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黒菊  作者: 達磨部隊
第一章
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第3話 事務仕事

今回は事務所仕事のみです。

「お疲れ、お疲れ〜」


こいつ・・・・・・。


「お疲れじゃないっすよ古久保2佐。大変だったんすからね。しかもあのミッション絶対特殊任務だったんでしょ」

「そうでもしなきゃ、お前やらなかったろ」

「まだ言われた方が良かったっすよ。」

「とにかく御苦労。後処理をしてから休め」

「了解」


隊長室を出て、事務所に戻った。


「あっ、曽根1尉。お疲れ様です報告書の紙来てますよ」

「ありがとう、下入ちゃん」


書類を受け取り、自分の席に座った。


「曽根、今だにそんな刃物使ってんのか!」


この五月蝿い声は・・・・・・。


「お疲れ様です、長田3佐。演習は相変わらずの結果で?」

「当たり前だ。外人部隊など動かぬ的同然だわ」


菊部隊の副隊長の長田3等衛佐はロリ3佐に引けを取らない位の戦闘狂で結構な兵育成に携わっており、この菊部隊を支える柱の一つ言っても過言では無い。

だが、この人のおかげで演習の時は殆ど人手を取られる為に任務に滞りが出てくる。

正直今は繁忙で任務が結構入ってくるのでやめて欲しい。


「そうですか。それよりも長田3佐。部隊の編成で平賀曹長から調整きてますよ」

「平賀が?分かった」


あまり、自分の戦闘スタイルを気に入っていないのかたまにいじりに来るの辞めて欲しい。仕事に支障をきたす。

今度ロリ3佐に直談判するか、無駄だろうが。

さて、書類でも片付けるか。


「曽根1尉、印鑑下さい」

「お?イズミんどっか行くの」


外出簿に印鑑を押しながら先任衛士長の和泉智に聞く。


「いえ、奈原3曹が出るんで」

「あ、そうなの。良いんだけどさ、外出申請の印鑑は本人が来ないと駄目って言っといて」

「承知です」

「あと、陸曹の先任に作戦室で先任会議するから集まるよう言っといて貰っていい?」

「げっ・・・・・・!俺もですか」

「げっとか言わない。当たり前だ」

「はい・・・・・・」


露骨に嫌がられたな。月3の先任会議減らすか、要相談だな。

報告書や書類をまとめ、古久保2佐の所へと向かった。


「曽根入ります。報告書提出と情報取り込んだUSBメモリ」

「おう、曽根か御苦労。寄越せUSBについてはここじゃなく情報部隊に渡せ」

「寄越せって口悪いっすよ」

「五月蝿い、早く寄越せ。まったく、書類と任務だけは立派な癖に」

「それ程でもねえっす」

「褒めてるとでも?」

「ですよね」


毒突く上司に書類を提出した。


「それにしてもあの漁港は結局なんだったんすか。殺し屋を雇ってまで守ろうとする違法薬物の輸送船。更にはサクラ部隊が出る位の」

「さぁな。それに関しては博也を通じて調べてもらっている」

「何か分かったら報告下さいよ。それと、博也さんに特殊能力の事も調べてもらって良いですか」

「私の夫を良いように使いおって」

「良いじゃないですか、減るもんじゃないし」

「減ってたまるか、馬鹿者」

「はいはい、すいませんでしたよ。怒んないで下さい」


古久保夫婦は菊部隊で知る人ぞ知る円満夫婦で有名だ。


「それと作戦室で先任会議開くんでよろしくです」

「分かった。調整しておく」

「あと・・・・・・」

「長田の事か?」

「あの人の演習を月1で入れるのどうにかしてくださいよ。人手持ってかれんの困るんすよ」

「人材育成はあいつに丸投げしてるからな。それは本人に直談判するが筋だろ」

「そうですね」


うん、案の定無駄だった。


「要件終わったんで戻ります」

「御苦労さん」


隊長室を出て取り調べ室を通り過ぎたら愛華は口を割ったのか気になり入った。

すると丁度、愛華の取り調べの途中でしかも座っている椅子を蹴り飛ばす瞬間を目の当たりにした。

あの馬鹿。

呆れながら取り調べ室に入った。


「おい、馬鹿」


その声に驚いた性悪な男がこちらに振り向く。


「曽根1尉じゃないっすか」

「茅元てめぇ、取り調べ中にそういう事すんなって何度も言ってるよなぁ、おい。懲戒免職させるぞ」

「何甘いってんすか。こいつあなたを殺そうとしたんすよ。それに中々口割らないんで多少痛めないと喋りませんよ」


愛華を見ると茅元を睨んでいる。

うちの部隊にろくな尋問官いねえな。


「とりあえず他のやつ呼べ」

「ちぇっ、これからだったのに・・・・・・」


茅元残念そうに取り調べ室を出ていった。

愛華を助け起こした


「大丈夫か?」

「・・・・・・平気」


無愛想に答えながら椅子に座り直した。

別の尋問官が来ると手荒な事をしない事を念押しして、取り調べ室を出た。



取り調べ室から作戦室に行く前に情報部隊に寄った。


「お疲れさんです、冠城1尉。今回ミッションで入手した情報のUSB持ってきました」

「お疲れ様です曽根1尉。USBお預かりしますね」


情報課は作戦地域の偵察等、情報収集を主とした部隊。

先任の女性隊員、冠城弘美。謙虚過ぎて積極的になれと情報隊長によく言われているようだ。


「すいません、曽根1尉。情報が獣のパソコン内の情報と牙の船内の写真だけですが、ほかの情報は・・・・・・」

「あ、ちょっと諸事情で石油タンカーの情報のみになりまして。詳しくはうちの部隊から報告書上がると思うんで」

「あ、分かりました」


凄い申し訳無さそう。おかげで俺まで申し訳無くなってくる。


「では、失礼します」

「ありがとうございます」


情報部隊を後にして、直接作戦室に向かった。

作戦室では先任衛曹と先任衛士が席についていた。


「待たせた。それでは先任会議始める」


自分も席に着いて書類を広げる。


「まずは、営内の事だな。最近衛士の営内と衛曹の営内見たが、あまり使用状況が芳しく無いな」


他愛の無い事から会議が始まり、まとまった話やまた別の機会で話すべき事をまとめ会議が終わった。

ついでに先任会議を月1で行う事も決まった。

会議を終えると事務所に戻り席に着いた。


「早く先任幹部下番したいんだが・・・・・・」


そう言って先任机のすぐ近くでパソコンに食らいついている人物を凝視する。

その人物は凝視されているのに気づいた様子で手を止めた。


「先任が結婚したら良いですよ」

「うぐっ・・・・・・!痛い所を突くねえ、八代」


隊付きの八代2尉。切れ者されているが反応がやたら冷たいが彼も優しく返そうと必死に努力はしているらしい。

自分が任務で不在間は八代に回してもらっている。


「で、いつになったら結婚して営内から出ていくんですか。幹部で営内に居るの貴方だけですよ」

「時既に遅し」

「端的に言い訳しないでください。見苦しいですよ」

「勘弁してくれ。この髭達磨貰ってくれる人なんていねえよ」


何としてでも結婚させようってかこいつら。


「それはさておいてよ。今日人数少なくない?」

「殆どの方は長田3佐の演習で駆り出された方達なので休みを取らせました」

「ああ、なるほど了解」

「そう言えば先任も特殊任務明けでしたよね、休まれてはいかがですか?」

「いや、儂良いわ。仕事残ってるし」

「大丈夫です。曽根1尉要領良いので多少溜まっても平気でしょうし。それに古久保2佐からも休めと言われませんでしたか?」


あ、完全に忘れてた。


「分かった。八代後頼むわ」

「了解です。お疲れ様でした」


急遽自分は休む事になった。

次回はわずかな休息です。

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