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 俺は北川を背負って、自分の家まで運んだ。

 彼女は、本当は歩ける。それでも、彼女は自らの足で歩こうとはしなかった。ただ抵抗せず、俺の背中にすっぽりと、小さな体を収めて黙っている。

 すっかり無抵抗なので体中をペタペタ触ったりほっぺをむにっと引っ張ったりして遊んでいたが、彼女はなんの反応も示さない。

 よほど、あんなあっけなくイスを奪われたことが堪えたのだろう。俺は遠慮なく彼女の柔肌を楽しんでいたが、東山にレールガンで殴られたのでやめておいた。

 自宅の客間に彼女を通し、誰も使ってないベッドの上に彼女の体を横たえる。居間に戻ってくると、東山が複数のメイドに遊ばれていた。

「今日の夕方と言っていたわね」

 無理やりメイド服を着せられて顔を真っ赤にしている東山が、ソファーの影に隠れながら言う。

「ああ。決着をつけるつもりなんだろう」

 俺は顔を出して口にした。たちまち、彼女の拳が俺の眼前に延びてくる。

「あの子は、どう?」

 元の服に着替えて出てきた彼女は言う。

「ふさぎ込んでいるな。よほど、イスを奪われたのがショックだったんだろう」

 俺はほかにもいろいろ衣装があるよと持ってきたが、そのどれもを拒否された。

「魔法のアイテム、『イス』だったのね。それが、あの子に限っては『車いす』という形を取っていた。カモフラージュなのか、自然とそうなったのかはわからないけどね」

 東山が言うと、

「彼女が事故にあったのは事実なんだよ」

 廊下から顔を出してそう口にしたのは、西村だ。

「西村。来てたのか」

「ちょっと話を聞いてねん」

 口調はいつものものだが、眼差しは真剣だ。そりゃそうだろう。協力体制にあった北川が、俺ではなく、冬深にアイテムを奪われた。予想外だろうし、予定外だろう。

「で。これから決着をつけに行くってこと?」

 西村が聞く。俺は、こくりと頷いて、いろいろ持ってきた衣装を西村に勧める。

「冬深くんの辞書、あの鉄壁の防御は完璧だよ。手はあるのん?」

 バニーガールになった西村がぴょんぴょん跳ねて耳を揺らしながら言う。

「ああ。考えてある」

 俺はライオンの着ぐるみを着て西村に襲いかかりながら口にする。

「奴は自分の能力を過信している。付け入る隙はあると思っている」

 彼女に馬乗りになりながら言う。西村も「食べられるー」とノリノリだ。

「……うまく行くと思う?」

 作戦の内容を知っている東山がレールガンで俺の頭を殴りながら聞いてきた。

「うまくいくさ」

 俺は地面に倒れ込みながら答えた。

「必ずな」

 立ち上がると、西村が東山にうさ耳のカチューシャをつけているところだった。俺は遠慮なく、東山に襲いかかる。

 レールガンで撃ち抜かれ、俺の体は遙か彼方へと弾け飛んでいった。





「北川」

 俺は客間の北川に声をかけた。

 彼女は部屋の電気もつけず、布団にくるまって窓際に足を抱えて座っていた。

「俺たちは冬深と決着をつけにいく」

 力強い口調で言う。が、彼女はなんの反応も示さない。

 試しにほっぺをぷにぷにと引っ張ってみるが、反応はない。

「待っててくれ。お前のアイテムは、必ず取り返す」

 俺は彼女の服を脱がせながら口にした。

 北川の顔がわずかに動く。透き通った瞳が、俺の顔を居抜いた。

「……わたし、本当は歩けるのに、ずっと、嘘をついてきた悪い子だよ」

 そのまま、小さく口を開く。

 彼女の言葉はとても小さく、耳を澄まさないとはっきり聞き取れないくらいだった。しかも、彼女の服を脱がす音が意外に響いている。

「それなのに、こんなわたしのために、おにーさんはなにかしてくれるの?」

「もちろんさ」

 俺はすぐさまそう答える。

 北川はなにを言っているんだろう。

 当たり前のことだ。

 俺と北川はもう、他人じゃないんだから。

 困っていれば、手を貸す。助ける。

 当然だ。

 俺は、スクール水着を持って彼女の顔をまっすぐに見つめた。

「だから待っていてくれ」

 彼女の水着を着せながら言う。

「……うん」

 嬉しそうに微笑んで、北川はそう口にした。

 やっぱりだ。北川は笑っているのが一番いい。それに、スクール水着がよく似合う。思ったとおりだ。彼女の名前付きの水着を作っておいて正解だった。

「ありがと……おにーさん」

 表情が少しだけ崩れる。落ち着いたのか、小さく深呼吸をし、彼女は自分の姿を改めて見つめ直す。

「ね、おにーさん。ちょっとこっち来て」

 そして、彼女はそう俺に向かって言ってきた。

「え? なんで?」

「いいから」

 俺が聞くも、彼女は言って手招きする。

 俺は彼女に言われたとおりに顔を近づけ、そして、彼女が指さす方向を向いた。

「おにーさん。わたし、おにーさんのこと、結構好きだよ」

 そう言って、彼女の拳が俺の頬をとらえた。

 俺の頬に柔らかな感覚がめり込み、俺はそのまま弾き飛んで気を失った。



 夕方。もう陽も傾き賭けている中、俺たちは歩いていた。

「事故にあって、まあ、事故自体は大したことなかったらしいんだけどねん」

 歩きながら、西村は北川の話をする。

「クラスメイトがお見舞いに来てくれるのが嬉しかったみたい。大したことない怪我なのにちょっと大げさにしてさ。それで、引っ込みがつかなくなったみたいだよん」

 彼女の言葉に、俺は頬を氷で冷やしながら頷いた。

「そんなときに、彼女の前に現れたのが魔法のイス。彼女は、魔法使いに自らなったんじゃないんだよ。アイテムに『選ばれた』魔法使いなんだよん」

 西村は言う。

 選ばれる。

 東山のように魔法使いになるべくしてなったというわけではなく、魔法のアイテムに、偶然にも選ばれたという。

 魔法の素質なのか、それとも、そのアイテムとの相性なのか。とにかく、この、七つのアイテムを巡る戦いにおいては、そういった、『選ばれる者』というのも現れるらしい。

 彼女は選ばれた。そして、その魔法の力で、彼女の嘘を、大きくしてしまった。

 それは罪だ。

 それでも、俺は不思議と、彼女を攻める気にはなれなかった。

 なにせ、スク水が似合うロリ少女だ。むしろ攻められたい。

「彼女の嘘を、魔法のアイテムが助長したというわけね」

 東山は息を吐いて言う。

「アイテムを奪うのは当然のこととして、別に、あの子に返すような義理はないわよ」

 東山は言うが、

「返すよ」

 俺は即答する。

「嘘だろうがなんだろうが、そんなの関係ない。俺は、北川が悪意を持ってあのアイテムを使っていたとはとても思えない」

 続けて口にしたはっきりとした口調に、東山は意外そうな顔をして俺を見る。

「でも、そしたら、また戦わないといけないよん?」

 西村が聞いてきた。

「ま、しゃーないな」

 俺はそう答えた。

 戦いは、俺がほとんど勝っていたようなものだ。

 次に、あの戦術は通用しないかもしれない。それでも、あのときの北川は負けを認めたわけではない。

 また戦えというのなら、戦う。

 俺は、そんな決意もしていた。

「どちらにせよ、今の相手は冬深よ」

「ああ」

 東山の言葉に、俺は頷く。

 気づけば俺たちは、決戦の舞台……学校の近くまで来ていた。



「無駄からもしれないけど、狙える位置を探してみるわ」

 東山はそう言って、ひとり歩き出す。

「ボクも近くから見てるよん。……なんなら、ピンチには駆けつけよっか?」

 西村はペンダントを握りしめてそう言った。

「いや……それだけはやめてくれ」

 俺の戦意も薄れてしまう。

「あくまで自分の力で戦うって言うんだね。ふふ。そういうの、嫌いじゃないかな」

 西村はなぜかその返答を前向きに解釈して、笑みを浮かべながら歩いていった。

「さて……」

 ひとりになって、俺は、まっすぐ校庭へと向かう。

 校庭の真ん中に、イスに腰かける冬深の姿がある。言うまでもなく、北川のイスだ。

 この時点で、戦いは始まっている。奴がイスに腰かけていることで、感情的になってはならない。

「おそか……遅かったですね」

 冬深は俺の姿を見てわずかに動揺を見せた。

 そう。戦いは始まっている。

 俺は、チャイナドレスを着て奴と対峙していた。

 奴の動揺が見て取れる。が、さすがというべきか。メガネをかけなおした冬深の表情には、動揺の色はなかった。

「待たせたようだな」

 俺は付け根の辺りまで入ったスリットを奴に向けて言う。

「ええ……待ちましたよ」

 わずかに視線をそらせて奴は言った。

「さて。あなたと真夜中まで遊ぶのは趣味に合いません。早く終わらせましょう」

「そう言うな。たっぷりと遊ぼうじゃないか」

 俺は前のめりになって胸元を奴に見せつけて口にする。そこには丸めたクッションがふたつほど、入っている。

「余裕ですね……いいでしょう」

 が、奴に反応はない。

 あいつ、それほど巨乳好きではないということか。

「僕は辞書とこのイスを。そして、あなたは槍と、そして、メガネですか」

 さすがに、俺が持っているアイテムは把握していたか。

 奴が冷静に言うので、俺はチャイナドレスを脱ぎ捨てる。

 中に着ていた女性用のスクール水着が姿を見せた。北川の名前も入っている。ふふ、これで反応しない男はいないはずだ。

「両方とも、貴重なアイテムです。あなたにはふさわしくない」

 が、一切の動揺がない。どういうことだろう。こいつ、水着に興味ないのか?

「お前にもそのイスは似合わないぜ?」

 俺は仕方なく水着を脱ぎ捨てた。中には、猫耳のメイド服を着込んである。どうだ。

「そうでしょうか。座り心地はちょうどいいですよ」

 動揺なし。こうなったらと、俺はメイド服も脱ぎ捨てる。

 三角形の水着のみの姿になって、俺はボディービルダーのポーズを取った。水着だけに見えるが、実際にはマッチョに見えるスーツ、通称イケてるスーツを着ている。

「だだだだからこそあなたにこここのイスを奪わせたりはしませしませんよ」

 なんだこの動揺は?

 まさかのボディービル好きなのか……? それとも、筋肉がないのをコンプレックスに感じているのだろうか。細いし。

「ごほん。さて……それでは、遠慮なく行かせていただきます」

 冬深の言葉に反応して、彼の周りをいくつもの辞書が舞う。

 辞書の数は増えている。国語辞典に、和英辞書など、種類も様々だ。

「謝っても遅いですよ」

 言い、その中のひとつに手を伸ばした。

「悪いけど負けない。北川との約束もあるからな! 百の槍!」

 俺は股間の辺りから槍を取り出した。

 冬深が辞書を手にしたが落としそうになり、慌てて拾い上げる。

 その隙を逃さない。

 俺は、ボディービルのポーズを崩さないように走り、奴に向けて槍を伸ばす。

 が、その攻撃は奴が左手を挙げ、俺の目の前に辞書が現れて防がれる。

「読んでいた!」

 こうなるのは予想のうち。俺は、イケてるスーツを脱ぎ捨てる。

 スーツの中に大量に入れておいた砂糖が宙を舞う。

「どうだ!」

 これで奴は慌てるはずだ。甘さとべたべたの中で苦しむといい!

「残念でしたね」

 が、冬深はぺろりと口の周りを舐めただけだ。

「その程度、こちらも読んでいましたよ!」

 奴は口の周りをペロペロ舐めながら叫んだ。

 そんな奴の手には、広げた辞書。

 広げた辞書を大きく仰ぎ、俺に向けて風を放つ。

 たちまち、砂糖は向きを変えて俺の方へと向かってきた。

「ごほっ……」

 俺は甘いものが苦手だ。のどに砂糖が入り込み、あまりの甘さに涙が出てくる。 

「ふ……敵に塩を送るとはこのことですね」

 砂糖だけどな。

 奴は甘党なのか、口の周りをペロペロと舐め回している。くそ、ビジュアル的にも、男がペロペロ舌を出しているなんて気持ち悪いだけだ。俺は精神にもダメージを負った。

「その槍の能力はどうしました? まさか、もう百の力を使ったわけではないでしょう」

 冬深が俺を挑発するように言う。

「リクエストしてくれるなら!」

 俺は槍を前へと掲げた。

「百の槍!」

 槍の新たな能力により、槍が高速回転する。高速回転した槍はすさまじい風を起こし、俺の周りの砂糖を、冬深に向かって飛ばす。

「その程度、なんでもないと言っているでしょう」

 奴は舌を伸ばして言った。

「そいつはどうかな」

 俺はニヤリと笑ってそう口にした。

 そうして俺が取り出したのは、火炎放射機だ。

「なにを!?」

 冬深もさすがに驚く。俺は、槍から手を離し、火炎放射機を回転する槍に近づけた。

「こうするんだよ!」

 叫び、炎を吐き出す。炎は砂糖を焦がし、そして、溶かしてゆく。

 熱せられた砂糖は奴の体にまとわりつき、そして、体の自由を奪う。

「やりますね……」

 地面をぺたぺたと歩きながら冬深は口にする。

「どうだ!」

 俺は拳を握って叫んだ。

 難点を言うとすれば百の槍の回転によって発生する風は一方向だけではないということだ。回転している槍を中心に、俺のほうと奴のほうと双方に風が吹いている。砂糖と炎をモロに浴びて、俺の顔はひどいことになっていた。

「ですが、大したダメージではありません!」

 冬深は駆けた。

 細身の体からは想像できない、機敏な動き。

 体を前に倒して、手を後ろに流したままの、まるで忍者のような走りで、俺に近づいてくる。

「くっ!」

 俺が槍を手に取り、防御するので精一杯だった。振るわれた辞書を、俺は槍を横にして抑える。

 左手にも辞書が手にされている。それが振るわれるのを見ると、俺は大きく後ろへと跳ねた。寸前まで俺がいた場所に、振るわれた辞書から放たれた強い風が吹き抜けた。

「まさに絶体絶命って奴か!」

 俺は叫ぶ。

「絶体絶命。困難、危険から、どうしても逃れられないことをいう四字熟語ですね」

 冬深は辞書を振りかざしながら口にした。

「辞書の内容を丸暗記してるってか!?」

 俺も槍を振るって、言い返す。

 奴は大きく後ろへと跳ね、槍を避けた。

「当然です。どのような言葉だって僕は知っている。知らない言葉など、ない」

 メガネを持ち上げ、自信満々に言う。

「臥薪嘗胆!」

 試しに俺は言葉を叫んでみた。

「将来の成功に期待して苦労に耐えること」

「弘法も歩けば棒に当たる!」

「混ざってますよ。弘法にも筆の誤り、犬も歩けば棒に当たる。前者は筆の達人でも書き損なうことがあるという意味で、後者は本来の意味は犬が歩いていると、人に棒で叩かれるかもしれないというところから、でしゃばると災難にあうという意味でしたが、現在では、なにかをしているうちに思いがけない幸運があるという、反対の意味で使われています」

 その後もいろいろな単語、熟語、ことわざを口にするが、その全てに正しい答えを奴はぶつける。

「無駄ですよ。僕に知らない言葉なんてない。僕の知識は、完璧なのです」

 そして、最後には自信満々の顔でそのように笑った。

「そいつはどうかな」

 俺も笑みを浮かべる。

 そして、用意しておいたとびっきりを俺は繰り出した。

「なら……チョベリバという言葉を知っているか?」



 ぴたり、と、奴の動きが止まる。

「ちょ……なんですって?」

「チョベリバだ」

 俺はふふんと笑いながら言う。

「超ベリーバッドの略だよ。意味合いで言うと、すごく悪い、という意味合いで使う言葉だ」

「ば、バカな。そんな、英語と日本語が混ざった言葉なんて……」

「あるんだ。いや、正確にはあったんだよ」

 百の槍の能力によって、スマホを取り出す。そこに書いておいたメモを眺めながら、俺は口にする。

「九十年代のギャル語だ。そして、今となっては死語……その辞書には、載ってまい」

 俺の言葉に、冬深は慌てて辞書のページを開く。

「ない……そんな言葉、どこにもない!」

 冬深は叫んだ。

「そういうことさ」

 俺は笑みを浮かべながら、奴に指先を向けた。

「辞書の内容を丸暗記して、それで、完全なる知識を得たと勘違いしているようだが……それは、ちゃんとした知識なんかじゃない。ただ、人からもらった情報を口にしているだけの受け売りだ」

 冬深がこちらを向く。今まで見たことのないようなうろたえた顔が、俺の顔をとらえた。

「知識に完全なんてない。お前の知識は……お前自身の知識じゃない」

「う、うわあああぁぁぁぁぁっっっ!」

 冬深は頭を抱えて叫ぶ。

 自分の信じていた知識が否定され、そして、そのことに対して反論ができない奴は、ただ、大声で叫ぶしかなかった。

 今までの自分の否定。

 今までの努力の否定。

 今まで歩んできた道が全くの無駄だったと指摘され……苦しまない者はいない。

 だからこそ俺は、手を差し伸べる。

 それは、言うなればとどめでもある。

 そしてそれと同時に……救いでもあった。

 俺は、一冊の辞書を、手にしていた。

「こ、これは……?」

 冬深の困惑した顔がこちらへ向く。

「開いてみろ」

 俺はそう言った。

 ゆっくりとした動作でその辞書を受け取った冬深は、これまたゆっくりと、その表紙をめくった。

「こ、これは……っ」

 そして、その辞書の中を見て驚きの顔を向ける。

「真っ白だ! なにも書いてない!」

 冬深は叫んだ。

 そう……それは、白紙の辞書だ。

 あれは、俺が小学生くらいのときの話だ。



 授業で使うとか何とかで、辞書を買うことになった。

 俺が買ったのは、見たこともないような出版社の、いかにも怪しげな辞書だった。

 そして、案の定だ。

 持ち帰って広げてみると、その辞書は、中身がすべて、真っ白だった。

 俺はたちまち、その出版社にクレームを入れようと電話をかけた。そのときに応対したのは、どこか日本語の怪しいお兄さんだったのだが、彼は、俺にこんな感じで言ったのだ。


「いいかい、知識というのは白紙なんだ。その辞書は、ユーが得た知識を書き込んでいって完成する、秘密の辞書なんだよ」


 俺は感銘を受けた。

 そうなのだ。辞書から得られたものは、本当の知識ではない。

 自分自身で得てこその知識なのだ。

 俺は大きく頷いた。いつか、この辞書を完璧なものにしてみせると胸に誓って。

 その話を親父にすると、親父も感銘を受けたのか、出版社に電話をしていた。それがきっかけで、そのときのお兄さんはクビになったらしい。

 そのときお兄さんは、富士の樹海に行ってやると叫んでいたそうだ。聡明な彼のことだ。きっと、深い森の中で、なにか、真理を追究しているに違いない。

 彼は元気にしているだろうか。

 怪しげな日本語、時折ではあるが、聞きたくなる。


 そうやって胸に誓いつつも、俺は辞書に文字を書くことができなかった。なんとなくもったいなかったような気もしたし、自分の知識が本当に正しいのかどうかの自信がなかったこともある。

 でも、これは俺の宝物として、ずっと、机の奥深くで眠っていた。

 その真っ白な辞書を……俺は、冬深に手渡していた。

「知識は真っ白だ。人はみんな、まっさらから始まるんだ。お前に必要なのは、他人の知識を詰め込んだ辞書じゃない。お前自身の知識を書き込むための……そんな辞書だ」

 冬深は力が抜けたように、両膝を地面につける。まわりを回っていた辞書も、次々と地面に落ちていった。

「……僕に描けるでしょうか。こんな、本当の知識がなんなのかすらわからなかった僕に」

 真っ白な辞書をパラパラとめくりながら、言う。

 俺はしゃがみ込んで、冬深の肩を叩く。

「大丈夫だよ」

 その言葉に根拠はない。

 だが、その言葉には確信があった。

 剣と剣をぶつけた者として。

 拳と拳を交えた者として。

 その言葉には、きっと、意味があった。

「……ありがとう、大地くん」

 冬深は顔を上げた。

「ああ」

 俺は素直にその言葉を受け取る。

 冬深は、ゆっくりと、魔法の辞書を拾い上げた。

「僕にはもう、この辞書は必要ない」

 そしてそれを、俺へと向ける。

「……いいのか?」

「ああ」

 俺の言葉に、彼は頷いた。

「僕が目指すべき道が見えた。今の僕に、マジシャン・オブ・マジシャンの称号は重すぎる」

 そう言い、イスを持ち上げる。

「これも、彼女に返してあげてくれ。奪い取ってすまなかった、と伝えてほしい」

 俺は頷き、手を伸ばした。

 イスと、そして、その上におかれた辞書を笑顔で受け取る。互いに頷きあって、そのふたつの魔法のアイテムを、俺は受け取った。重かった。

「なーんか、あっけなかったねん」

 気づけば、西村が近くにまで来ていた。その少し後ろに、東山の姿もある。

「どんな方法を使ったのかは知らないけど、これで、大地くんの持っているアイテムは四つか。あ、イスを返す予定だったら、三つなのかなん?」

 西村は小首を傾げて言う。

「じゃあ……そろそろ、戦わないとねん」

 そんな可愛らしい動作から一変して、低く抑えた声が、俺たちの耳に響いた。



「………………」

 無言のまま、東山はレールガンを西村へと向ける。

「ふふん。どうして後ろに立っているのかなー、と思ったら、こうなることは予期してたんだねん」

 西村は楽しそうに言う。

「もちろんよ。いくらあなたでも、この距離からなら攻撃を避けることはできないでしょう?」

 東山に、ためらいはない。構えた巨大なレールガンを、まっすぐに西村に向けている。そして、引き金にはもう、指がかかっていた。

「へへへ。残念でしたー」

 そして。

 そんな風にためらいがないからこそ。

 彼女も、ためらわなかった。

「っ!」

 体を回転させ、一瞬で東山のレールガンの狙いを外す。放たれたレールガンは西村に当たらず、俺の体に電気を走らせた。

「くっ……」

 続けて数発、放たれる攻撃。しかし、西村はそれを左右に避けつつ、東山に近づく。レールガンごと東山を拳で弾き飛ばす。

 東山の体は、一五メートルほど離れていた校舎の壁へとぶつかる。

「西村!」

 咳こんでいる東山に近寄ろうとする西村に、俺は槍を伸ばした。槍を飛んで避け、槍の先を手で握る。その手を軸に足を回転させ、俺の眼前へと足を向ける。

(……白っ!)

 西村とのトレーニングのたまものか。すんでのところで左手が出た。が、衝撃のすべてを抑えたわけでなく、俺の体は重力に反して飛ばされる。心の中の叫びは一瞬の幸福を叫んだもので特に意味はない。

「くそ……」

 蹴りと同時に、槍から手を離して西村は空中で体を回転させて着地していた。俺がゆっくり立ち上がると、「ふふ」と笑みを浮かべてから一瞬で距離を詰める。

 迫る右の拳、左の拳。

 拳はまるで、二本だけではないようにも感じられる。槍の能力でも抑えるのがやっとで、激しく放たれる拳の勢いに、俺の体は後ろに反れる。

 だから、こそ。放たれた回し蹴りを、俺はモロに腹に受けてしまった。

「かはっ……」

 胃の中のものが逆流する感覚。

 先ほどたっぷり吸い込んでおいた、北川の水着の匂いが肺から出てゆくのを感じる。俺は泣きそうになった。……ああいや、腹が痛いからだよ?

「大地、避けなさい!」

 東山がレールガンを乱射する。西村はまるで背中に目があるかのように、踊るようなステップで電撃を避ける。避けた電撃はすべて俺を貫いた。

 そして、東山に詰め寄って、大きなハイキック。レールガンを掲げて抑えた東山が、一瞬だけ目線を下へと向けた。

 あの姿勢、絶対に見えているはずだ。俺は立ち上がった。急げば間に合う!

 俺は黒こげの体にむち打ち、走る。

「やるね」

 が、西村はすぐさま飛び引いた。

 距離を取りながらレールガンを撃ち、東山は俺と並ぶ。

 東山は俺がなぜか泣きそうな顔をしているのを訝しげに見ていたが、今はそれどころではない。すぐさま顔を上げ、西村を見据える。

「ふたりとも、前とはぜんぜん動きが違うねん」

 西村は楽しそうに口にした。

 俺は例のトレーニングがあったからだが……東山も、密かに対策でも練っていたのだろうか。

「さすがに不利か。でも、そのレールガンで撃たれるのはゴメンだよ」

 西村は俺を見てそう言った。

「だからごめんね。ボク、これを使うと、」

 西村は不適な笑みのまま、ペンダントを握りしめた。

「どうなるか、わからないからねん?」

 ペンダントが、光る。

 光が彼女の体を包み込み、体が少しずつ、変化してゆく。

 が、俺は慌てなかった。

 そう。俺たちは、このときを待っていた。



「狂獣変化っ!」



 西村が叫び、その体は狂おしいほど可愛らしい動物へと変化してゆく。

 現れたのは、小さな子犬だ。ぴこんと大きな耳を揺らし、「あん」と一言鳴いた。

「今だ東山っ!」

 そして、このときこそ俺の待っていた瞬間だ!

 俺の声を聞き、東山は首を傾げながらも、俺が用意した皿にポケットから取りだした手作りのペットフードを入れてゆく。

 そして俺が頷いてみせると、歩いていってその皿を西村犬の近くに置いた。

「あん♪」

 西村犬は弾むようにして皿に近づいて、肉も野菜たっぷりの甘いペットフードに口を付ける。

 肉も野菜も……そう。そして、その中には。

 タマネギが、入っていた。





 数日ほど前のことだ。

 『狂獣変化』を目の当たりにした俺と東山は、どうやって、あの凶悪な可愛さと戦うかを議論していた。

「あたしは無理よ。あの姿になってから、きっと、傷を付けることすらできない」

「俺も同じだ」

 息を吐いて言い合う。

 当然だ。なにせ、あまりにも可愛らしい姿なのだ。

 傷つけることなど絶対に不可能だ。罪悪感に押しつぶされる。

 かといって、変化していない状態の西村はなにせ強い。リーチの長さとかそんなの関係なく、的確に俺たちにダメージを与えてくるだろう。

 となると考えられる手段は、ふたつだ。

 ひとつは変化していない状態で、なんとかする。

 説得する、隙をみてアイテムだけ奪う、などなど。

 そしてもうひとつは、変化した状態でどうにかするということ。

 が、その方法は思いつかない。

 懐かせる、首輪をつける、檻に入れるなども考えたが、やはり、どの手段も果たして本当に想像通りにいけるかどうか。下手をすると変化が解除し、すぐ近くで攻撃を喰らうおそれもある。

 餌付けでもするかというのもアイデアだが……アイテムを奪えるのは、変化前の通常状態のみだ。変化した状態の餌付けが、普段の状態に効くかどうか。

「ネギでも食べてくれればいいんだが」

 俺が冗談で、そんなことを口にしたときだった。

「ネギ? ネギがどうかしたの?」

 そのとき、俺の頭にあることが思いついた。

「東山、西村のためにペットフードを作ってやろう」

 俺はすぐさま立ち上がって言う。

「は? ペットフード?」

 東山は「?」マークを浮かべながらも、立ち上がり、歩きだした俺についてきてくれた。

 俺はメイドたちが料理をしているキッチンに行って、冷蔵庫や倉庫からいくつかの野菜を引っ張りだした。

「俺はあまり料理が得意じゃないんだ。悪いけど東山、ここにある材料を駆使して、ペットフードを作ってくれないか?」

 野菜を並べたキッチンを示して言う。ついでに、キッチンの隅に置いてあったピンク色の液体が入った瓶を捨てておくことにする。マカとかすっぽんとか今夜は寝れない、とか、怪しげなタイトルがついていてものすごく危険な感じがしたからだ。数人のメイドと、メイドに紛れていた南浜が軽く舌打ちした。

「??? まあいいけど……」

 東山は首を傾げながらも包丁を手に持った。

 料理は苦手ではないのか、さくさくと野菜を切り分けてゆく。

「獣だからって、ペットフードや肉ばっかりじゃよくないもんな。たっぷり野菜も食べさせないと」

 俺はそんな東山に向かって言う。

「……ええ、そうね」

 東山はなんでこんなことをしているんだろうと言いたいような顔をしていたものの、手をつけた以上は片づけようと、てきぱきと動いてくれている。

 俺の言葉にも頷いて、色合いやバランスなどを考えているのか、いろいろな野菜を手に取っている。

 そして、手作りのペットフードには、たくさんの野菜が入った。

 人参にピーマン、大根、そして……タマネギ。

 俺は拳を握りしめた。

 この方法なら、西村に勝てるかもしれない。

 俺はそう確信した。




 そして。

「う、うううう……」

 そのアイデアは見事に……成功した。

「な、なにをしたのっ!?」

 西村は人間の姿に戻っていた。腹を押さえている。

「残念だったな西村。狂獣変化の弱点、俺はもうすでに見つけている」

 びし、と指をさして言う。

「弱点……?」

 腹の痛みがひどいのか、ぺたんと座り込む。そして、信じられないという顔でこちらを見上げた。

「そうだ」

 俺は頷いた。

「どんなに凶悪な姿になろうが……獣は獣だっていうことさ!」

 俺は手を横に振りながら叫んだ。冬深が歓声を上げ、東山が首を傾げる。

「負けた……ボクが」

 西村が信じられないという顔をして、悔しそうに地面を見据える。

「教えてほしいな……獣だからこその弱点って、なんだったのかな」

 西村は弱々しい声で口にした。

「簡単なことだよ」

 俺は息を吐いて、口にした。

「悪意のない善意さ」

 その口にした言葉に、東山も西村も頭にハテナを浮かべていた。




「はっはっはっはっ。やっぱ、お前、面白いわ」

 



 笑い声が響いた。

 その場にいた全員が、その笑い声の方へと振り向く。

 グラウンドにある、野球部の、ホームベース付近のフェンスの上。

 そこに、見知った顔が立っていた。

「登……?」

「おう。よ、大地」

 フェンスの上に立ち上がって言う。

 いつもと違う。

 普段は卑猥な本を握っているその手に握られていたのは……剣、だろうか。

 日本刀や西洋刀ともまた違う。まるでゲームにでも出てくるような、楕円形に近い刃が、まがまがしい黒い光を放っている。

「あの剣は!?」

 冬深が叫ぶ。

「邪刀、『鼈 (みのがね)』……つまり、あなたが!」

 冬深の言葉に登はゆっくりと頷いて、フェンスから飛び降り……ようとしてやめた。足をかけてゆっくりフェンスを降りてくる。

「あなたが……最後のひとりなの?」

 東山がレールガンを構えて言う。

「そうだ」

 蜘蛛のように、某有名な格闘ゲームのキャラみたいに、フェンスをはって降りてきた登は笑みを浮かべ、こちらを見た。

「登、お前が……魔法使いだって!?」

「ああ。悪いな大地。俺があんたらの言う、『最後のひとり』だよ」

 剣を肩に乗せ、俺の言葉に応える。

「三十になる前に、もうすでに魔法使いだったのか!」

 俺がそう言うと登は泣きながら剣を振り回して俺を追ってきた。とりあえず逃げる。

 校庭を一周して元の位置に戻ると、再び剣を肩に置いて登はこちらを見た。

「悪いけど数が減るのを待たせてもらった。とはいっても、残りは俺を含めて三人だからな。ま、さすがに負ける気もしねえ」

 全力で走ったせいか息は荒い。

「だからそろそろいいかと思ってな。改めての自己紹介っていうわけだ」

 登は剣を掲げた。



「俺が最後の魔法使い……秋谷 登だ。そして、この剣が邪刀『鼈 (みのがね)』。最強最悪の魔法のアイテムさ」



 登は高らかにそう宣言した。

「あれが最強のアイテム……邪刀『鼈 (みのがね)』!」

 冬深が口にする。

「知っているのか?」

「ええ」

 冬深はメガネを直して頷く。

「あらゆる非生命体を切り刻む力を持っている剣です。もっと言えば、斬れないものはないといっても過言ではない」

「非生命体……?」

 俺は冬深の解説にひとつの疑問を覚え、口にする。

 それがどういうことなのか、俺が登のほうを向くと、

「教えてやろう」

 登は剣を振りあげた。

「こういうことさっ!」

 振り下ろした剣から、剣先が延びる。

 それは、俺でも冬深でもなく。レールガンを構えている東山にでもなく。

 腹を押さえてうずくまったままの、南浜に向かっていた。

「きゃああああぁぁぁぁっっっ!」

 そしてその剣が、南浜を切り刻む。一瞬だった。

 一瞬で南浜は……下着のみの姿になっていた。

「な、なんだっ!?」

 俺はスマホをカメラモードで起動しながら口にする。

「あらゆる非生命体を斬る。つまり、だ」

 剣先が縮み、登の元へと戻る。

「生物以外はなんでも斬れるってことだよ、この剣は!」

 登が叫ぶ。

 なるほどそういうことか。生物以外……つまり、命があるもの以外はどんなものだって斬れるということだ。

 南浜を切り刻んだように見えるが、生命体は斬れなかった。おかげで、南浜は全裸に近い形になった。しゃがみこんでいるので、下着までは斬れなかったのだろう。ブラは切り刻まれている。

 なんて素晴らしい……いや、恐ろしいアイテムだ!

「くっ!」

 東山は移動し、レールガンを登に向けて撃つ。射線上にあった俺のスマホは吹き飛んでいく。俺は涙を飲んだ。

「無駄だ!」

 が、電撃を登は剣で斬り裂いた。電撃が空中で霧散し、消える。

「そんなっ……」

 東山が声を上げる。

 本当に、生命体以外は全部斬れるということか。電撃ですら。

「これはどうだ!」

 落ち込んでいる暇はない。俺は、グラウンドの砂をすくって投げた。

「甘い!」

 が、そのすべてが斬られて消えた。あわよくば目くらましになるかと思ったが……その意図も外れたようだ。

「ならこれは!」

 俺は校舎の近くに立っていた木を引き抜いて投げる。が、それも切り刻まれて消える。

「これは!」

 試しに近くの民家にあったベンツを投げてみるが、それも真っ二つに切り刻まれた。金髪の男が出てきて地面に突っ伏して涙を流した。

「これは!」

 次に俺は作りかけの高層マンションを投げた。それも見事に、階層ごとに輪切りにされる。工事現場のおっちゃんたちがやってきて、「あちゃー、また作り直しだよ」と息を吐く。

「なら、これはどうだ!」

 俺は最後に校長先生を掴んで投げた。校長は空中で全裸になりながら登の顔面に頭部をめり込ましたが、「すまないねえ」と謝ってそのまま歩いて立ち去った。残ったのは、「いえこちらこそ」と頭を下げる登だけだ。

「……本当になんでも斬れるのかよ!」

 現状で考えうるすべての手段は試した。

 が、ダメだ。かなう気がしない。

「大地、いったん退くわよ!」

 東山がレールガンを撃ち込みながら口にする。

「そのほうがいい。対策を立てないと、勝てない!」

 冬深が西村に上着をかけて口にする。

「逃がすかよ!」

 そこに、登が前に出る。

 延びた剣先が、退くべきか、それとも戦うべきかを迷っている俺へと延びる。

「百の槍!」

 が、俺の槍にはあらゆる攻撃を防ぐ能力がある。にゅ、っと手が出てきて、登の前で身構える。

「甘いぜ!」

 しかし、それは一瞬だった。あらゆる攻撃を防ぐはずの手が、たったひとふりの剣によって、真っ二つになった。

 槍から手が放れる。魔力を失って消える槍の能力を、俺はスローモーションのようにただ見つめていた。

 身動きもせず。

「危ない!」

 聞こえた声は冬深のものか。俺は突き飛ばされ、地面にしりもちをつく。

 目の前に立っていた冬深が軽く微笑み、俺の前に立つ。俺は、その名前を呼んだが遅い。



 ありとあらゆる非生命体を斬る。

 その剣が、冬深に迫っていた。

 俺が助ける間もなく。

 冬深は小さく笑みを浮かべたまま。

 斬り刻まれた。



 ただ、残ったのは。

 切れ端となったいくつかの布と。

 目の前にあるぷらんぷらんとぶらさがっているなにかと。

 そして。



「い、いやーっ!」



 野太いが甲高い、男の気持ち悪い悲鳴だけだった。 


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