ぜたような言語だな。訛りがひどい。『待て』と言ったか。」

「おじさま、目が悪くなったようですね。一部始終を知っているかもしれない。お話を聞きましょう。」

 這い出てきたのは怯えきった栄養失調気味の農民であった。その農民のあとに、ぞろぞろと、男や女、子どもが合わせて14人ほど屠殺を待つ子牛のように姿をあらわした。その中にいた農婦たちは、水に上がった魚のように震えている憐れな村娘へ駆け寄り、しきりに許しの言葉を求めている。

 這い出てきた農民達は沈みかけた船のねずみのように怯えきっており、まともに話を聞ける状態ではなかった。そのうちのひとり、木こりのイサクは冷静さを回復してきていたので、まだ新鮮な空気のする外へ出、彼に何があったかを話すよう促した。彼ははじめ、しどろもどろにぶつぶつ喋り始め、他の村人達の顔を伺っていた。顔を伺われた村人達は、一様に目線をあわせようとしなかったため、イサクはあきらめたように、ようやく口を開き始めた。

 どもりながら話す上、訛りのきつい言語に辟易としながら聞くと、どうやら月の高い深夜にオークどもが村を襲撃したらしい。その夜、木こりの彼は寝付けず、夜風に当たりに外へ出た。しばらく後に、尋常ではない叫び声がこだました。そして村の端から火の手が上がり、その火の影にオークの集団を見たとき、彼は飛び上がり、近くの家の者たちに声をかけ、この小屋の床下に逃げ込んだ。狭い床下。元々ただの小物置であり、そこに14人も詰め込んだので、もはや圧死寸前であったという。遠くから悲鳴や叫び声が聞こえる中、必死に皆声を押し殺して耐えた。子供が泣き出しそうになるのを、母親が窒息寸前まで押さえつけた。そうこうしているうちに、まだ幼さを残す村娘がひとり、小屋に逃げ込んできたのがわかった。声をかけ、床下に入れようと考えたが、もはや兎一匹入る余地はない。罪悪感にさいなまれたが、他の皆も同じ考えのようで、だれひとり動いたり、声をかけようとするものは居なかった。

 ……殺戮と略奪の音もしだいに小さくなってゆき、だんだんと静まり返ってきた。それと同時に、扉や床板の隙間から、わずかながら光が差し始め、日の出が近づきつつあり、怪物どもも引き上げようとしている気配がした。僅かな隙間から見える村娘も、うずくまっていたが、少しばかり安堵の色が見えた。

――助かった。押し殺していた息を吐いて、気を抜いたその時、あの醜悪なる化け物たちがこの小屋に押し入ってきて、隠れていた村娘は発見されてしまったのだった。村娘は悲鳴を上げることすらできなかった。怪物たちは、村娘に飛びかかり、押さえつけ、抵抗しようと暴れる村娘を殴りつける。怪物たちが暴れたおかげで、つるしてあった熊の毛皮が床に落ち、床下への入り口を覆い隠す。床下の物置は暗黒の世界へとつつまれ、音だけが外とのつながりとなった。床下で息を潜めていた農民たちは、村娘が蹂躙されるのをじっと息を潜めて、耳をふさいで意識の外へ追いやろうとした。しかし罪の意識は襲いかかる。だがそれとともに、身代わりを得た安堵感。我らを生かすことに決めてくださった神への感謝。ふたつの感情の中で、農民達は祈るしかなかった。ようやく悲鳴を出すことのできた村娘の悲痛な叫びを、必死に祈りの言葉でかき消そうとした。地獄であった。しかし、地獄のような時間が続くと思われたそのとき、『神の御心のままに!』という女の子の叫び声ととに、剣戟の音が響き始めたという……

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