永遠の愛の機械
水たまりにドライヤーをかけるようなきみの言葉が深夜2時に刺さるよ。
雨粒が(どうしようもないほどに梅雨だから)虹の前に、伸びるよ。
傘はない。
雲は風に流されて、ぐんぐんと遠くへいく。
丸い地表から眺めているうちに天動説が終わってしまう。
ああ、待ってというのも遅いよ。
その雨粒が落ちる前に、わたしの小さな大好きは、京葉線に弾かれた。
改編期の特番がきみのこころを掴んだところで、
それが砂漠に緑を増やすことにはつながらないよ。嘘だよ。
きみの知っていることはおおよそ間違っている。
燃えたぎるビーカーに雲はできないし、その仕組みだってきみはもう忘れてしまった。
結果だけがきみの手にあって、その重さは雲よりも小さい。
濡れた髪を乾かす速度、それよりも遅い。
うん、そうだよ。
千年後にきみの存在はなくなっているし、痕跡もなくなる。
恥ずかしげな日記帳を永久凍土に残しておくなら、素敵なウソを足してしまおう。
『愛は底にあった』
満足すれば、おとなしく多肉植物に水をやる日々をすごせる。
干からびた鉢に最低限のものを。
できるだけ長く生き続けられるように。
ストローでも指してしまえばいい。