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ニートだけど美少女やってます!  作者: さくら
無理矢理起こされたら死にかけた
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「ど、どうしよう……」

 なにかオタオタするアナト。俺にしてみたら、ただの白紙だったけど……やっぱり何かのキーアイテムだったのか?

「これ……私、署名してたのに……」

 ん? 俺のサインが欲しかったんじゃないのか? それとも、それ以外に何かアナトがサインする必要があったとか? なんだか、ますます分からないアイテムだ。

「そういえば、あなたって秋鹿蒼真(あいかそうま)よね?」

「うん」

「じゃあ、なんで……」

「俺がどうかしたのか?」

「だって、あのとき何も書いてないって……」

「あの紙なら、ただの白紙だったけど?」

 アナトのサイン? も無かったし、他に何も書いていなかった。本当にただの白紙だった。

「なんで? ちゃんとあなたの名前を書いて指定したのに……」

「あ、俺、今はミーナって名前」

 そう言うと、アナトはあっ! って顔をした。

「そうだった……」

「そうね。署名した私と指定した秋鹿蒼真(あいかそうま)しか、基本的には見えないからね」

 アナトの握りしめた拳がふるふると震えてる。

「だいたい、あのときあなたが返事したから、こんなことになったんでしょ! どうしてくれるのよ!」

「返事?」

「そうよ! あなた、私を見てた! 私たちが見えるって事は、もうすぐ死ぬ人間ってことでしょ! だから、秋鹿優真(あいかゆうま)か? って聞いたら、あなたは”うん”って答えたでしょう?」

 あぁ……夢が覚める……。もう少しだけ、この夢の中に居たかったな……。

「ごめん……。そんなに大変なことだって思わなかった……。一度でいいから、弟になってみたかった」

 ずっと引きこもっている俺と違って、弟の優真は明るくて人気者で、親の期待も大きい……。一度、失敗した俺には何もない。友人も、学校も、親の期待も……。だから、あのとき弟の名前を聞かれたときに”うん”って答えたら、昔に戻れるような気がした。

「新しい紙、ある? 今度は、ちゃんとサインする……。それで君が助かるなら……」

「ふぅ……。それがダメなのよ。あれは、一度しか作れない契約書だから……」

「一度だけ?」

「そう。それだけの覚悟が必要なことに使われるもの」

「そうなんだ……。ごめん……」

「まぁ、あなたは今、名前が二つあるからしょうがないんだけどね」

 名前が二つ? どういうことだろう? というか俺、死んだんだよな? なのに、今の状況ってどうなってんだろう?

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