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∬詩集∬  作者: 如月水木
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赤頭巾

――許してね赤頭巾 この恋を

  許してね赤頭巾 この愛を


君は僕に笑顔をくれた

だから僕は君を貰うよ

君は僕に話してくれた

だから僕は君を奪うよ


歪んでいるなんて

そんなの僕が決める事

助けてだなんて

そんなの僕が救ってあげるよ


皺無き滑らかな感触

望んでいたものより儚くて



――なぜ 僕を拒むの?

  なぜ 僕だけを見てくれないの――



全ての欲を満たしても

この先の未知を教えても

まだ 君は来ないね


全ての欲を抑えても

この先の終わりを止めても

まだ 君は来てくれないね




「おばあちゃん?」


赤頭巾――

 その声で僕を呼んでくれ

 その音色で僕を癒してくれ



「赤頭巾‥‥」

どうして――

 僕は呼んでいるのに

 僕は求めているのに



真と偽を疑う事の無い君が

そんな瞳で来ないで

僕を捕らえていない純白な君が

そんな姿で来ないで



――壊したくなるから

  喰べたくなるから――



「キャーーーーッ!!!」



お願い

恐がらないで――

喰べるだけだから

微笑で埋めるだけだから

そんな瞳で 顔で 姿で

叫ばないで‥‥‥


同じく燃え上がる釜戸に

白き肌を隠していた物を投げ込む



 ねぇ 僕を愛して

    僕の中で鳴いて



消えゆく少女 狂った狼

永久に残るのは 少女の服を燃やす釜戸のみで



「赤頭巾‥‥」

一生僕と一緒だね――


「赤頭巾‥‥」

やっと願いが叶ったよ――

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