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0時 プロローグ

傀儡と深淵を完結せぬまま第三作品目。

傀儡はまっだまだ続ける気ですが

正直!深淵がテスト的なものなので

いつまで続くか分かりません。

では、ご賞味あれ

失敗した。

どうしてこうなったのだろうか。

もう大学一年にもなるいい年した男が

幼馴染みの女の子からかっこいい帽子をもらったってだけで

浮かれてカッコつけに公園に来るのが間違いだった。

そのおかげで、風に押されて

帽子が飛んで池に落ちてしまった。

どうすればいいだろう。

これじゃあくれた人に面目がたたない。

しかもくれた人があいつだというのだからどうなることやら...


昨日午後10時


ピーンポーン。


「誰だよこんな時間に。しかも

明後日の引っ越しに備えて準備中ってーのに」


愚痴垂れながらインターホンの

ビデオカメラを確認する人、

落合零時は大学一年の18歳男子で通う大学が

家から遠いため、父親をなんとか説得し、

晴れて独り暮らしデビューを果たす

服のセンスも、成績も、運動も平凡な

とくに目立つところがないものだ。

あえて何かあるというならやたら子供になつかれやすい。

といったところだろうか。


ピーンポーン。ピーンポーン。

ピーンポーン。ピーンポーン。


あぁもううるさいな。

人の迷惑というものを考えないのかね。


「ったく、こんな時間になに?優葉。

今結構忙しいんだけど。」


『家いれて』


「なんで?引っ越しの手伝いなら大歓迎」


『早くいれて。蹴るよ?』


「はいーはい。今いきますよっと。」


零時にむかってツンツンした態度をとる

この女性。落合家の向かいにすんでいる篠田優葉だ。

中学に入った辺りから零時に暴力的になったが、

仲の良さは誰が見ても満点だそうだ。

身長高めなスレンダー美女で、周りには優しいために

人気が高い。学校ではかなりもてはやされていた。

零時曰く、黙ってりゃかわいい。だそうだ。

小さい頃からよく一緒にいて、男女なのに部屋に上がり込んでも

特になんの抵抗もないほどの腐れ縁だ。

大学は零時の方が高いため同じ大学には入れず、

近所にある学校に通っているそうだ。


「おそい。」


「あだ!結局蹴るのやめろよ...」


「鍵学校に持ってくの忘れて11時まで入れない。

だからここにいる。そうね...少しは

引っ越しも手伝ってあげる。」


「大歓迎であります。親父は帰ってきてねぇし、

母さんは寝てるからちゃっちゃはいれ。」


零時の部屋はかなりきれいに整頓されてある。

引っ越しが近いために、段ボールがつまれているが、

それでも清楚感のある部屋となっている。

別に零時が潔癖性だとか、そういうのではない。

ただ、家の教えだ。逆に優葉の部屋は汚く、時々

零時が掃除しに入るほどに汚い。


「部屋を綺麗に整頓するとこだけは

できるのが苛つく。」


「優葉の部屋が汚すぎるだけだろ。俺引っ越したら

掃除しにこれないんだから、自分で綺麗に

するんだぞ?」


「うるさい。」


「あだだだだ!アイアンクローはだめ!

ぎ、ギブギブギブ!!!」


こんな感じの二人だが、

別に異性として意識していない訳ではない。

優葉は気づかれていないと思っているらしいが、

零時が優葉の部屋の掃除をしているとき、

机のしたに盗撮したであろう零時の写真がごっそりや、

枕のしたにこれまた盗撮したであろう零時の半裸の写真が

あり、その時のベッドの濡れ具合や位置から

ナニをしていたかも明白だ。

あと、これはちょっと引いたが、

いつもと逆に零時が拳骨をかますと、優葉は顔を

火照らせ、頬に手をおき惚けた顔をしていた。

そう。優葉は零時の前限定でツンデレドMだった。


「そういえば零時、

私の部屋の机の裏に隠してあったフォトファイル、

移動してたんだけど中身見てないよね?」


「見てねぇ」


「ほんとに?ならいい。

でも、絶対見ないでね。」


嘘です。ほんとはバッチリ見ました。

やっぱり俺の写真がぎっしり詰められてました。

ったく、いつのまにとってんだか。

そこからはかなりの時間ふたりで

引っ越しの準備をした。


「それじゃあ私帰る。

お母さん帰ってきた。」


「おう、センキュー」


・・・・


「ねぇ、零時」


「どったの?」


「ほんとに引っ越すの?」


「ん?あぁ。ここからじゃ

遠いからな。」


「そう。あ、これあげる。

今日ショッピングモールよって、

ラートオンで服見てたんだけど、零時に似合う帽子が

あったから買ってきた。感謝して」


「おぉ!流石趣味わかってんなぁ!

センキュー!もちろん感謝させてもらうよ!」


「ん、それじゃ」


そういって、優葉は

零時の部屋をあとにした。


「う、ばかぁ」


悲しい嗚咽は、

零時に届くことなく

消えていった。





さて、どうやって拾おう。

木の棒が結構転がってんな。

長いやつは...これがいっちゃんながいな。

よいしょお!


柵に手をかけ、体重を預け、

腕をギリギリまで伸ばす。

木の棒を水面に滑らせ、ゆっくりと

帽子の下に忍び込ませていく。


よし、これでいける!

そう思っていた。


バキ!


大きい亀裂音が響き、

気でできた柵が壊れた。


「なぁ!?」


体が大きく傾き池に落ちる。

帽子を掴み、何とかして出ようともがく。

だがしかし、体が思うように浮かない。


「がはっ......おぼ!

だれ……………か!…………たす!」


零時の記憶はそこまで。

あとは意識がすべてを拐っていった。

最初の0時ってのは

話のことです。

時=話 って考えてください。

プロローグなので0です。

次が1時ですね。お楽しみに!

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