表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
特殊精鋭部隊リーダーの高校生VRMMOで最強に  作者: 暁 龍弥
第1章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/82

続・現実にて

その日の夕食は、

クオリアが料理し、全員でテーブルを囲んでいた。


カレーのいい匂いが広がり、

盛り付けも整えられ、

家族の団欒……のはずなのに。


空気は濃く、重い。

誰も言葉を発していない。


いや、発すると爆発すると分かっているからこそ沈黙。


 


ようやく、銀髪の少女が口を開いた。


「にぃにの隣は妾なのじゃ。そこ譲るのじゃ」


 


ストーカーは冷たい笑みを浮かべた。


「先輩の隣は、私の特権ですけど?

現実でもゲームでも。

あと呼吸しながら嫉妬しないでください、音がうるさいです♡」


 


黒衣の女がスプーンを置き、低く言った。


「ここは食卓だ。殺気を出すな。

それと“音がうるさい”はお前もだ」


 


そこでようやくクオリアが声を出した。


「誰でもいいだろう、そこは席だ。食事中は喧嘩するな」


 


だが三人同時に反応する。


「「「誰でもよくない!!!!」」」


テーブルがわずかに震えた。

カレーの皿も震えた。

クオリアの胃も震えた。


 


銀髪の少女は続ける。


「에…え?にぃにの隣に座れるのは、妹の妾なのじゃ。

これは絶対なのじゃ。譲る理由がないのじゃ」


 


ストーカーも黙っていない。


「妹とかカテゴリで勝ったと思わないでください♡

先輩を愛して支えられるのは私なんです。

ほら、取り皿も水も全部用意してるんですよ?

献身という面で差が出てます♡」


 


黒衣の女の声は低いまま、怒りがにじんでいた。


「妹もストーカーも一度黙れ。

あたしが隣に座るほうが兄さんの摂取カロリーは安定する。

さらに空調・気温管理も含めて快適だ」


 


クオリアは目を閉じた。


――戦争のほうがマシなんじゃないのか、これ。


 


その時、ストーカーがニッコリ笑って危険な一言を放つ。


「先輩、言ってください♡

“誰の隣がいいか”を♡

選んでくれれば、全部解決です♡」


最悪の提案だった。


 


銀髪の少女の瞳が細くなる。


「にぃにに選ばせるな。逃げ道がなくなるのじゃ」


黒衣の女もテーブルを指で叩いた。


「そんな選択を兄さんにさせると思うか?」


だがストーカーは一歩も引かない。


「いいじゃないですか♡

本心を聞くチャンス♡

先輩だって1番隣に落ち着ける子がいるはずです♡」


 


見事に火に油。


修羅場は頂点に達しつつあった。


 


クオリアは椅子から立ち上がり、

静かに湯飲みを持ってキッチンへ歩き、

電気ケトルに水を入れた。


全員の視線が刺さる。


 


「どこに行くつもり?」


 


クオリアは疲れ切った声で答えた。


「……選ばないという選択肢を選ぶために、

 一旦、逃げてる」


ケトルのスイッチが押される「ピッ」という音が、

なぜか爆弾の起動音に聞こえるほど緊張が走った。


 


銀髪の少女が立ち上がる。


「にぃに、逃げても無駄なのじゃ。

結局、誰かを選ばないと収まらないのじゃ」


ストーカーが笑いながら追撃する。


「でも~“1番落ち着く隣”って絶対あるんですよ♡

今言ってくれても、後で言ってくれても♡

逃げ切れませんよ?♡」


黒衣の女も静かに歩み寄る。


「兄さん。

あたしは“正解”を言えとは言わない。

ただ、いつか決めなければいけない日が来る」


 


クオリアはケトルの蒸気音の中で固まっていた。


時間が止まったように思えるほど静かだった。


 


沈黙のあと、クオリアは言った。


「……今日の隣はランダムで決める。サイコロを振る」


 


3人の声が揃った。


「「「解決してない!!!!」」」


 


修羅場は収まらず、

この日、夕食が終わるまでにクオリアは

テーブルを3回変わり、椅子を2回増やし、

最後は全員の間に座る羽目になった。


結果――


誰も勝っていないのに、

みんな勝った顔をしていた。


そしてクオリアだけ死んだ顔だった。


 


こんな修羅場が日常だなんて、

戦争よりタフすぎる。

新しい作品も書いてるのでぜひ見てください!!

愛を求めてどこまでも〜男はどこまでも行く。あの言葉を胸に

https://ncode.syosetu.com/n3642ll/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ