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特殊精鋭部隊リーダーの高校生VRMMOで最強に  作者: 暁 龍弥
2章

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33/82

あたたかさ

翌日。

クオリアは買い出しメモを眺めながら、玄関で靴を履いていた。


冷蔵庫はほぼ空。

昨日シチューが“味見の名目で三人に3回ずつ食べられた”結果、

今日の食材はほぼゼロ。


外へ買い物に行くのは久しぶりではないが、

なんとなく気が重い。


理由は一つしかない。


――絶対につけてくる。


案の定、玄関の背後から声が重なる。


「兄者、妾も行くのじゃ」

「兄さん、荷物持ち担当として参加する」

「先輩♡ もちろん私も行きます♡ 外デートですね♡」


息ぴったりすぎる。


クオリアは冷静に返す。


「三人とも来る気なんだよな?」


三人は揃って頷いた。


「必要とされたいのじゃ」

「必要でいたい」

「必要としてください♡」


この“必要”という言葉が、

昨日の新大陸のルールと結びついて胸を刺す。


(……必要だ。ちゃんと)


心の中で答え、玄関を開けた。


 



ショッピングモールへ到着。


休日ということもあり、人が多い。

騒がしい、明るい、平和そのものの日常。


だがクオリアの後ろは、平和ではない。


銀髪の少女は腕にしがみつき、

黒衣の女は密着して歩き、

ストーカーは背中に貼りつきながら甘い声を落とす。


まるで三方向同時に独占権を主張している隊列。


通行人の視線が痛い。

すれ違いの学生に聞こえる。


「見た?あの人、彼女3人連れてない?」

「いや彼女じゃなくて、護衛かもしれん……(震え声)」

「むしろ宗教団体じゃね?」

「わからん……でも怖い……」


間違ってはいない。


 


スーパーへ入り、クオリアはカゴを手に取る。


工夫した。

・片腕は銀髪少女が掴んでいる

・もう片腕は黒衣の女が離さない

・背中にはストーカーがぴったりつく


よって、カゴは“足で支えて運ぶ”形になった。


買い物とは。


 


肉と野菜を入れようとすると、

三人の“購入攻防戦”が始まる。


銀髪の少女:

「肉多めなのじゃ!兄者は肉が好きなのじゃ!」


黒衣の女:

「バランス重視。魚と野菜中心」


ストーカー:

「先輩のために“甘い物だけ”で良くないですか?♡」


偏り方が極端。


クオリアは小さく溜息をついたあと、

肉・野菜・魚・デザートをバランスよくカゴに入れた。


三人が一瞬黙り、

次の瞬間、同時に嬉しそうにした。


(……あぁ、本当に俺は“必要”だな)


そう思えた瞬間だけ、胸のざわつきが消える。


 



支払いを終えて袋を持つ。

当然、誰も離れない。


その状態でモール内を歩いていると、

子どもたちがひそひそと話すのが聞こえた。


「なぁ、あれゲームのパーティみたいじゃない?」

「タンク・ヒーラー・アタッカーみたいな配置だ」

「真ん中の人、ラスボス感ある」

「てか後ろの人、ラスボスの嫁感ある」

「手前の銀髪の子も嫁感ある」

「横の黒い人も嫁感ある」

「嫁3人……???」


子どもたちの観察力、恐ろしい。


 


外へ出ると、夕日が差し込んでいた。


スーパーの袋を持ったまま、

三人に囲まれるように歩く。


銀髪の少女は腕を絡め、

黒衣の女は荷物を奪おうとし、

ストーカーは背中にぴったり張り付く。


日常のはずなのに、

戦場のような集中力を使わされる。


それでも――不思議と悪くない。


 


帰り道。

ふと、背筋に冷たい感覚が走った。


影がいない現実なのに、

“必要性”の価値観が追いかけてきているような感覚。


必要とされること。

必要とすること。


それが無くなった瞬間――

影が来るような錯覚。


 


銀髪の少女が優しい声で言う。


「兄者、大丈夫なのじゃ?顔が硬いのじゃ」


黒衣の女も気づく。


「無理して笑わなくていい。私は見てる」


ストーカーは寄り添いながら囁く。


「先輩……“大丈夫って言わなくても”大丈夫ですからね?」


その言葉が、

アルターラの冷たい恐怖よりずっと温かかった。


「……あぁ、大丈夫だ」


本音で、そう言えた。


その瞬間――

背後の“冷たさ”が一瞬だけ消えた気がした。


新しい作品も書いてるのでぜひ見てください!!

愛を求めてどこまでも〜男はどこまでも行く。あの言葉を胸に

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