中③
それからリンとナオとミヤの関係は崩れて行きました。仲が良かったクミもグループから省けるのが嫌なのか、ナオたちの味方についてしまいました。
そしてリンは一人ぼっちになってしまいました。
中学時代のようないじめはありませんでしたがそれでもグループから外れて一人なのは辛いことです。
そんな様子をみかねた別のグループの子がリンに声をかけてきてくれました。彼女はユカ。今まで事情もリンの昔のことも詳しくは知らないこです。ですが、だからこそ仲良くなれたのかもしれません。同情も意図もなかったから……。
リンとユカが仲良くなってから数ヶ月が過ぎました。今ではリンもクラスのみんなと仲良くなり、居場所もできました。でも、リンにはナオやミヤの事がきがかりでなりませんでした。
実はこの数ヶ月のうちにナオとの仲直りが終わっていたのです。表面上の言葉だけでできた、形だけの仲直りが。
お互いに誤ったのは良かったのですが、ナオにはミヤに悪口を言っていた事を直ぐに伝えた口の軽い子だと思われているので、仲直りが完全に成功しないのです。だってお互いの信頼関係が崩壊してしまっているのですから。どうしようもない平行線上の関係に一番最初に耐えられなくなったのは、リンでもナオでもなく、ミヤでした。
ミヤはリンに対して、ナオに謝れという内容のメールを何件も送って来ました。そんな日々が続くとリンだって耐えられません。だからリンは再びナオに謝りました。ごめんなさいと何度も何度も……でも、信頼できないと一言返されるだけ。何度謝っても同じ事が繰り返される日々のうちに、リンはなんで私だけが謝らなくちゃならないんだろうと思うようになり、謝ることをやめました。