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特殊精鋭部隊リーダーの高校生VRMMOで最強に  作者: 暁 龍弥
2章

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影の配下

鏡宮の試練を終えた後、

クオリアは光の回廊を進んだ。


黄金の輝きは暖かく優しいのに、

その先に待つものが恐ろしくて仕方ない。


影の王へと至る道。

だが、その前に必ず “門番” がいる。


影の王は直接は来ない。

まず心を揺らす存在を送り込む。


光の回廊の終端に、巨大な扉があった。


開けた瞬間、世界は一変した。


――黒い荒野。

空は灰色。

地面には砕けた鏡の破片が散らばっている。


その中心に、“ただひとり”がいた。


ローブでも鎧でもなくただの影の衣。

だが立ち姿は揺るぎなく、

まるで王に跪く忠臣のような風格を持っている。


影が低く言う。


「配下と呼ばれることに名誉はない。

私はただ、影の王の“最初の信徒”。

王が歩む道を、誰よりも早く望んだ者」


クオリアは言葉を返す。


「影の王のために人を喰うのが、お前の誇りなのか?」


影の忠臣は静かに首を振った。


「誤解だ。

喰いたいのではなく――

“救いたかった” のだ」


胸を刺す言葉。


忠臣は続ける。


「影の王の誕生を、私は見ていた。

苦しみ、失い、選ばれず、報われず、

それでも消えられず――歪んでしまった心の果てを」


影の王は悪ではなかった。

誰よりも傷つき、誰よりも救われなかった存在。


だから忠臣は影となり、

その“救われなかった心”を抱きしめるために仕えた。


「影の王は世界を壊したいのではない。

ただ、“傷ついた者を一人にしておきたい”

誰にも奪わせないように」


愛の形が歪んだ結末。

それは救いでもあり、同時に破壊でもある。


忠臣が剣を抜く。


「私は、王を守りたい。

君は、誰を守る?」


この戦いは“誰のために戦うか”を問う闘い。


 


クオリアは深呼吸し、戦闘姿勢を取る。


「俺は三人を守りたい。

だけじゃない。

あの世界で出会った人たちも、

現実の友達も、

旅人も、

カルシウムも――

全部守りたい」


忠臣の目が揺れた。


「欲張りだな」


クオリアは迷わず言う。


「そうだ。

欲張る。

全部守りたい」


その瞬間――忠臣が動いた。


影の剣が振り下ろされ、

地面の鏡の破片が黒い波のように舞い上がる。


爆風、衝撃、耳鳴り。


クオリアは攻撃を受け止め、

反撃を放つ。


拳を突き刺すたび、

鏡の破片が光に変わって霧散していく。


戦闘は速く、重く、静かだ。


斬撃の音も風切り音もない。

ただ影と光がぶつかる。


忠臣の攻撃は“抑制されていない優しさ”だった。


守り、包み、抱え込むことで壊す。


だからこそ強い。


 


戦いの中、忠臣の声が心に響く。


「誰も傷つかない未来など存在しない。

それでも守ると言うなら、

君もいずれ影になる」


だから諦めろと言わない。

だからこそ揺らせ。


影の忠臣は、迷いを突いてくる。


クオリアは拳を握りしめ、叫ぶ。


「傷つくのが怖いから諦めるくらいなら、

傷ついてでも守りたい!」


忠臣の瞳がはっきり揺れた。


――その感情を、かつて影の王は持っていた。


だからこそ反応し、心が震えた。


隙を見逃さず、クオリアが拳を放つ。


影の忠臣は押し飛ばされ、片膝をつく。


それでも剣を手放さず、笑う。


「……ああ。

君は王と同じだ。

でも違う。

“折れずに選んだ”」


影の忠臣は穏やかに剣を地面に置く。


「進め。

君の願いが王を殺すのか、

王を救うのか――

それは私ではなく、君が決める」


忠臣の身体が光の粒となって散っていく。


消える寸前、

最後の言葉だけが残った。


「王は“奪う敵”ではない。

“救われなかった味方”だ」


 


影の忠臣は完全に消え、

影の王の城への道が開いた。


クオリアは拳を握りしめる。


戦い方は決まった。


“影を倒すために戦う”のではない。


“影をひとりにしないために戦う”。


その決意こそが、影の王の弱点。


新しい作品も書いてるのでぜひ見てください!!

愛を求めてどこまでも〜男はどこまでも行く。あの言葉を胸に

https://ncode.syosetu.com/n3642ll/

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