第6話
滑走路の端に着いた。
目の前には、鉄格子でできたゲートがあった。
だが、そのゲートは開かれていた。
ゲートの先にある検問所の赤のストライプのバーが道路を仕切っていた。
「空いててもゾンビは来ないんだな」
「空港は大体人のいない都市近郊にできるからな。いるとしたらすぐそこの管理棟の中だろう」
横にある建物の中からゾンビがこちらを睨んでいるのが見える。
「行こう、バーはぶち壊そうぜ」
俺はハンドルをできる限り回す。
叫びながら急加速でバーに突っ込んだ。
吹き飛んだバーが空中高く放り出される。
地面に落ちた音は聞こえない。
エンジンの音と風の音だけが、俺には聞こえた。
空港の周りはさっき言っていたように建物があまりなく、人もゾンビも車もあまりなかった。
高速道路が見えた。
燃え盛る車、徘徊するゾンビ。
遠くからそれが見えた。
俺はバギーを止める。
「行く道はここだけか?」
「道を行くならここを通るしかない」
「どういう意味だ?」
「道じゃないところを通るのもあるが、案内ができない。大体の方角はわかるが」
俺は悩んだ。
こういうのは苦手だ。
「大通りより、裏道のほうがいい」
ユリアの声が聞こえた。
「わからんが、そうなのか?ダニエル」
「まあ、基本的にはそうだな」
「それじゃあ、そうしよう」
俺はハンドルを回し、Uターンをする。
ガードレールがない場所から、林に入る。
非常に走りにくい。
「おい、運転が荒いぞ。あんまり飛ばないようにしてくれ」
ダニエルにそう言われ、速度を調節し、バギーをうまく操作する。
だがこれは楽しい。
しばらく走ると、それらしき建物が見えた。
フェンスがあるため、中には入れない。
駐車場にゾンビが多くいた。
すでにこちらには気付いているようで、ゆっくりとこちらに向かってきていた。
おそらく店内にも多くいるだろう。
入れそうな場所を探した。
小さいが、フェンスに穴が開いている場所を見つけ、そこから敷地に入った。
ゾンビに向かって発砲する。
しばらくの銃声ののち、あたりのゾンビは動かなくなった。
「案外たいしたことないんだな」
「いや、今のでマガジンを2つ使い果たした。近距離武器がやはり必要だ。銃はここぞというときに使うべきだし、そうするとゾンビに近づく必要が出てくる」
「なるほどね」
リーチのある武器がいるな。
俺達はホームセンターの入り口へ向かった。
しかし、入り口にはバリケードが張られており、入れそうな場所はなかった。
そして赤いスプレーでガラスにこう書かれていた。
『ここは満員だ、帰れ』




