第一泳_水中の国
人魚は上半身に服を着ています。髪色、目色のバラバラです。
老若男女います。
アンジュ_水色の髪。青目。
セレクト_薄いピンクの髪。オレンジ色の目。アンジュの友達。
店長_アンジュ達が働いているカフェの店長。黄色の髪。黄色の目。
男性_銀色の髪。緑色の目。
「アンジュ!早く!遅れちゃうよ!」
朝のまだ静か時間。住宅街に声が響く。
この声の主の名は、[セクレト]。可愛い女の子で、王都のカフェで働く18歳。
「うん!待って、今行く!」
そう返事をしたのは、[アンジュ]という名の女の子。
アンジュもセレクトと一緒に同じカフェで働いている。
「もうっ!今日こそは寝坊しないって言ってたでしょ。」
「うぅ…。ごめんなさい。明日こそは!」
「はいはーい」
そんな会話をしながら、二人は住宅街を抜けていく。
住宅街から大通りにあるカフェまでは15分ほどでつく。
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「すみませんー!遅くなりました!」「ましたー!」
「あら、おはよう。セレクトちゃんは良いわよ。
アンジュは後で店長室に来なさい。」
「「おはようございます!」」
「って、なんで私だけですか!?」
アンジュは驚きながら、店長に訴えている。
しかし、店長は眉一つ動かさない。
「なんでって、どうせ、アンジュが寝坊したんでしょう?」
「どうせって…うぅ。」「その通りですよ!店長!」
何時も通り、アンジュは開店までに店長で説教をされる。
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「「「「お疲れ様でした!」」」」
「はい、お疲れ様。明日もよろしくね。」
時計の針が6を指している。毎日、この時間にカフェは閉まる。
その後、それぞれが自由に解散する。
「セレクトー!一緒に帰ろ!」
「あぁ、アンジュ。ごめん、今日はちょっと用事があるから
一緒に帰れないの。また明日ね!」
「あぁ、うん。分かった!また明日!」
アンジュがそう言うと、セレクトはカフェから出て行く。
アンジュは特に用事もなかったので、本屋に行くことにした。
カフェから本屋までは普通に行けば、10分ほどでつく。
だが、
「あれ?本屋ってどっちだったけ?」
実は、アンジュはかなりの方向音痴だった。
それに加え、大通りはお店が多いため特に迷いやすい。
「そう言えば、ここ2年位、本屋とか行ってなかったかも……。
それから、とにかくウロウロし、アンジュが本屋を発見したのは、
1時間後の事だった。
すっかり、人も減っている。
「ふぅ……。失礼しまーす。………。本当に、来たの久し振りだなー…。」
アンジュが店内をキョロキョロしながらウロウロする。
「「うわっ!」」
「すみません!大丈夫ですかっ?」
「はい、大丈夫です。こちらこそ、ぶつかってしまいすみません。」
とある一人の男性とぶつかってしまう。お互い、怪我などはなく
安心していると、アンジュがとあることに気づく。
「あの、その本…」
「ああ、この国の昔話ですよ。ご存知で?」
「ですよね!私、その本、大好きなんですよ!」
アンジュが言う通り、その本はこの国に古くからあると言われている
昔話の一つだ。だが、
「でもこれ、最後は青年が処刑されてしまっていますよね…?
そう言った内容が好きなのですか?」
「確かに、青年は処刑されてますけど、私が好きなのは、
青年が国を出てまで外の世界を見ようとしたことと、
青年が教えてくれた外の世界の景色です!
私も、外の世界を見てみたいって思うんですよね!」
アンジュは生き生きしながらそう言う。すると、男性は笑い出した。
「ハハッ。貴方は面白いですね。」
「面白い…ですか?」
「とても面白いですよ。……そんな貴方に、私から一つ、
提案があるのですが…。」
「提案ですか?」
アンジュはよくわからないという顔をし、男性に聞き返す。
「この国から一緒に出ませんか?」
「えっ!?」
アンジュは驚いて、大声を出してしまう。
「静かに。この国から出ようとしてることが兵士に聞かれたら、
処罰を受けてしまいますよ。」
「あぁ、すみません。でも、国を出るって……国法違反ですよね?」
確かに、アンジュが言う通り、“勝手に国を出る”ということは、
立派な国法違反だ。
「ああ。許可なく出たら、国法違反だ。容赦なく処刑だね。」
「えぇ…。私、国を出るのは、、」
「やめるかい?君のあの昔話への想いはそんなもの?
付け加えて言うと、僕は元王宮騎士だ。兵士くらい、敵じゃないよ。」
「王宮騎士!?……。でも確かに、国を出たいという気持ちは強いですけど…。」
「なら僕と手を組もう?僕なら君を国の外に出してあげることが出来る。」
アンジュは暫く悩んだ。だが、
国を出てしまえば、捕まらなければ、処刑されることはない。
そう結論に至り、
「分かった。私はあなたと共に国を出ます!」
そのとき、二人の間に見えない"ナニカ"が出来た。
閲覧、ありがとうございます<m(__)m>