表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒菊  作者: 達磨部隊
第一章
6/6

第5話 囚われた少女

薬品を追って向かった先に女子高生が囚われていました。

「任務の目的は昨日達した通りだ」

「内容は?」

「内容についてだが、諜報員からの話だとクロロホルムの都内のビルに送られ、何かしらに使用されている。その使用目的と使用者を調べてくれ。目的地までは車で向かってもらう。何があるかわからん気を引き締めろよ」

「編成規模は?」

「編成する人数は指定はしない好きにしろ」

「了解」


任務内容を達せられると隊長室を出て事務所に戻り自分の席に着く。

予め用意されていたビルの階数と構造を見て動きを決めることにした。

これは人借りた方が良いな。


『お疲れ様です。先任衛曹長、濱です』

「あ、濱曹長お疲れさんです。曽根です」

『何か御用ですか、曽根1尉』

「小倉と屋良っています?」

『居ますが?』

「ちょっとこれからの任務でその二人借りたいんっすけど空いてます?」

『少々、お待ち下さい』

「了解です」


電話が少し沈黙した後。


『小倉と屋良、異常無く動けます。装備は如何様に?』

「通常装備プラスにガスマスク携行、集合は今日の16時頃で頼みます」

『了解です』


電話を終えると、車両幹部から21式装甲型偵察車の鍵を受け取り、モータープールで車両を掌握して、事務所に戻った。

すると長田3佐が装備を整えている。


「長田3佐。これから任務ですか」

「おう、曽根。どうやら港でサクラ共が襲撃を喰らったようでな。救援の任務だ。」

「そうですか。しかし、長田3佐には少し楽な任務ですな」


少しだけ皮肉を込めて言ってみた。


「サクラ共が苦戦するやつだ。儂ら部隊なら楽な仕事よ!」

「そうですか」


皮肉を言ったのに気付かないのかこの人。

脳筋だから仕方がないか。


「お前も任務か?」

「内容は言えませんが任務です」

「特殊任務か。まぁ、良い。気張って来いよ」

「長田3佐も頑張って下さい」

「それじゃあ、行ってくるわ」


長田3佐は意気揚々と出て行った。

長田3佐の使う武器は機関銃M249だ。骨董品と呼ばれ武器だが火力では申し分無い銃だ。


「儂も準備するか」


長田3佐の背中を見ながら大型の中華包丁を背中に背負った。


「八代、任務行くから業務頼むわ」

「承知しました。お気を付けて」

「はいよ」


本当に八代には不在感は助かっている。彼がいなければ幹部は回っていないのに等しい位の男だ。

時刻は15時半。既に人員は集まっていた。


「小倉、屋良。異常無いな?」

「車両共に異常ありません」


小柄な、屋良2曹が敬礼しながら答える。


「小倉、補給物資の方は?」

「レーション等、異常無く受領しました」


補給物資諸々等の異常を確認し、車両に乗り込んで目的地へと向かった。



目的地が見える所に着き、その建物を見た瞬間眉をひそめざるを得なかった。


「屋良。目的地を待てどう思う?」

「ビル・・・・・・とは言い難い?」


それに小倉も賛同の頷きを見せる。

自分の目が狂ってる訳ではなくて安心した。

これは調べてみる他ないな。


「小倉、屋良出るぞ。これからはコードネームを使う。俺はスラッシャー、小倉はクワイエット、屋良はサンダー。歩哨か、警備は見つけ次第排除して行け。もしかすればだが、何か怪しい奴がいるかもしれん情報を持ってそうな奴は捕らえろ。屋良は裏からの潜入経路を見つけろ。小倉は俺と正面、侵入したら別れる」

「「了解」」


小倉、屋良はバラクラバをしてそれぞれの配置に向かった。

屋良が消えた後自分も正面が見える所まで向かった。


「警備兵が2名か。クワイエットは手前の奴殺れ。奥は儂がやるタイミングは任せる」


小倉は黙って頷いた。

小倉はモードに入ると確実、鮮やかに動く。

今回は何があるか分からない為に対処に優れた隊員を連れて来た。

既に夜になっているので気づかれる心配が無い。素早く奥の警備兵の背後に近づいた。

その丁度いいタイミングで小倉が警備をナイフで排除していた。

それを見て呆気に取られているもう一人の首を凪った。


「よし、正面クリアだな。お、サンダーから電話だ。クワイエット警戒頼むぞ。こちらスラッシャー」

『こちらサンダー。裏からの潜入可能これより侵入開始します』

「了解、何かあれば儂の端末に送れ」

『了解、アウト』


屋良も侵入開始したな。

小倉に手信号で侵入を促した。小倉は頷き、建物内に侵入した。

自分も入るかな。

クリアリングをしながらビルに入った。

見た所普通のオフィス見たいだが、何が眠ってんのかねぇ。特段怪しいといえば階数が3階しかない事か。

もしや・・・・・・いや、有り得ない。が、探してみる価値はあるな。

一階を組まなく探していると建物案内図を見つけた。ここには3階の間取りしか記されていない。

ある訳が無いか・・・・・・。

しかし、それを覆す事がもたらされる。

屋良から電話か。


「どうした」

『2階のオフィスで残業中のものを発見捕らえて尋問した所、この会社の幹部が一階の階段の奥の扉に消えるのを数回見たと言っていました』


この時自分の中で消えかけていた事が再び沸き起こった。


「分かった。恐らく地上には何も無いな」

『地下があると言うことですか?』

「そう言うことだ。1階に集合だ、恐らくクワイエットが、2階に居るはずだ。合流してくれ」

『了解』


電話を終えると間取りを眺めた。

そして、小倉と屋良が合流した。


「地下への扉ってどこ何ですか?」

「恐らくあそこだろう」


自分は非常口の光る階段を指刺す。


2人を連れ、階段へと向かった。

辺りを調べると扉を発見した。


「よし、サンダー先行、クワイエットが後方警戒」

「了解」


小倉は頷いた。

扉を開けると、下へと向かう階段が現れた。


「暗いな。だが、照らし続けるなよ、バレる可能性がある」


屋良が前方でライトで照らしながら下へと進んでいく。

地下3階まで降りた所で階段は終わっていた。

エリアに入ると上のオフィスとは相違ない所に出た。


「地下にもオフィスか・・・・・・ここの奴は何してんだ?」

「分かり兼ねますね。クロロホルムと何か関係が有るのでしょうか?」

「分からん、とりあえず各部屋回って情報収集する。散開」

「了解」


2人は近くの部屋から探索を開始して行った。

自分は他のエリアを見る為に上の階へ上がり、地下二階。そのエリアは監獄のような倉庫が複数あった。

何だ?

それぞれの扉に何か書かれてある。

入口の方から「18」、「19」、「20」

「21」、「22〜」と書かれてある。

更に扉には大きな南京錠で鍵がかかっている。

なんの倉庫だここはやけに重苦しい。

様子を探ろうとした時、奥の方から足音が聞こえた。

見張りがいるのか、さてさてこの倉庫何を隠している。

見張りが通り過ぎた瞬間背後から斬り付けた。

見張りを調べてみると無数の鍵を持っていたので回収した。

地下二階をくまなく探索し、他に何も無いことを確認すると回収した鍵で「18」の倉庫を開けた。

倉庫の中身を見た瞬間時が止まった。

なんとそこにいたのは女子高生であろう少女だった。

足と手は手錠で繋がれており、首枷を付けられている状態。服は擦り切れてボロボロで傷も所々見られる。顔は黒い袋で隠されていた。

顔を覆っている袋を取ると、寝ていた。


「おい、起きろ」


少女に呼び掛けながら、額を軽く叩く。

しばらく額を叩いていると、ゆっくりと目を開けた。

途端、少女は怯え出した。


「いや・・・・・・!やめて・・・・・・!」

「お、おい。どうしたんだ?」

「やめて・・・・・・!触らないで・・・・・・!」

「落ち着け、儂は悪いもんじゃない」


説得力の無い顔で言われても仕方ないか。

自虐に納得して、とりあえず落ち着かせる為に何か考えた。

あれ見せるか、少し酷かも知れないが。

自分は倉庫を出て警備兵の死体を担ぐと再び倉庫に戻った。彼女の目の前に死体を放り投げた。


「見張りはこいつだけか」


少女は見張りの死体と自分を交互に見始めた。


「これはあなたがやったの・・・・・・?」


まだ怯えているな。


「ああ、そうだ。俺は悪いもんじゃない」

「うん・・・・・・」

「ここから出すから、安心しろ」

「うん・・・・・・!」


少女は泣きながら頷いた。

手足の手錠、首枷を外すし自分の来ている長丈の戦闘服を着せた。

任務がまだ残っているのでとりあえず下の階にいる2人に合流する事にした。


「どこ行っちゃうの・・・・・・?」


ここに取り残される恐怖からか涙目で俺を見つめる。


「大丈夫だ。少しやる事があるんでね」


そう言って少女の頭を撫でた。

少女は力なく頷いた。

さて小倉と屋良に合流するか。情報も手に入れているはず。

自分は下へ続く階段を降りていった。

女子高生の安全を確保して、曽根は任務に戻りました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ