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特殊精鋭部隊リーダーの高校生VRMMOで最強に  作者: 暁 龍弥
第1章

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20/82

続々・現実にて

夕食後、皿洗いと後片付けを終えたクオリアは、

ベッドへ倒れ込むように横になった。


戦争より、夕食の席取り戦争のほうが精神にくる。


「今日は、ぐっすり寝たい。

 誰にも邪魔されずに」


心の奥に本気の願いが滲んだ。


照明を落とし、布団を整え、

ようやく眠りに落ちようとした――その瞬間。


 


コンッ


静かにドアがノックされた。


 


クオリアは無視した。

寝たふりをしよう。

この家では、それが最強の防御かもしれない。


 


ドアがゆっくり開いた。


「寝たのじゃ?」


低く甘えた声。銀髪の少女が顔を覗かせる。


「にぃにの隣は妾なのじゃ。今日こそ譲らないのじゃ」


勝手に布団に潜り込んできた。

腕に絡みつき、体温が近い。


「寝るのじゃ。妾はここが落ち着くのじゃ」


 


……暖かい。

かわいい。

だが問題はここで終わらない。


 


案の定、次の足音。


部屋のドアが勢いよく開いた。


 


「兄さん、体温管理のため私が一緒に寝るべき。

家事もやってるし、バランス的にも私」


黒衣の女が真剣な顔で布団の端を持ち上げる。

当然のように潜り込んできた。


「睡眠は大事。隣は私が担当する」


 


狭い。近い。落ち着かない。

だがこれでも終わらない。


 


部屋の照明がパッ――と付き、

扉がゆっくり開かれた。


 


「先輩♡ 寝る時間ですよね♡

もちろん隣は私ですよね♡

睡眠時の先輩の呼吸リズムを感じていたいです♡」


ストーカーが長い髪をかきあげながらベッドに乗る。

迷いなく、当然の表情。


 


ベッドの上、定員1のはずのスペースに4人。

人間 Tetris の現実版。


当然、衝突する。


 


「そこどくのじゃ。兄者の腕は妾の枕なのじゃ」


「体温分布の問題で私は奥側にいるべき」


「先輩の真横は私です♡ 呼吸に合わせて抱きしめたい♡」


 


口調は静かでも、瞳は真剣そのもの。

引いた者が負け――ではない。

ここは、押した者が勝ち。


 


布団の中が修羅場と化す前に、

クオリアは布団から抜け出した。


 


無言でドアへ向かう。


 


三人が同時に反応。


「どこ行くのじゃ」


「逃がさない」


「先輩♡ 逃げても追いますよ?♡」


 


クオリアは振り返り、静かに宣言した。


「風呂で寝る」


 


想定外の回答に三人が固まる。


クオリアはすぐ脱衣所に逃げ込み、

浴槽にタオルを敷き、寝転がった。


硬い。狭い。痛い。

しかし――静か。


「ここなら…誰も来ないだろ」


照明を落とし、目を閉じる。


 


――静寂。


――安らぎ。


――ようやく眠れる――


 


その瞬間、脱衣所の扉がわずかに開いた。


 


「妾、風呂で寝るの結構好きなのじゃ」


銀髪の少女が入ってきた。

タオルを手にニコニコしている。


クオリアが声を出す前に、

もうひとり入ってくる。


 


「兄さんと同じ場所で寝ることに意味がある」


黒衣の女。

バスタオル姿で当然のように浴槽へ向かってくる。


 


――もうダメだ。


と思った瞬間。


 


扉が勢いよく開く。


 


「先輩♡ ここにいるって分かりました♡

見つけました♡ 逃がしませんよ♡♡♡」


ストーカーが乱入。

ハートを飛ばす勢いで浴槽へ近づいてくる。


 


浴槽の縁、脱衣所のタイル、壁。

3人の視線と気迫で空気がバチバチ鳴る。


 


言葉は少ない。


「そこをどけ」


「先に来たのは妾なのじゃ」


「常識的に考えて私」


「私が先輩の隣で寝ます♡」


 


修羅場が沸点に達する前に、

クオリアは勝負に出た。


 


湯気の中から、静かに、疲れた声で言う。


「誰も選ばない。

今日はこのまま一人で寝る。

頼むから……今日は休ませてくれ」


 


沈黙。


ほんの一瞬の間。


 


次の瞬間、3人はそれぞれ

浴槽の縁・洗い場・壁にもたれる形で座った。


距離は取った。

でも部屋からは出ない。

完全追尾の執念。


 


「にぃにの近くにいるのじゃ。距離は妥協するのじゃ」


「睡眠監視してるだけだから問題ない」


「先輩♡ 寝顔を見る権利は消滅しません♡」


 


結局、浴槽で寝る羽目になり――

三人に見守られながら眠りについた。


史上最強ギルドのリーダーの睡眠環境は、

戦場より過酷だった。


新しい作品も書いてるのでぜひ見てください!!

愛を求めてどこまでも〜男はどこまでも行く。あの言葉を胸に

https://ncode.syosetu.com/n3642ll/

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