第8話
ドイツのレンガ建築の街を進む。
意外とゾンビの数は少なく、生きている人も多い。
なんとなくだが、白人以外は必ずゾンビになっているようだ。
「そこの方々!」
突然、男性の声がした。
音がしたほうを向くと、スーツ姿の白人男性がいた。
ドイツ人だ。
俺の少し年下だろうか。
「俺達か?」
「ええ、ここらへんでこの子を見かけませんでしたか?」
男は1枚の写真を俺達に見せる。
女の子だ。
豪華な白いドレスを身にまとっている。
だが、見たことはない。
「すまない、知らないな」
「私も」
「ああ、俺も見たことはない」
男は肩を落とす。
「そうですか」
「迷子なのか?」
「ええ、そうなんです」
俺は「そうか」とだけ言い、その場を去ろうとした。
「ちょっと待ってください。一緒に探してほしいのです。報酬もあげますよ」
俺達は足を止める。
「報酬、金か?」
「食料か?」
こいつずっと飯のこと考えてるな。
「まあ、お好きなのをあげます」
「わかった。その子はお前の子供か?」
「ええ、そうです」
「はぐれたのか?それともここら辺にいて、迎えに来たのか?」
「迎えに来ています。小学校にいるのですが、学校にはいなかったんです」
「家に帰ろうとしたということか」
「じゃあ、家で待っていれば?」
「不安なんです」
「まあ、通学経路たどるしかないな」
「それがいつも通っているところにはいないんですよ」
どうしたものか。
「携帯から位置情報見れないのか?」
ダニエルは携帯を取り出す。
「いや、チップの位置情報は見れないようにしています。いくら自分の子供といえどプライバシーは大事ですから」
そういえば、空港で言っていたな。
「大丈夫、GPSは取得してる。表示してないだけ。貸して」
ユリアはそう言うと、男から端末を借り手渡される。
ポケットから小型のキーボードを取り出し、操作する。
数分後、男の端末の画面に地図と赤い丸が表示されている。
「ここならすぐそこだぞ」
「ありがとうございます!」
俺達はすぐにその場所へ向かった。
「お前、ハッカーなのか?」
「マイクロチップ関連なら」
10歳程度の子供なのにすごいな、こいつ。
俺はそんなのからっきしだ。
「ところで、あの人。あの子のお父さんじゃなかった」
ユリアはダニエルと俺にしか聞こえない声量で話す。
「どうゆうことだ、親族でなければGPSは受け取れないんじゃなかったか?」
「実は個別にGPSを受信できるかどうかのチェックがある」
あいつ、子供とはどうゆう関係だ?
俺達は先に進む男の後ろを追う。




