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5人の王子と黒い影のはなし

森の王子は聡明だ。

だけども彼は弱虫さ。

黒い影が森を焼き、大切なひとを連れ去った。

彼は憎悪に狂わされ、涙を流して人を喰う。


太陽の王子は慈悲深い。

だけども彼は無知すぎた。

黒い影が欺いて、大切なひとを連れ去った。

彼は荒野を彷徨って、今も亡き人探してる。


海の王子は屈強な。

だけども彼は嫉妬深い。

黒い影が侵入し、大切なひとを連れ去った。

彼は呪いを唱えては、すべての幸せ潰してく。


夜の王子は美しい。

だけども彼は薄幸さ。

黒い影が蝕んで、大切なひとを連れ去った。

彼は嘆き手足を伐って、冷たい海へ飛び込んだ。


残されたのは紫陽花の王子。

とても臆病で優しい王子。

赤色にもなろう、青色にもなるよと。

黒い影を楽しませた。


「友のように、師のように。

お前のことを受け入れよう。

だけども、お前がこの先に

大切なひとを連れ去るときは。

その時は、どうか。

僕を一緒に連れて行っておくれよ。」


とても安らいだ黒い影。

王子を連れ去り、知らぬ世界へ飛んでゆく。

影には、まだ、名前がない。


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