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第17話

あの男の家に着いた。

そこそこ遠かった。

30分ほど歩いた。

玄関にある監視カメラが、こちらを見ていた。

ここもやはり、ユリアがドアを開けた。

家の中は驚くほど静かだった。

俺達は慎重に部屋をめぐる。

リビング。

キッチン。

寝室。

ユニットバス。

普通の家だ。

「おかしい、奴はここにいないのか?」

異変は2階の書斎にあった。

どこかで見たことのある鍵十字マークの旗が掲げられていた。

「ちょっと、見てちょうだい」

ソフィアが携帯端末の画面を見せてくる。

そこには、議事堂のような場所に、ここにある鍵十字マークの旗を掲げる集団がいた。

そしてその中心にはあの男がいた。

銃も持っている。

下に降りる。

外を見張るダニエルが驚く。

「どうしたんだ、そんなに急いで」

「ドイツの議会の場所を知ってるか?」

「ああ、そこにいるのか?」

「そうだ。決起をしている」

メアリーとアドルフはリビングで座っていた。

「今から議事堂に行く。決起している集団がいる。どうする?」

アドルフは少しの間考える。

「すみませんが、行けません。私はこの子を守らなくてはないので」

メアリーの頭を撫でるアドルフ。


外を出ると、ヘリコプターの音がした。

徐々に大きくなり、家の前の交差点に降りてくる。

ドアが開く。

中には空港で出会った男性、加山がそこにいた。

「連絡しといたの。もう弾もないしね」

加山がヘリから手を伸ばす。

「ご苦労だった。原因は既に聞いているよ」

ソフィアはその手を取り、ヘリに乗った。

俺達もヘリに乗る。


椅子が4脚、左右にそれぞれある。

中央に段ボールが置かれている。

俺は端に座った。

加山が目の前に座る。

隣にはソフィア、俺の隣に

「どうぞ」

加山がそう言うと、ほかの奴も座り始めた。

ヘリの羽が回転し始める。

なぜかワクワクしてきた。

そういやヘリに乗るの初めてだな。

「私たちはテロ組織ではない」

加山は段ボールを開ける。

中には銃と弾薬が入っていた。

そこそこ古いものだ。

手りゅう弾のようなものもある。

「だから組織を挙げて直接武器を取ることはしない。だが、提供はできる。どうする?かの第三帝国を復活せしめんとする輩に、君達は立ち上がるか?」

俺は武器を手に取る。

ダニエル、ソフィア、メアリーも同じだ。

「そこの君はどうする?」

加山はアドルフに目を向ける。

「私にはこの子がいます。離れることはできません」

ダニエルは窓から外を眺めるメアリーを見る。

メアリーは楽しそうだ。

「その子は私のほうで保護しておこう」

ダニエルはそう言われると、武器を眺め、手に取る。

「良いだろう」

私がベルリンにやってきたのは、昼頃だ。

外は夕焼けが差し、ヘリはその光を受けていた。

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