弐面の二のオチ。
「バイオマスエネルギー....テレビでもよくやっているあれだ。
苔やら、プランクトンやらに含まれる、エネルギー、かっこよくいうと
生物の持つ、「能力」を使ったものだ。
生物の能力、というと
植物でいう太陽からの光で光合成することで栄養を得る、水を吸収することで栄養を得ると言った、
植物という定義がもつ基礎的な能力ではなく、例えばタンポポは、種を撒く際、種子に風に飛ばされやすいよう、綿をつける。
風に飛ぶことでより広い範囲に仲間を増やすんだ。 つまりそう言ったものを我々は研究するのだ。
その「植物」しか持たない、特別な能力。
恐らく、石油に変わる新エネルギーは、そういったところにあると思われる。そして実際、昨年、我々は、新エネルギーを発見した。
石油に変わる新エネルギーを!」彼は、拳を強く握り教室全体に響き渡る声で叫んだ。
大衆演説をしているような彼を見て
なんだか悪の科学者みたい~。と思ったのは俺だけではなかったはず。
彼は、このエネルギー、こんなにすごいんだよ!
ねぇねぇ!と講義している彼が目を輝かせていた。
しかし生徒は、あーはいはいと素っ気ない態度をとっており、(もちろん俺も。)どちらが聴衆なのか、わからなくなってきた。
まぁ講義が終わったとき、彼の持っていた教鞭が、へにゃっと曲がるぐらいの熱意だったと言っておこう。
この教鞭、講義中、ずっと回していた。
彼のやる気の象徴である。
ちなみに。後日談。
その夢の新エネルギーは、ノーベル賞を取るほどの行いだったが、翌年、
いつぞやのなんたら細胞レベルの大問題が発覚し、大スキャンダルと最後に
当然ながらのノーベル賞の取り下げ。
それを聞いたお髭のにあう大学教授は、新しく買い替えたばかりの教鞭を真っ二つに叩きおった、らしい。
まぁ、物事は、そううまくいく筈がないのだ。
と言うことである。
さて。話を戻しますかね。