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プルクラ_スペクルム  作者: 未空
3/4

第二泳_マネハールという男

緑の木々が広がっている、広々とした公園。

仕事終わりの大人や学校帰りの学生など様々な人が集まっている。

公園の中では、皆の楽しそうな声が行き交っている。


ただ一人を除いて。


「えぇ!5日後に決行する!?」


「はい。そう言ったつもりですが?あと、お静かに。」


一人の少女、アンジュは、ただ本屋でぶつかっただけの男と

国を抜け出す計画を立てていた。


「5日後って…まだなにも決まってないでしょう…?」


「それはそうかも知れないけど、国を出るのに、難しい計画もいらないだろ?

 ……それに。あの昔話へのおもいは青年は2日で実行したよ。」


アンジュは深い溜め息をつく。

頭の中で、これまでの事を整理しようとする。

こんなアンジュでも、悪いことは極力しないようにして生きてきたのだ。


ふと、アンジュは一つのことに気づく。


「あれ?私、貴方の名前聞いてませんでしたよね?

 私も、名乗っていない気が……。」


「そう言えばそうでしたね。では先に。

 僕はマネハール。先ほど本屋で述べた通り、昔は宮廷騎士をしていました。

 現在は大通りのお店で普通に働いていますよ。」


「マネハールさん、ですね。私はアンジュと言います。

 大通りのカフェで働いています。

 ……自己紹介もしないまま、国から出るところでしたね。」


アンジュは笑いながらそう言う。


「じゃあ、改めて国を出る計画を立てようか。」


それから二人は話し合いを続けた。

大抵は、マネハールが立てた計画にアンジュが意見を言うだけだが。


2時間程で殆どの計画は決定した。その計画はこうなった。

1,3日後。○月△日、午前2時に決行。

2,国から出る場所は南門。

3,南門兵士をマネハールが強襲。兵士が弱った後、二人で国を出る。

4,その後のことはその場で考える。


「はぁ。たったこれだけ決めるのに2時間半も……。」


「アンジュが僕の計画に反対するからだろ。」


「だって私も兵士を攻撃するとか出来ないし、嫌なんだもん!

 …って、アンジュ?」


アンジュは驚き、少し照れながらそう言う。


「アンジュだろう。名前、間違ってたかい?」


「いや、合ってるけど…。呼び捨て…。」


「あぁ。嫌だった?ついでに敬語も止めてるけど。」


「いや、全然大丈夫ですよ。男性に呼び捨てされたこと無かったら…。

 敬語は私も敬語じゃないし、いいよ。」


「そう?……じゃあ、帰ろうか。」


「はい。では、また明日?なの?」


「何を言っているんだい?僕の家に来るんだよ。」


マネハールは当然のように言う。


「……ええ!?なんで!?!?」


だが、アンジュは驚き、照れて顔を真っ赤にする。


「ハハッ。そんなに照れてどうした?

 ただ、君に情報を流されると困るし、何があるか分からないから、

 もしもの為にいつでも決行出来るよう、一緒に居るだけだよ。」


マネハールは笑っている。アンジュが必死に笑いを止めさせようとしている。


「そ、そうですよね。でも、家に行って良いの?」


「構わないさ。僕が誘ったんだし。さぁ、行くよ。」


そう言い、マネハールが歩き出す。

続いて、アンジュもマネハールを追いかけるように歩き出す。





このときはまだ、お互いに相手のことを何も分かっていなかった。



閲覧、ありがとうございます。


今回はちょっと短いかもでした。

残り5話もあるかな?位の短さです。の予定です。

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