第12話
ソフィアは話しだす。
「いろいろ話したいことがあるんだけど。まず、何でこんな大所帯なの?」
ユリアが答えた。
「まあ、いろいろあって。ついて来た感じ。目的は伝えてある」
「ふうん。まあいいわ。アレクセイ。私を知った経緯は何だった?」
姉を知った経緯か。
思い出す。
いつだったか。
「そうだメールだ。いきなり変なメールが来たんだ」
そのメールに、姉のことが書かれていた。
「内容覚えてる?」
「何か姉ちゃんがいて、半年前に退職したこと以外覚えてない」
「それを送信したのが私たちの組織」
「組織?あの加山という日本人もユリアもその組織の一員ということか?」
「ええそう。世界中に同志がいるの」
「組織の目的は?」
「詳しくは言えないけど、パンデミックの調査が1つある」
「パンデミック、今回のようなですか?」
「ええ、だけど今回のは、前から怪しい動きがあった」
「サミュエル・テック・・・」
俺はつぶやくように言った。
「そう、サミュエル・テックで働いていた時、私は計画を知った。ゲルマン民族の単一民族国家を作る計画」
「単一民族国家?」
「そう、それはかつての鍵十字の思想。私はいろんな人に告発した。警察、政治家、宗教家、どれも相手にされなかったわ。だけど、この組織だけは話を聞いてくれた」
ソフィアはうつむく。
「そして会社を追われるようにやめた」
顔を手で覆う。
「私は止められたはずなの。奴らの計画を。この惨事を。そして途中まで作っていたの、マイクロチップを」
俺は立ち上がり、ソフィアの頬を叩いた。
「え?」
ソフィアは涙目でこちらを向く。
「後半わかんなかったけど、何を後悔してるんだ?大いなる意思にいち個人が止めれるとでも?過去を見ているより、これからどうするかを見ろよ」
ソフィアは立ち上がり、叫ぶ。
「あなたに何が分かるの?私がいかに戦ったかわからないからそう言えるの!」
「戦った結果負けたんだろ。もう事件は起こったんだから、お前には関係ないだろ」
ユリアが歩み寄る。
「まあ、そう言い争わないで。そこでアレクセイに手伝ってほしい。できればみんなも」
ソフィアは深呼吸をして言う。
「そう、簡単に連絡できる相手があなただったの。手伝ってくれる?」
「いや、もうここに来る目的は果たしたから、あとは帰るだけだ」
俺の目的は姉であるソフィアに会いに来ること。
どんな奴か知りたいから来たんだ。
「あなたどうやってロシアに変えるつもりなの?」
「え?そりゃまあ、飛行機で」
「こんな状況で?」
そういえばそうだ。
「協力すれば、ヘリコプターでワルシャワまで行けるわ」
「協力しなければ?」
「ベルリンのゾンビの肉壁で外には出られない」
どうやら俺は協力するしかなさそうだ。




