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特殊精鋭部隊リーダーの高校生VRMMOで最強に  作者: 暁 龍弥
2章

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28/82

荒野

光に飲まれた視界が、ゆっくりと色を取り戻し始める。


最初に感じたのは――音 だった。


海でも風でも波でもない。

金属が遠くで軋むような、低く重い反響。


次に 匂い。

血でも花でも土でもない。

“錆びた鎖” に似た、乾いた鉄の匂い。


 


視界が完全に開く。


そこは、誰も見たことのない地だった。


地平線まで続く荒野。

大地はひび割れ、赤茶けた岩がむき出しになっている。

草木は一本もない。


だが、遠くの空の境界に

巨大な “鉄の森” のような構造物群が見えた。


木ではなく、刃のような鉄柱が無数に突き立っている。

風が触れるたびに、低い金属音を響かせていた。


 


大地に足をついた瞬間、

システム音が淡く響く。


《アルターラに降り立ちました》


《データ同期中――》


《警告:この大陸は “ゲーム外要素” を含みます》


《自己責任で行動してください》


意味が分からない。

ゲーム外要素とは何か。

それ以上の説明はなかった。


 


周囲を見渡すと、転移直後の場所には

古びた石碑が一つだけ立っていた。


そこに刻まれた文字は、

システムフォントとは違う、

まるで “生きている何か” が描いた文字のようだった。


内容は読めない。

だが、不思議と “何かを受け入れてはいけない” と心が告げる。


 


風が吹いた。

だが肌が感じる風ではない。


“体温が削られるような感覚” だけが残る。


銀髪の少女が、袖を強く握った。


「……変なのじゃ。息はできるのに、空気が入ってこない感じなのじゃ」


黒衣の女が周囲を観察して言う。


「音も匂いも、粒子が違う。

この大陸は、私たちが知っている物理じゃない」


ストーカーは微笑んだまま、足元の土を蹴った。


「先輩♡

この場所、“死なないようにできてる世界” じゃなくて

“死ぬのが当たり前の世界” ですよ♡

好きです♡ こういうの♡」


冗談ではなく、直感のように聞こえる。


 


その時だった。


遠くの鉄の森の方向から――音 が走った。


地鳴りでも雷鳴でも咆哮でもない。


“何か巨大なものが、地面をゆっくり引きずっている音”。


ゴォォォ……ズル……ガガガガ……


耳が痛いほどの低周波。


それが、こちらへゆっくり確実に近づいている。


 


黒衣の女が低い声で告げる。


「ただの敵ではない。

アルターラは今までの “大陸” と違う。

生き物が、戦争ではなく “捕食” を目的としてる」


銀髪の少女が小さく震える。

だが逃げようとはしない。


ストーカーは頬を紅潮させながら息を吐く。


「来ますよ♡

楽しみですね♡

これ、絶対に“ボスじゃないのに死ぬやつ”♡」


 


地面の振動が強くなった。


砂埃の向こうで、何か巨大な影がゆっくりと形を成す。


牙でも剣でも翼でもない。


“形容できない形” が姿を現そうとしていた。


 


クオリアは拳を握る。


今はまだ、挑発しない。

情報も、敵の性質も、何もわかっていない。


ただ一歩だけ前に出て、

静かに構える。


「来い。

ここからが――新大陸の始まりだ」


 


風が止まり、

空気が震え、

影が完全に姿を現そうとする。


アルターラに降り立った者に

“生き残る資格” があるのかを測るように。


 

新しい作品も書いてるのでぜひ見てください!!

愛を求めてどこまでも〜男はどこまでも行く。あの言葉を胸に

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